@abetmhr Twitter 2011
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@abetmhr による2011年内のつぶやきをまとめたもの。
映画
- ベネット・ミラー「マネーボール」 金の無い弱小球団を、独自の理論で優勝に導こうとする男の話。野球がモチーフだが、試合中継は必要最小限で、主人公の葛藤を描く人間ドラマが主。渋めの演技と、派手過ぎない演出が良い印象。娘の歌以外、音楽を使わないのも効果を上げている。 #cinema
- アミール・ナデリ「CUT」 兄を殺され多額の借金を背負った映画狂の男が、殴られ屋になる話。ストレートに語られる映画への愛。映画は芸術だという監督の主張が全面に出ている。引用されている映画を何本観ているか思わず数えてしまった。しかし、主人公は打たれ強すぎだろう! #cinema
- 山崎貴「friends -フレンズ- もののけ島のナキ」 もののけの主人公が、人の子供と暮らす事で愛情を取り戻す話。脚本と演出は、日本のCGアニメの中では良く出来ている方だと思う。だが、技術やスケールの面ではハリウッド製にかなわないのをどうするか? #cinema #anime
- 富田克也「サウダーヂ」 経済的に疲弊した地方都市で展開される、住人達のどん詰まりの生活が描かれる。就職難、移民問題、差別と偏見。ドラマなのだが、良質のドキュメンタリーみたいに、自分が画面の中で一緒にいる様なリアルさがある。だから、長めの上映時間があっという間だ。 #cinema
- ブラッド・バード「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」 マッドサイエンティストによって奪われた核発射装置。組織の後ろ盾を失った主人公達が、世界を救う為に立ち上がる。工夫されたテンポの良いアクションで、飽きさせない。シリーズ中、トップレベルの出来。 #cinema
- ビットリオ・デ・シーカ 「ひまわり」 戦争によって引き裂かれた夫婦の悲劇を描く。ソフィア・ ローレンが、意思が強く愛を貫き通そうとする、美人の主人公役にピッタリ。演出も演技も上手いし、名作と言える作品。実はスペインで撮ったらしい、ひまわり畑が美しい。70年作。 #cinema
- 吉田喜重「さらば夏の光」 ヨーロッパにやって来た男が、知り合った日本女性と、欧州各地を巡りながら幻の教会を探す。カラーだと白黒作品と雰囲気が違うが、画面構成がやっぱり独特。一柳慧の音は、監督作品に一番合っていると思う。しかし、これは観光旅行映画だな。68年作。 #cinema
- 吉田喜重「情炎」 夫への愛が冷めている妻が、母の情夫だった男や、浮浪者の男に満たされぬ思いをぶつけてゆく話。わざと被写体を中心から外した構図がカッコ良過ぎる。人物のアップも効果的。鏡の使い方も上手い。シンプルで抽象的なタイトルバックも好きだ。白黒67年作。 #cinema
- 山田尚子「映画けいおん! 」 軽音楽部の5人が、ロンドンへ卒業旅行する話がメイン。すごいドラマがある訳ではなく、平和にストーリーが進む。TVシリーズを観ていないと、面白さが分からないかも。観ている人には、各エピソードの意味が分かって面白いだろう。 #cinema #anime
- ショーン・レヴィ「リアル・スティール」 10年ぶりに再会した親子が、拾ったロボットとボクシングの試合を戦う事で、絆を取り戻す話。脚本などの細かい粗を気にしなければ、ベタなストーリーを楽しむ事ができる。敵役にもう少し深い背景が有るかと思ったが、そんな事は無かった。 #cinema
- 吉田喜重「炎と女」 機能不全の夫の為に、人工授精で子を産んだ妻。友人夫婦が絡んできて、各自のアイデンティティーを探る物語。白い壁がバックになると、監督らしいカッコイイ映像になる。木立から光が指す場面は、ソクーロフみたいだ。松村禎三の音楽が良い感じ。白黒67年作。 #cinema
- 吉田喜重「樹氷のよろめき」 男二人と女一人の三角関係が、雪国で展開される。罪を背負った男と、男としての機能を果たせなかった男、そして満たされない心を抱えた女、自分達の欠乏を埋めようと葛藤する様を描く。白い雪原をバックにした構図が冴え渡っている。白黒68年作。 #cinema
- ジャクリーヌ・コー「引き裂かれた交響曲の物語」 リュック・フェラーリの曲をバックに、5人の女性が様々なパフォーマンスを行う映像と、曲の演奏風景を交互に映し出す作品。映像自体は美しいが、絵画のパロディーみたいな構図があったりして笑ってしまった。10年作。 #cinema
- ジャクリーヌ・コー「プリズムの音、時間のメカニック」 主に、アメリカ現代音楽の大物のインタビューで構成されたドキュメンタリー。彼らのファッションが音楽性を表しているみたいに見えて面白い。ヤングやライリーは、やっぱりヒッピー だ。テクノにも目配りあり。09年作。 #cinema
- スティーヴン・ スピルバーグ「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」 模型の船に隠された謎を追って、船長と一緒に冒険に出るタンタン。CGの技術は本当に凄いが、何故か観終わった後の印象が地味に感じる。アクション場面は面白いので、観て損はしないと思う。 #cinema #anime
- 若松孝二「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」 過激派の行動を、内部から描いたドキュメンタリー風ドラマ。"総括"を強要されて、次々に凄惨なリンチで死んでゆく若者達。この監督は、政治的なテーマだと本領を発揮する。3時間の上映時間が長く感じ無い。190分08年作。 #cinema
- アラン・パーカー「ピンク・フロイド ザ・ウォール」 ある男が狂気にとらわれて行く様子を、「ザ・ウォール」の曲をバックに、過去の思い出と共に描く。メタモルフォーゼを多用したアニメと、ネオナチみたいな集団が面白い。フロイドの曲は、爆音で聞くと素晴らしい。82年作。 #cinema
- 相原信洋「LOTUS」「ZAP CAT」 ラクガキみたい描線が跳ね回る。二十年前に戻った様なダイナミックなサイケデリックなイメージの渦。やはり、まとめて観ると面白さ倍増。本当に惜しい才能をなくした。7分07年、4分08年作。 #cinema #anime
- 相原信洋「MEMORY OF RED」「BLACK FISH」「YELLOW SNAKE」 赤を主体としたサイケな線のダンス、書道の様な絵がフラッシュバックで映され、黄色い手が動く。抽象的だが、難解では無い。3分04年、4分06年、10分06年作。 #cinema #anime
