選択されたノードを調べるコマンド

必要なメソッド

選択されているオブジェクトのリストを得て、リストの中から 1 つずつノードを取り出すためには、以下のメソッドを使用します。

maya.OpenMaya.MSelectionList(): 選択されているノードを入れておくためのリストを作成するためのメソッド
maya.OpenMaya.MGlobal.getActiveSelectionList(): 選択されているノードのリストを得るためのメソッド
maya.OpenMaya.MItSelectionList(): 選択されているノードが入っているリストからイテレータを得るメソッド

実行例

選択されているオブジェクトの移動Xアトリビュートをスクリプトエディタに表示するコマンドプラグインです。

Python フォルダーの中に selectionList.py というファイルをエディターによって作ります。
ファイル(selectionList.py)の内容は、以下のように書いておきます。

import sys
import maya.OpenMaya
import maya.OpenMayaMPx

kPluginCmdName = 'selectionList'

class selectionList(maya.OpenMayaMPx.MPxCommand):
    def __init__(self):
        maya.OpenMayaMPx.MPxCommand.__init__(self)

    def doIt(self, args):
        dependNode = maya.OpenMaya.MObject()

        slist = maya.OpenMaya.MSelectionList()
        maya.OpenMaya.MGlobal.getActiveSelectionList(slist)
        iter = maya.OpenMaya.MItSelectionList(slist)

        while not iter.isDone():
            iter.getDependNode(dependNode)
            fnDependNode = maya.OpenMaya.MFnDependencyNode(dependNode)
            txAttr = fnDependNode.attribute('translateX')
            txPlug = maya.OpenMaya.MPlug(dependNode, txAttr)
            tx = txPlug.asDouble()
            print ("tx " + str(tx))
            iter.next()


def creator():
    return maya.OpenMayaMPx.asMPxPtr(selectionList())
    
def initializePlugin(mObject):
    mPlugin = maya.OpenMayaMPx.MFnPlugin(mObject)
    try:
        mPlugin.registerCommand(kPluginCmdName, creator)
    except:
        sys.stderr.write('Failed load plugin : %s' % kPluginCmdName)
        raise

def uninitializePlugin(mObject):
    mPlugin = maya.OpenMayaMPx.MFnPlugin(mObject)
    try:
        mPlugin.deregisterCommand(kPluginCmdName)
    except:
        sys.stderr.write('Failed unload plugin : %s' % kPluginCmdName)
        raise

selectionList.py をロードします。
以下のどちらかの方法でロードします。
- ウインドウ → 設定/プリファレンス → プラグインマネージャからプラグインマネージャを表示して、参照ボタンをクリックします。
- MEL コマンド loadPlugin によって読み込みます。
  selectionList.py が /home/abe/school/python ディレクトリにある場合は、以下のように実行します。
  loadPlugin("/home/abe/school/python/selectionList.py");
Maya のシーンに存在するオブジェクトをいくつか選択しておきます.
スクリプトエディタの MEL タブから以下のように実行します。
selectionList;
スクリプトエディタのヒストリペインに以下のような表示が出ます。
tx -3.92930274546
tx 8.856042999
tx 1.42260569659

スクリプトの解説

selectionList クラスの doIt メソッドの部分だけを解説します。

dependNode = maya.OpenMaya.MObject(): 選択されているノードを入れておくための MObject を作成します。
slist = maya.OpenMaya.MSelectionList(): 選択されているノードを入れておくリストを作成します。
maya.OpenMaya.MGlobal.getActiveSelectionList(slist): slist の中に現在選択されているノードのリストを入れます。
iter = maya.OpenMaya.MItSelectionList(slist): ノードを 1 つずつ処理させるために、イテレータを作成します。
while not iter.isDone():: イテレータの次の要素がなくなるまでループを繰り返します。
iter.getDependNode(dependNode): イテレータからノードを取り出して dependNode に入れます。
fnDependNode = maya.OpenMaya.MFnDependencyNode(dependNode): ノードを操作するためのメソッドを集めたクラスを作成します。
txAttr = fnDependNode.attribute('translateX'): ノードから translateX アトリビュートを取り出します。
txPlug = maya.OpenMaya.MPlug(dependNode, txAttr): translateX アトリビュートのプラグを作成します。
tx = txPlug.asDouble(): プラグの値を double の値として tx に代入します。
print ("tx " + str(tx)): tx の値をスクリプトエディタに表示します。
iter.next(): イテレータを次のオブジェクト（ここでは次の選択されているノード）にします。

参考

MAYA
Maya, MEL 関係(Tips, FAQ, コマンド)のページ

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