インターネットへの接続
インターネットのハードウェア(伝送媒体)
インターネットにおいて、データを実際に伝えてゆく媒体として以下のものがある。
- 電話回線
いわゆるアナログ回線を使ってモデムでデジタルデータをアナログデータに変換して通信する方法が最も一般的だが、デジタルデータに適した以下の方式も良く使われるようになってきた。
- ISDN
- ADSL (Asymmetric Digital Subscriber Line)
ADSLに類似した技術を総称してxDSLということもある。
現在の電話回線(銅線)を使用して高速(下り6~9Mbps、上り640kbps)に接続する技術である。
モデムにはADSLモデムを使用する。
電話局からの距離が近くないと速度が遅くなるなどの欠点がある。
NTTなどで光ファイバーを全国に敷設する計画(FTTH)が完成するまでの方式として計画中である。
- 携帯電話・PHS
ノートパソコンなどからモデム(PCMCIA)を経由して携帯電話・PHSによって接続する。
最近はiモードで直接メール・Webページを利用できる。
- CATV
CATV(ケーブルTV)の同軸ケーブルをデータ通信に使用し、ケーブルモデムという特別な機器で接続する。
利用料金5000~6000円、64~256kbps程度の速度で24時間常時接続できるが、まずCATVに加入しなくてはならないこととサービスできる地域が限られているのが欠点である。
- 地上波(無線やTVの電波)
来年くらいから無線による常時接続のサービスが始まる。
NTTの回線を使用しないでも接続ができるが、必要な機器が高価なため個人向けの安価なものではなくなる可能性がある。
- 衛星通信
- 衛星インターネット (ダイレクトインターネット)
上りは電話回線を使用し、下りに衛星を利用してパラボラアンテナでデータを受ける。
モデム
モデムとはデジタルのデータを、電話回線に流すためにアナログデータ(音声信号)に変換する機器である。
普通の電話回線を使用して、個人でプロバイダーなどに接続する時はモデムを使用する。
現在、52600bpsのスピードを持ったものが主流になっている。
接続方法
モデムはコンピュータのRS232Cと、電話のモジュラージャックとに接続される。
内蔵のモデムの場合には、電話線を直接コンピュータに接続すれば良い。
ISDN
ISDN(Integrated Services Digital Network)とは、簡単に言えば
デジタルの電話回線である。
NTTではこれをINSという名前で提供している。
INSには「INSネット64」と「INSネット1500」とがあるが一般には64の方が良く使われる。
(1500は料金が高く、設備も大がかりになるので個人には難しい)
INS64では、64Kbps(Bチャネル - データ伝送用)x2 + 16Kbps(Dチャネル - 制御信号用)で構成される。
つまり、64000bpsの回線2本と16000bpsの回線1本があってそれらを同時に使用できるものになっている。
ISDNの利点
普通の電話回線(アナログ)と比べて次のような良いところがある。
- 高速に通信できる。
アナログだと現在28800~56200bpsぐらいだが、
INS64だと384000~128000bpsの速度で通信できる。
(通信速度はプロバイダーの対応によって変わってくる。)
- デジタルなのでノイズが少ない。
アナログ回線だとノイズが入りやすく、
そのために途中で回線が切断されることが良くある。
ISDNでは回線切断はほとんど無く、接続開始も
非常にスムーズになる。
- 接続までの時間が短い。
"ピーガー"という接続音がしないで、2、3秒で接続できる。
- 一本で2回線分の通信ができる。
一本がパソコン、もう一本が普通の電話やFAXという使い方ができる。
ISDNの欠点
逆にアナログ回線と比べて、欠点と思われるのは以下の点だろう。
- 工事費がかかる。
場合によって違うが¥10,000~20,000くらい。
- DSUやTAが必要になる。
- 基本料金が少しだけ高い。
アナログは¥1450~1750
INS64は¥2830
しかし、回線使用料は同じである。
- 電話番号を変更しなければならないことがある。
最近はほとんどの地域で変更しなくても良い。
自分の所がどちらかなのかは
http://www.nttinfo.ntt.jp/dlij/SER_J/ISDN_J/IG_J/MO/MOSIKOMI.html
を見るとわかる。
- プロバイダーが対応しているとは限らない。
現在、対応していないプロバイダーはほとんど無いだろう。
万一、自分の加入しているプロバイダーが対応していない場合はアナログのモデムを使用することになる。
(TAにモデムを接続する)
- 停電になったり、TAが故障すると電話が通じなくなる。
たいていのTAには電池などで停電対策がなされているので、普通は心配無い。
DSUとTA
DSU(Digital Service Unit) はデジタル回線接続装置と言って
電話回線とISDN回線のインターフェイスになるものである。
このDSUにTA(Terminal Adapter - ISDN信号をアナログ信号などに変換する)を接続して、
TAからコンピュータや電話器、FAXなどに接続する。
(実際はDSUを内蔵したTAが多い)
ダイアルアップルータ
現在、流行りつつあるのがLANからISDNにアクセスできる ダイアルアップルータである。
これからインターネットに接続したい人、現在はモデムを使って接続している人はこのダイアルアップルーターがお勧めである。
ダイアルアップルーターとは
LANからプロバイダーなどを通して、インターネットに接続するための機器である。
LANに接続されたコンピュータからインターネットにアクセスすると
自動的にプロバイダにダイアルして接続し、ある時間アクセスがないと接続を切ってくれる。
接続時に少し時間がかかるのを除けばほとんど専用線の感覚で使用できる。
最近各社から安価な製品が発売されるようになったので、 SOHOなどでの普及が見込まれる。
ダイアルアップルーターの特徴
- 接続が自動で行われる。
切断も自動である。
- ダイアルアップルータとコンピュータの間はイーサネットで接続するので RS232Cで接続するモデムやTAに比べてデータの転送スピードが早い。
- 2台以上のコンピュータを接続して、同時にインターネットにアクセスできる。
(NAT, IPマスカレード)
- 接続時間の制御など、様々な機能が付加されている。
(製品によって違う)
ダイアルアップルーターの種類
現在、個人で購入できる代表的なダイアルアップルーターは以下の通り。
いずれも実売価格¥30,000台~¥40,000台位である。
- NetVolante RTA50i ( YAMAHA )
- MN128-SOHO SL10 ( NTT )
- NetVehicle-fx3 ( 富士通 )
- Comstarz Router CMZ-RT-D2 ( NEC )
- MUCHO-TL-DSU ( 古川電気工業株式会社 )
参考
Prev | Next
index | home
abe@injapan.net