- 相原信洋「気動」「RAIN」「THE THIRD EYE」「MEMORY OF CLOUD」「WIND」 気の流れの様な、繊細な線が動く。この人の作品は、意外に柔らかな優しい線が多い。4分94年、5分96年、7分97年、5分99年、6分00年作。 #cinema #anime
- 相原信洋「とんぼ」「GAVORA」「LINE」「MASK」 トンボが弾けてサイケデリックな描線となって動き回ったり、指や目玉の様なモチーフが変形してゆくアニメーション。自由自在な形態のダンス。7分88年、4分89年、5分90年、6分91年作。 #cinema #anime
- 鈴木清順「関東無宿」 傾きつつある組のヤクザと、イカサマ賭博師の女との恋を中心にした物語。一応、任侠物だがキャピキャピした女学生、言いたい事のよくわからないストーリー、独特な演出で常識から外れた作品になっている。花札勝負の場面でのイカサマは面白かった。63年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「人造の水」 貴婦人が一人、噴水の前に立っている。後は、夫人の後を追いながら、ひたすら噴水の水を撮ってゆく。ほとんど青一色に見える画面に写る水が美しい。13分53年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「我が悪魔の兄弟の呪文」 男の裸体、悪魔教の儀式、ドラック等、それっぽいイメージが矢継ぎ早に現れる。分かりやすいイメージが多いので、理解不能ということは無いが、何と言ってもミック・ジャガー作のノイズ同然の音が凄い。11分69年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「ルシファー・ライジング」 悪魔を崇める儀式が延々続く。神秘主義だの、クローリーに捧げられているだの色々あるが、連続するイメージが無意識に訴えかけて来る。マンソン・ファミリーの一員が作った音楽が、サイケデリックで精神を震わせる。29分80年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「快楽殿の創造」 快楽殿で行われる神秘的な呪術。とにかく、奇妙キテレツなファッションと化粧でクラクラする。多用されるフラッシュバックが、さらに拍車をかける。とんでもない色のセンスと執拗なイメージ攻撃にやられてトラウマになりそうな作品。特に、鳥籠女は頭から離れない。 38分53年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「花火」 膨れている股間、水兵達の乱暴、溢れる血、降り注ぐ白いミルク、炎に包まれるクリスマスツリー。シュールリアリズムの映画の様にイメージが連続する。ある意味、最も分かりやすいアンガー作品かも。白黒15分47年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「ラビッツ・ムーン 1950年バージョン」 道化達が何かの寓話を演じている。その上に、ポップな曲が被さってくる。ストーリーにわざと関係ない曲を付けるという、現代では普通に行われている手法の元祖なのか?50年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「プース・モーメント」 きらびやかな衣装が次々と出て来て、その衣装を纏った女が画面の中でポーズをつけてゆく。なんだか「ブルー・ベルベット」を思い出させる。6分49年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「K.K.K. Kustom Kar Kommandos」 ひたすら車を愛でるフェティッシュな作品。羽毛で撫でられる車が官能的に見えてくる。この作品も初見のときはサッパリわからなかった。3分65年作。 #cinema
- ケネス・アンガー「スコピオ・ライジング」 バイクとライダーを執拗に映し続けるフェティッシュな作品。二十数年前に始めて観た時は、何の事やらわからなかったが、今は何故かバイクの部品が美しく感じる。29分63年作。 #cinema
- 鈴木清順「東京流れ者」 組の抗争から逃れる為に流れ者となる主人公。だが、争いから逃れることは出来ない。大胆なカメラアングル、舞台の様な背景、原色のライト。前衛的演出とアクションがピッタリハマった娯楽作。主題歌がカッコ良くて、リフレインが耳から離れない。66年作。 #cinema
- シルヴァーノ・アゴスティ「カーネーションの卵」 戦時中のイタリア、少年の目から見た愛と残酷さに満ちた世界が描かれる。全てのカットが、醜いもの迄含めて、夢の中の様に淡くて美しい。子役がみんな可愛いし、永遠に観ていたいと思わせる。映画の奇跡と言える名作。91年作。 #cinema
- 鈴木清順「密航0ライン」 密航組織を追う二人の新聞記者。強引な方法で取材をする男と、それに反発する真面目な男、という対比でストーリーが面白くなっている。スピーディーな展開で、飽きさせない。この監督は、狭い場所でのアクションが得意なのだと改めて納得した。60年作。 #cinema
- 鈴木清順「悪太郎伝 悪い星の下でも」 清純派と肉体派、二人の女性の間で悩む、河内の暴れん坊の話。河内弁が痛快なのと、父親と坊さんのキャラが面白すぎる。独特のカメラアングル等もあるが、分かりやすくて楽しめる娯楽作品になっている。65年作。 #cinema
- 鈴木清順「俺たちの血が許さない」 ヤクザの息子として生まれた兄弟が、カタギの道を目指そうとするが…。シリアスな兄とヤンチャな弟の対比で進むアクション作品。ラスト、暗闇の中での銃撃戦は迫力有るが、テレビで観てもほとんど何やっているかわからないだろう。64年作。 #cinema
- 鈴木清順「刺青一代」 殺人の罪から逃れるために、裏日本の町にやって来たヤクザと画学生の兄弟。雇われた飯場に、対立する組が妨害をし掛けて来る。独自のカメラアングルと美術が冴え渡る。ラストの大立ち回りが素晴らしい。65年作。 #cinema
- オリビィエ・アサイヤス「カルロス1~3部」 世界的に有名なテロリスト、カルロスの半生を描く。数ヶ国語を話して、欧州・アラブ・北アフリカを中心にテロを繰り返した男。緊張感のある場面が多いので、長時間でも退屈はしない。音楽は相変わらずカッコいい。326分10年作。 #cinema
- 鈴木清順「けんかえれじい」 喧嘩ばかりしている少年の、無軌道な行動と恋の話。画面二分割や、カットインされるアップなど独特演出が多くて、テンポが良い。それにしても、高橋英二が若過ぎる。ラストは、面白くなりそうな所で終わってしまう。66年作。 #cinema
