TeXの作り方

TeXとは

TeX(テフ、テック)とはマクロによって文書を整形するDTPソフトである。
(マクロはHTMLのタグのようなものである)
エディタによってTeXのソースファイルを作り、TeXのコマンド(platexなど)で DVIファイルを作ることによって文書を作成する。
DVIファイルをそのままプリントアウトできるが、ポストスクリプトやPDFに変換することもできる。(dvipdfmなどを使用)

最小限のTeX

以下のように、最低限 \documentclass{} と \begin{document}・\end{document} があれば良い。

\documentclass{jarticle}
\begin{document}
ここに文章を書く。
\end{document}

\documentclass{} と \begin{document} の間をプリアンプルと言い、 そこで様々な指定を行なう。

TeXのマクロ

最低限、以下のマクロを覚えておけば、とりあえず使うことができる。

\documentclass[オプション]{クラス名}
ドキュメントクラスを指定する。
クラス名は以下の通り。
jarticle
論文、レポートなどの短い文書
jreport
長いレポート
jbook
オプションの部分には文字の大きさ、用紙の大きさなどを指定する。
各オプションは , (カンマ)で区切って並べることができる。
11pt
文字サイズを11ptにする。
デフォールトは10pt。
12pt
文字サイズを12ptにする。
a4paper
用紙サイズをA4にする。(デフォールト)
a5paper
用紙サイズをA5にする。
b4paper
用紙サイズをB4にする。
b5paper
用紙サイズをB5にする。
twocolumn
本文を2段組みにする。
\usepackage[オプション]{パッケージ名}
使用するパッケージの指定。
プリアンプルに書いておく。
\begin{環境名}
環境の始まり
\end{環境名}
環境の終り
\\
改行
\newpage
改ページ
\verb
文字をそのまま出力。
\verb の次の文字から、2度目にその文字が現れるまの文字がそのまま出力される。
例えば、\verb|%%%%%| とすると | から2番目の | までの %%%%% が表示される。
\includegraphics[オプション]{画像ファイル名}
画像を文書に貼る。
画像ファイルのフォーマットはポストスクリプト(.ps)である。
プリアンプルに\usepackage[dvips]{graphicx} が必要。
\item
箇条書き(\itemize、\enumerate など)の項目

環境

\begin{} から \end{} までで有効となる。

document
実際に出力される部分。
center
中央寄せ
flushleft
左寄せ
flushright
右寄せ
itemize
箇条書き (項目は \item を使用)
enumerate
番号つき箇条書き (項目は \item を使用)
verbatim
文字をそのまま出力

TeX使用上の注意

使用例

UNIX(Linux)での作り方。

  1. 以下のTeXファイルを作る(tmp.tex)
    \documentclass{jarticle}
    \usepackage[dvips]{graphicx}
    \begin{document}
    \begin{flushleft}
    左寄せ
    \end{flushleft}
    \begin{flushright}
    右寄せ
    \end{flushright}
    \begin{center}
    真ん中寄せ
    \end{center}
    
    空行で段落が変る。(HTMLで\verb|<|P\verb|>|)
    
    別の段落。
    
    本文
    本文
    本文\\
    本文
    本文
    本文
    
    改行は無視されるので
    改行したい時は\verb|\\|を入れる。(HTMLで\verb|<|BR\verb|>|)
    
    画像は一個の文字として扱われる。(HTMLと同じ)
    \begin{center}
    \includegraphics[width=5cm,height=5cm,clip]{tmp.ps}
    \end{center}
    \begin{itemize}
    \item 箇条書き
    \item 箇条書き
    \item 箇条書き
    \end{itemize}
    \begin{enumerate}
    \item 番号つき箇条書き
    \item 番号つき箇条書き
    \item 番号つき箇条書き
    \end{enumerate}
    プログラムなどをそのまま出力したい時はverbatimを使用。\\
    (ただしタブはスペースに変換しないと表示されない)
    \begin{verbatim}
    int main()
    {
            printf("hello\n");
            return 0;
    }
    \end{verbatim}
    \newpage
    DVI・PDFの作り方
    \begin{enumerate}
    \item \TeX ファイルを作る。(例えばtmp.tex)
    \item DVIファイルを作る。\\
    	\% platex tmp.tex \\
    	tmp.dviが作られる。
    \item PDFファイルを作る。\\
    	\% dvipdfm tmp.dvi \\
    	tmp.pdfが作られる。
    \end{enumerate}
    \% は\TeX のコメントなので\verb|\%|と書く。
    \end{document}
    
  2. DVIファイルを作る。
    % platex tmp.tex
  3. DVIファイルを表示するには
    % xdvi tmp.dvi
  4. PDFファイルを作る。
    dvipdfmがあれば
    % dvipdfm tmp.tex
    dvipdfmが無ければ
    % dvips tmp
    % ps2pdf tmp.ps tmp.pdf
  5. 作成されたPDFファイル。(tmp.pdf)

参考


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