- 鈴木清順「春婦伝」 戦時中、中国にある日本軍の慰安所へ行った女の物語。徹底的に男を愛そうとする女の演技が素晴らしい。監督の特徴的な演出全開なのに、ちゃんとエンターテイメントとして面白い作品になっている。野川由美子は、清順作品の中で最も好きな女優だ。65年作。 #cinema
- ズビグニェフ・チャプラ「儀式」 ある男の日常生活を描いた、墨絵の様なアニメーション。ダイナミックな動きが面白い。6分10年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- イザベラ・プルチンスカ「エステルハージ家」 大きなお嫁さんを探すためにベルリンへやって来た、名家のウサギのお話。粘土アニメーション。25分09年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- エヴァ・ボリセヴィッチ「誰が考えつくだろうか?」 失踪した男の謎を追うドキュメンタリー風線画アニメーション。11分09年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- ピョトル・シュチェパノヴィッチ「秘密」 鉄道のそばで孤独に住んでいる男。彼の生活の中にある、隠されたものを描くアニメーション。7分09年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- ミハウ・ソハ「棒」 女性の魅力と、それに捉えられた男の末路を表現するブラックユーモア。赤い背景に黒のシルエットで描かれる。5分08年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- アンジェイ・ヨプチック「インサイド・アウト」 キャラが周りにあるもの何もかも、裏表引っくり返してゆく。終いには宇宙も引っくり返される。アイデアが面白い。6分08年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- ヴィオラ・ソヴァ「リフレインズ」 三代に渡る女性の思い出・感情・経験を、淡い消え入りそうなイメージで表現する。13分07年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- ロベルト・ソヴァ「シークエンス」 孤独や別離などの心象風景を夢の様なイメージで描いたアニメーション。8分07年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- マウゴジャータ・ボセック「ドキュマニモ」 主婦の一日の行動をドキュメンタリー風に描く、クレヨンの様な描線のアニメーション。10分08年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- マルタ・スクロツカ「石の年輪」 土に落ちた種から植物が育ったり石が割れたり、様々なイベントが起こってゆく。8分07年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- イザベラ・プルチンスカ「朝食」 あるカップルの朝食の様子を描く、黄色い粘土を盛り上げて作ったアニメーション。2分06年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート4 #cinema #anime
- 鈴木清順「カポネ大いに泣く」 明治時代、ギャングの牛耳るサンフランシスコに渡った浪曲師が活躍する物語。どう見ても横浜な、偽サンフランシスコ、豪華な俳優陣、無国籍でキッチュな背景、監督の世界が爆発している演出。よく配給会社から公開の許可が出たものだ。85年作。 #cinema
- 鈴木清順「海峡、血に染めて」 密輸の取り締まりのために、海上保安官になった主人公。ところが、兄が密輸団にいることがわかる。アクション物として、誰でも楽しめる出来栄え。独自演出はそれ程目立たない。監督としては、珍しい海洋アクション。61年作。 #cinema
- ヒロエニム・ネウマン「ズープラキシスコープ」 マイブリッジの写真を模したパロディ。12分05年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- トマシュ・バギンスキ「落ちた作品」 兵士が高所から落とされる。それは、ある作品を作るためだった。ブラックユーモアが6分04年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- マリウシュ・ヴィルチンスキ「不運にも」 年老いた天使の夫婦の話。13分04年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- マルタ・パイェック「りんごの後に」 りんごが落ちて、食われて朽ちてゆく。写真と線画のアニメーション。6分04年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- トマシュ•バギンスキ[カテドラル」 伽藍にやって来た男。やがて、男は建物の一部として飲み込まれてゆく。オスカーノミネート。3DCG6分02年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- マリウシュ•ヴィルチンスキ「A級死因」 あるバンドのリーダーのための作品。落書きの様な描線で、負の感情を呼び覚まされる。4分02年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- イェジ•クチャ『弦走」 何度見ても意味不明のイメージが次々に現れるアニメーション。二回目の鑑賞。15分00年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- トマシュ•コザック「紳士のロマンス」 人間の欲望をシュールに描いた作品。グロテスクでユーモラスなイメージの連続。10分00年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- ピョトル*カルヴァス「マスク」 顔の無いキャラクタが、自分に合うマスクを探す話。5分98年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- ラファウ・バルコヴィチ「震える弦−弦楽合奏組曲第4番サ長調から」 バッハの曲に合わせて、キャラたちが楽譜を思わせる線の上を動き回る切り貼りアニメーション。5分95年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- ピョートル・ドゥマワ「フランツ・カフカ」カフカの日記をベースにした作品。カフカの性的な面を取り上げている。暗い画面で静かに描かれるアニメーション。91年作。“ポーランド 派”とその周辺、及びその子供たち─パート3 #cinema #anime
- ピョートル・ドゥマワ「ジェントル・スピリット」 自殺した若い妻の遺体のそばで老人が座っている。ドストエフスキーの小説を元にした、油絵アニメーション。11分85年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- イェジ・カリナ「佇まい」 農民の厳しい生活を描く線画アニメーション。7分81年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- ズビグニュー・リプチンスキー「タンゴ」 何度みても面白い多重人物反復アニメーション。単純なアイデアで、いかに面白くできるかの見本。二度目の鑑賞。8分80年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- イェジ・クチャ「リフレクション」 繭から孵った虫が、他の虫に襲われる。そこに人間が通りかかって、歩いた後には…。6分79年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- ユゼフ・ピフコフスキ「最初の映画」 「工場の出口」メイキング。途中に挟まれる脱衣する女性はなんだろう?二度目の鑑賞。9分81年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- ミロスワフ・キヨヴィッチ「路」 一人の人物が道を歩いていると、別れ道で体が二つに別れてしまう。その体が再び出会った時…。意味深な結末の線画アニメーション。5分71年作。ポーランド派”とその周辺、 及びそ> の子供たち─パート2 #cinema #anime
- スタノスラフ・レナルトヴィチ「肖像」 過ぎ行く時間と若さを詩的に表現した作品。三度目の鑑賞。繰り返しにも完全に慣れた。8分77年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- ゾフィア・オラチェフスカ「パーティ」 ディナーパーティーに招かれた人々が、テーブルの上の食べ物に食べられてしまう。役割が逆転したアニメーション。8分76年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パー> ト2 #cinema #anime
- ユゼフ・ロバコフスキ「テスト1」 真っ黒な画面に、間欠的に白い円が現れる。カメラを使用しないで、フィルムにライトの光を当てて作った作品。超ミニマル。6分71年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供た ち─パート2 #cinema #anime
- リシャルト・チェカワ「ロール・コール」 収容所の人々に号令を掛け続ける軍人 。命令を無視するものは容赦なく撃たれる。7分70年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- リシャルト・チェカワ「息子」 田舎で息子が帰ってくるのを待つ老夫婦。暗い色調で語られる静かな物語。10分70年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema #anime
- ダニエル・シュチェフラ「旅」 男が列車に乗り、旅をしている。単調な列車の音が延々と続いてゆく。ミニマルな物語を拒否した物語。7分70年作。ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート2 #cinema
- パオロ・ブルナット「シルヴァーノ・アゴスティ 見えないものを見る人」 監督の制作姿勢や考え方を、監督自身の語りで紹介するドキュメンタリー。脚本・演出・カメラ・編集・小説、映画館から出版社まで、創作の自由を得るために何でもやっているのが凄い。30分 03年作。 #cinema
- シルヴァーノ・アゴスティ「快楽の園」 海辺のホテルへ新婚旅行に来た夫婦。しかし、夫の心は妻から離れてゆく。過去の回想、不倫など様々なイメージが特色ある編集で描かれる。アップの多用と、カットの繋ぎ方はロシア映画の影響か。監督のデビュー作。白黒74分67年作。 #cinema
- シルヴァーノ・アゴスティ「天の高みへ」 法王に会うためにエレベーターに乗り込む人々。ところが、なぜか閉じ込められて脱出不可能になってしまう。そして、密室の中で露わになる人間の本性、そして狂気。公開前にフィルムが没収されたのも無理は無い衝撃的な問題作。76年作。 #cinema
- ダニエル・シュチェフラ「趣味」 編み物をする女が、空を飛んでいる男を捕まえて檻に閉じ込める。マグリットやキリコを思わせる雰囲気のシュールなアニメーション。7分68年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- タデウシュ・ヴィルコシュ「袋」 何もかも食べてゆく袋に、ハサミや布やらが対決する。日常生活用品を使ったストップアニメーション。8分67年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- ヴィトルト・ギエルシュ「馬」 野生の馬を乗りこなそうとする男の話。油絵アニメだか、質感を上手く使ったセンスがスゴイ。6分67年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- ステファン・スハベンベック「すべて数字」 地球に落ちて来た男が見たのは、数字ばかりの世界だった。数字と図形が次々に出てくる教育番組みたいな線画アニメーション。8分66年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- カジミェシュ・ウルバンスキ「甘美なリズム」 実写とアニメーションの合成による蜂の生活。8分65年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- ヴィトルト・ギェルシュ「赤と黒」 闘牛師と牛の戦いをユーモラスに描くアニメーション。落書きみたいな描線で、フレームをはみ出したり、撮影している人間まで写ってしまう。6分63年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- カジミェシュ・ウルバンス「おもちゃ」 人間による、様々な時代の戦いを描く。三画や四角などの組み合わせで描かれた非常にシンプルなデザインのアニメーション。7分62年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- ヤン・レニツァ「迷宮」 空を飛んで来た男が女性にフラレたり、マッドサイエンティストに何かされたり。「家」よりはストーリーを感じる。写真と銅版画によるシュールなアニメーション。14分61年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- ワレリアン・ボロズウィク「学校」 警護をしている兵士の一日をユーモラスに描いた、写真によるアニメーション。7分58年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- ワレリアン・ボロズウィク+ヤン・レニツァ「家」 写真と銅版画のコラージュで作られた、モロにシュールリアリズム全開のアニメーション。二度目の鑑賞。11分58年“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- ヴウォジミエシュ・ハウペ+ハリナ・ビエリンスカ「警衛交代」 王女と警備兵の燃えるような恋の話。マッチ棒とマッチ箱で作られたアニメーション。こんな単純素朴な作品を観るとホッとする。6分58年作。“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- アンジェイ・パヴウォフスキ「シネフォルム」 抽象的で幻想的な光のダンス。自作のプロジェクターに映された光と、それに連動する音によるアニメーション。二度目の鑑賞。7分57年“ポーランド派”とその周辺、 及びその子供たち─パート1 #cinema #anime
- 鈴木清順「肉体の門」 終戦直後の混乱の中、獣の様に逞しく生きてゆく娼婦達。そこに、陸軍上がりの男がやって来る。彼女達が住んでいる廃墟の美術が素晴らしいのと、主演女優の可愛いさの残った女っぽさが見所。監督の合成を使った演出も独特な味有り。田村泰次郎原作。64年作。 #cinema
- 鈴木清順「百万弗を叩き出せ」 八丈島から上京して来た二人の青年が、ボクシングの道を目指す。しかし、彼らは正反対の運命に別れてしまう。ジムの会長が丹下段平のようなキャラで面白い。作品自体は、わかりやすいストーリーの青春もの。試合シーンは思ったより少ない。61年作。 #cinema
- マレク・スクロベツキ「ダニー・ボーイ」 首の無い住人の町。ただ一人首のある若者。彼が、ある女性に恋をするが…。ブラックで、おそらく社会風刺も入っている。だが、風刺の部分は深く考えないでも楽しめる。10分10年作。セ・マ・フォルの巨匠たち─パート4 #cinema #anime
- ブラザーズ・クエイ「マスク」 機殺人械として生まれた女。彼女が示した究極の愛の形。淡い画面が美しいし、音楽がこれ以上無いくらいに場面にマッチしている。それにしても、原作の翻訳はまだか?二度めの鑑賞。23分10年作。セ・マ・フォルの巨匠たち─パート4 #cinema #anime
- スージー・テンプルトン「ピーターと狼」 プロコフィエフの曲を人形アニメにした作品。ストーリーはシンプル。とにかく、人形も凄くリアルだが、背景の造り込みが特にスゴイ。オスカー受賞。30分06年作。セ・マ・フォルの巨匠たち─パート4 #cinema #anime
- マレク・スクロベツキ「イクトゥス」 海を渡って魚料理を食べに来た客。しかし、いつ迄経っても料理は出てこない。皮肉な味の人形アニメ。16分05年作。セ・マ・フォルの巨匠たち─パート4 #cinema #anime
- シルヴァーノ・アゴスティ「クワルティーレ 愛の渦」 春夏秋冬、四つの愛に関する物語。この監督特有の半透明のフィルターを通した様な映像が美しい。明確なストーリーの無い、詩の様な語り口で描かれてゆく。最後の童貞お爺さんは、羽が生えて飛んで行きそうだ。87年作。 #cinema
- シルヴァーノ・アゴスティ「ふたつめの影」 イタリアの精神病院開放のために尽力を尽くした医師を描いた作品。わりと淡々とした描写なので、あんまり苦労は伝わらない。しかし、映像は美しいし、患者の面々が個性的で面白い。この監督の自由を求める姿勢が良く出ている。00年作。 #cinema
- マルタ・パイェク「スリーピン・コード」 夢と現実が混ざったような不思議な世界が描かれる線画アニメーション。メタモルフォーゼを多用したシンプルな絵と動きだが、なぜか目が離せない。13分11年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- バルビナ・ブルシェフスカ「善と美と真実」 カバンの中に紙で作られた理想の世界を作った男の話。しかし、誰も理解してくれない。 わりとシンプルな線画アニメーション。8分11年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- パウリナ・マイダ「2歩後ろ 」 実写とアニメーションの混合した作品。8分10年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- ヤロスワフ・コノプカ「アンダー・ライフ」 狭い部屋の中で全身が爛れた母親と赤ん坊が蠢いている。ゴシックっぽいデザイン。ポーランドのジャズピアニスト・作曲家クシシュトフ・コメダの「子守り歌」に触発されたらしい。8分10年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- アンナ・ブワシュチック「帰還」 宇宙から帰った四角い男が巻き込まれる騒動。シンプルなキャラ、東欧らしい色使い。 8分08年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- カシャ・ナレヴァイカ+パウリナ・シェフチック「スポンジ・アイデア」 カニとタコの、可愛くてちょっとブラックな粘土アニメ。パリステトリスの「スポンジ」という曲のPV。5分11年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- ダリア・コピェツ「ズザンナ」 寂れた工場の様な風景の中で、男女がダンスしながら展開される、サイバーパンクみたいな実写作品。17分10年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema
- バルビナ・ブルシェフスカ「流れる街」 ポーランドのウッチという町の住人の生活を、あらゆるアニメーション技法で表現した作品。若者の生活が追い詰められているのは何処でも同じか。17分08年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- アンナ・ブワシュチック「カラカス」 酒場で老いた船乗りが若い頃の冒険を語り始める。ジョセフ・コンラッドの「青春」を元にした作品。線画アニメーションだが、色が綺麗。10分06年作。セ・マ・フォル新世代 #cinema #anime
- シルヴァーノ・アゴスティ「人間大砲」 サーカスで人間大砲をやっている男と、彼が愛した女との交流を中心に、様々な映画が引用されてゆく。アップが多用された、独自のセンスのイメージが続くが、特に、大砲の砲身中でのシーンは美しい。監督の自伝的要素も有り。95年作。 #cinema
- マレク・スクロベツキ、リナス・アウグティス「コガネムシの調教師」 スタレーヴィチのアニメーション監督としての生涯を描いたドキュメンタリー。影響が想像以上に大きいことが分かる。ブラザーズ・クェイ出演が嬉しい。ヴワディスワフ・スタレーヴィチ[1882-1965]特集 #cinema
- ロマン・ポランスキー「哺乳類」 二人の男が、雪の中で橇を引きながら起こすドタバタコメディー。デビューと同じ年の習作。白黒62年作。ヴワディスワフ・スタレーヴィチ[1882-1965]特集 #cinema #anime
- ヴワディスワフ・スタレーヴィチ「カメラマンの復讐」 虫達の不倫劇。大人向きの人形アニメーション。スタレーヴィチ代表作の一つ。二度目の鑑賞だが、生演奏付きで観ると楽しい。12分白黒1911年作。ヴワディスワフ・スタレーヴィチ[1882-1965]特集 #cinema #anime
- ヴワディスワフ・スタレーヴィチ「森のクリスマス」 クリスマスツリーに飾られたサンタが動き出して森の虫達とクリスマスを祝う。シャザの演奏は、場面に沿った音がつけられている。7分白黒1911年作。ヴワディスワフ・スタレーヴィチ[1882-1965]特集 #cinema #anime
- ヴワディスワフ・スタレーヴィチ「アリとキリギリス」 お馴染みイソップ童話の話。監督お得意の虫アニメ。キリギリス君はラストで蟻に助けられる事無く終わる。5分白黒1911年作。ヴワディスワフ・スタレーヴィチ[1882-1965]特集 #cinema #anime
- ヴワディスワフ・スタレーヴィチ「ベルギーの百合」 老人が少女に語る昔あった戦いの話。老人達の部分が実写で、戦闘部分が虫達の戦う人形アニメ。この特集はシャザの生演奏付き。14分白黒1915年作。ヴワディスワフ・スタレーヴィチ[1882-1965]特集 #cinema #anime
- ユゼフ・ピフコフスキ「最初の映画」 リュミエール兄弟「工場の出口」のメイキングという体裁のパロディー。意味が有るのか無いのかわからない特殊効果が多用されて、唐突に終わる。 9分81年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- ヒェロニム・ノイマン「ビル 」 アパートの中で行われている、人々の様々な行為を覗いてゆく。部屋を回転させながら撮ってゆく手法が面白い。9分82年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- ズビグニュー・リプチンスキー「スープ」 男と女の生活風景が描かれる、写真を着色して作ったアニメーションのパロディー。モチーフはシュワンクマイエル、色使いはギルバート&ジョージみたいだ。8分74年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- グジェゴシュ・ロガラ「線 」 現実世界に線が引かれて、世界が分割される。線の向こう側は別世界。単純なコンセプトだが効果的。7分81年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- アンジェイ・クリモフスキ「死せる影」 室内で過去を回想する男。暗いイメージが続いてゆくアニメーション。これも二度目の鑑賞だが、電子音の音源が何なのか、やっぱり気になる。白黒10分80年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- ズビグニュー・リプチンスキー「もう止まらない! 」 森から現れた何かが町の人々を襲ってゆく。単に、町中でカメラを移動して撮っているだけなのに、効果音によって想像力を刺激される。アイデアの勝利。二度目の鑑賞。10分75年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- スタニスワフ・レナルトヴィチ「ポートレート」 部屋の中を何度もパンするカメラによって、過ぎ去る時間が表現される。二度目の鑑賞。最初の時は、時間が経つのが遅く感じたが、今回はすぐに終わってしまった印象。7分77年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- ズビグニュー・リプチンスキー「ニュー・ブック」 様々な視点から見られたシーンが分割された画面で同時に展開する。各視点を同一人物が行き来するだけだが、一度観ただけでは全体像が掴みにくい。10分75年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- エドヴァルド・ストゥルリス「ビーチ」 浜辺で日光浴をする人々の間をアニメのキャラが動きまわる。実写に線画アニメを合成した作品。キャラのデザインはシンプル。所々、合成に失敗している様に見えるのはご愛嬌か。白黒8分64年。セ・マ・フォル実験作品集 #cinema #anime
- グ・スーヨン「ハードロマンチッカー」 当ての無い暴力の中で生きる若者達を描いた作品。この監督のバイオレンス描写には、カッコ良さは無いのに不思議と見入ってしまう魅力がある。物語の軸が弱いので、内容が薄いと思われかねないが、ドキュメンタリーの様に観る作品だと思う。 #cinema
- ピョートル・ドゥマワ「足の自由」 夜になると、バラバラになった体の各部分が勝手に動き出す。朝になっても足だけが元に戻らなかった。銅版画の様な手書きアニメ。シュールな作品だが、ユーモアも有り。10分88年。セ・マ・フォルの巨匠たち-パート1 #cinema #anime
- ズビグニュー・リプチンスキー「タンゴ」 部屋の中で、互いに交わらず行動を繰り返す登場人物達。写真を使った実験アニメだが、誰が見ても面白い傑作。アイデアの勝利。オスカーを取ったのも肯ける。8分68年。セ・マ・フォルの巨匠たち-パート1 #cinema #anime
- エドヴァルド・ストゥルリス「カルテット」 夜になると動きだしてピアノを弾き始める人形達。人形アニメの定番のモチーフだが、動きは面白い。 7分65年。セ・マ・フォルの巨匠たち-パート1 #cinema #anime
- タデウシュ・ヴィルコシュ「ネコと子ネコ」 猫たちが起こす騒動を描いた人形アニメ。人間の行動に対する風刺だと思うが、猫のデザインはカワイイ。10分64年。セ・マ・フォルの巨匠たち-パート1 #cinema #anime
- ダニエル・シュチェフラ「椅子」 壇上の椅子をめぐる会議参加者の争いを描く手書きアニメ。全編真下を見下ろす視点で描かれる。アイデア勝負の風刺作品。6分63年。セ・マ・フォルの巨匠たち-パート1 #cinema #anime
- ゼノン・ヴァシレフスキ「クラクス王の時代に」 悪いドラゴンを退治する若い靴屋の話。素朴な人形アニメ。各キャラは結構カワイイし表情もあるけど、王様はしゃぎ過ぎ。戦後初のポーランドアニメーション。白黒14分47年。セ・マ・フォルの巨匠たち-パート1 #cinema #anime
- 園子温「恋の罪」 心に空いた暗い穴を満たす為に、狂気に飲み込まれて堕ちてゆく女達。迫力の演技に見惚れる内にあっという間に終わってしまう傑作。グロ成分少な目、エロ成分多目。親娘の憎しみ合いが怖すぎて笑える。タイトルや引用される詩と小説で監督の文学趣味が良くわかる。 #cinema
- 鈴木清順「悲愁物語」 女子プロゴルファーが、ストーカー女によって破滅してゆく話。ストーリーも破綻しまくりだが、主な登場人物が全員狂気に飲み込まれて、何の救いも無く終わるので非常に後味悪い。ある意味、最も監督らしい作品かも。公開一週間で打ち切りの問題作。77年作。 #cinema
- 鈴木清順「影なき声」 偶然、電話で殺人犯の声を聞いてしまった女性。三年後、夫と共に再び事件に巻き込まれる。その事件を追う新聞記者が、アリバイ崩しに挑む。意外にサスペンスとして良く出来ていて楽しめる作品。林光の音楽が緊張感を高めている。松本清張原作。白黒58年作。 #cinema
- 鈴木清順「踏みはずした春」 不良少年を更生させようと奮闘する若い女性の話。少年の反発、社会の無理解、仲間の妨害。困難を超えようとするうちに、少年に心惹かれてゆく。しかし、少年には愛する恋人がいた。この作品では監督の特色ある演出がまだ目立たない。白黒58年作。 #cinema
- 鈴木清順「河内カルメン」 自由で奔放だが純情で情深い女が、様々な男と出会いながら、逞しく生きてゆく話。主人公の容姿や性格も魅力的だが、登場する男が全員特色のあるキャラで面白い。特に、最初のおっちゃんの哀愁のある情けなさが心に残る。傑作。今東光原作。白黒66年作。 #cinema
- 飯田馬之介「トワノクオン 第六章 永遠の久遠」 いよいよ最終章。敵の司令官から仲間を助け出す事ができるのか?という事で一応盛り上がって終わるが、敵を倒さないテーマの難しさと、第二部も有りそうな終わり方なので完全にスッキリとはいかない。 #cinema #anime
- ダンカン・ジョーンズ「ミッション:8ミニッツ」 テロリストに列車を爆破される直前の8分間に犯人を見つけるという任務を担った軍人の主人公。何度も爆発8分前に送られる。脚本が良いので、緊張感が途切れないし、上手く観るものの期待を裏切ってくれる。予想以上に面白かった。 #cinema
- 鈴木清順「悪太郎」 素行不良で中学を退校させられた主人公が、新しい中学でも大暴れしながらマドンナと恋をする話。主人公のキャラが痛快だし、感情移入し易いストーリーなのでスッキリとした印象がある。監督独自の演出は目立たない。今東光の自伝的小説が原作。白黒63年作。 #cinema
- 鈴木清順「くたばれ愚連隊」 淡路にある名家の御落胤が帰って来て、土地を乗っ取ろうとする悪徳不動産屋を懲らしめる。要するに若者が大暴れするシンプルな話だが、もう少し脚本をなんとかして欲しかった。だが、フィルターをかけたりする監督独自の演出は楽しめる。60年作。 #cinema
- 園子温「ある秘かな壷たち」 女流陶芸師達の作品制作をめぐる熱い戦いを描く感動巨編…な訳は無く、ひたすらチープで馬鹿馬鹿しいピンク映画。あまりのくだらなさに笑ってしまうが、監督の斬新な演出がちゃんと発揮されている。サンダー杉山が良い味出し過ぎだ。60分00年作。 #cinema
- 鈴木清順「すべてが狂ってる」 母子二人暮らしの若者が、母と付き合っている男に反抗する話。若者の無法な行動を描いた、清順版「勝手にしやがれ」。ジャズに乗って突っ走るような早いテンポでストーリーが展開する。マザコン主人公のヘタレっぷりが素晴らしい。白黒60年作。 #cinema
- 鈴木清順「らぶれたあ」 別れの手紙をよこした恋人のいる山小屋へ行った女が、衝撃の事実を知るというサスペンスっぽい純愛物。監督の変な演出で楽しませてくれる。異様にキザなセリフとフランク永井の演技が特に笑える。間宮芳生の音楽が叙情的で良い感じ。白黒40分63年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「ストア」 ダラスにある老舗百貨店の売り場と、その舞台裏を描いたドキュメンタリー。誇りを持って働く従業員達。リクルートに来た女性の面接でも憧れの職場だというのがわかる。まだ、百貨店が小売の王様だった頃の記録。最後は演説で終わる。83年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「パナマ運河地帯」 運河周辺のアメリカ人社会を描いたドキュメンタリー。児童虐待、社会問題、教育、宗教、内戦。一つのテーマに絞らずに次々と各分野の問題点を映してゆく。ここでも、アメリカが素晴らしい国だという演説で終わる。白黒77年作。 #cinema
- 鈴木清順「殺しの烙印」 殺し屋ランキングNo.3の男が組織に狙われるガン・アクション。独特の画面構成、不条理なストーリー、冴え渡るアバンギャルドな演出を楽しむ作品。No.1との対決は面白すぎる。ご飯の匂いフェチというのは初めてかも。カルトな傑作。白黒67年作。 #cinema
- 鈴木清順「花と怒涛」 親分の花嫁を奪って駆け落ちした渡世人の主人公。飯場で働き、殺し屋と刑事に追われながら、女との幸せな生活を求めるのだが…。早いストーリー展開、各登場人物の個性、わかりやすい展開で楽しめる。特に、殺し屋のキャラが立っていて面白い。64年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「聴覚障害」 聴覚障害者学校の授業と様々な活動。各種の訓練を受ける生徒達。しかし、障害を除けば普通の子供。問題児と母親を含めた長時間にわたる四者面接が迫力あって印象深い。「Deaf and Blind シリーズ」第二部。165分86年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「視覚障害」 視覚障害者学校の授業や日常の風景を描く。音楽部の活動、幼い子達の歩行訓練など。真面目な生徒が多いが、やっぱり問題児もいる。素直な編集で学校の多様な活動が良くわかる。「Deaf and Blind シリーズ」第一部。86年作。 #cinema
- 鈴木清順「野獣の青春」 ヤクザ組織に雇われた風来坊風の男。しかし、男には秘られた過去があった。各登場人物の個性や、この監督独特の演出が効果をあげている。テンポも良くてダレるところ無し。脚本も良くできている。娯楽映画として素晴らしい出来の傑作アクション。63年作。 #cinema
- 鈴木清順「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」 ヤクザから銃器を横取りする謎の組織を追う探偵の活躍を描くコメディータッチのアクション。騙し騙され裏をかきながら敵味方が入り乱れる。小気味良く進むストーリーで退屈せずに楽しめる。この頃の清順監督作品は面白い。63年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「臨死」 ICUにおける末期治療を描いたドキュメンタリー。生と死の現場で行われる濃密なドラマ。死と戦う患者と家族、悩む看護婦、報われぬ無力感に苛まれる医師。編集の良さによって、長時間でも緊張感を保って観る事ができる。白黒358分89年作。 #cinema
- フォルカー・ザッテル「アンダー・コントロール」 ドイツにある原発施設と、そこで働く人々を静かで美しい映像で描くドキュメンタリー。制御室、格納容器、青い水に沈む核燃料、稼働直前に廃棄された高速増殖炉、取り壊し中の原発施設。遊園地になった原発の風景がシュールだ。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「軍事演習」 東西対立時代、第三次世界大戦も視野に入ったNATOの大演習を描く。やる気満々の士官達に対して、わりとノンビリしてやる気無さそうな下級兵達。兵士の表情や態度は様々。ドイツ指揮官の別れの言葉「Happy war!」白黒79年作。 #cinema
- 飯田馬之介「トワノクオン 第五章 双絶の来復」 主人公死亡⁈アジトを破壊されて避難した仲間達。敵の組織や司令官の秘密もわかってきて、ラストに向けて急展開。さあ、盛り上がってまいりました。だが、司令官に向かって「お前はケンシロウか?」と言いたかった。 #cinema #anime
- フレデリック・ワイズマン「競馬場」 競馬場に関係する人々を描くドキュメンタリー。馬の出産、種付け、厩舎で働く人々の活動、保険問題、生活態度について語る牧師、レースの興奮、馬主の豪華なパーティー。馬をめぐる世界も、外と同じ問題と階級が厳然と存在する。85年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「動物園」 アメリカの動物園の表と裏側の活動を描く。死産で生まれたサイの解剖。肉食獣の餌になる小動物達。野犬に襲われた鹿。寄付のためのパーティー。他の動物がテーマの作品では映されない場面が多いところに、この監督らしさが出ている。93年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「アスペン」 住人より観光客の方が多い有名な観光の町。スキーや芸術を楽しむ余裕のある裕福な別荘住まいの人々と、そうでは無い町の人々が対比される。小さな町にも人種問題があり、普通に暮らす人々がいるのは他のアメリカの町と同じ。91年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「DV2」 裁判所におけるDVの加害者と被害者達。その数の多さと、被害者が加害者を庇うところに問題の深刻さが浮き彫りになる。罪を認める加害者は殆どいない。判事の表情が印象的。ラストで次々と映される家々。その中にはDVの現場があるのだろう。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「シナイ半島監視団」 緊張感漂うイスラエル・アラブ間の緩衝地帯。そこで、監視活動をする団体SFM。娯楽設備完備の基地では、パーティーやスポーツが楽しまれる。瑣末な問題で頭を悩ませるリーダー達。対して、ガーナ軍は良く訓練されていて壮観。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「高校2」 模範校と言われる高校の有様を撮ったドキュメンタリー。ユニークな授業が面白い。特に、先生のための避妊講座、生徒に法律を作らせる授業。しかし、生徒達の中にもロス暴動が影を落とす。何時の時代や、何処の国でも学校の抱える問題は同じだ。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「高校」 キング牧師暗殺事件の頃、公立進学校の授業風景を撮ったドキュメンタリー。問題のある生徒に対して反論を許さない先生。ホールに生徒を集めて性教育。生徒の服装に対して、パワハラな発言をする女性教師。クローズアップが迫力あって効果的。 #cinema
- 松井良彦「追悼のざわめき」 殺人、人形愛、差別、小人、近親相姦、食人。汚辱に満ちた残酷で純真なイメージに彩られている、美しい詩の様なファンタジー。寺山修司や6~70年代の実験映画の影響を強く感じる。インディペンデント映画の歴史に残る名作。デジタル・リマスター版。 #cinema
- ミシェル・オゼ、ピーター・ レイモント「グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独」 原題にある通り、グールドの人間としての側面に注目したドキュメンタリー。コンサート嫌い、極端に低い椅子、夏もコートと手袋やマフラー、奇矯な行動の裏に隠れた彼の内面を探ろうとする。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「最後の手紙」 ユダヤ人のゲットーで、迫ってくる最後の時を静かに待つ老婦人。この監督には珍しい一人芝居のドラマ。一人語りの場面だけだか、だれることは無い。何もない背景に写る影が効果的。原作はグロスマンの小説「人生と運命」。白黒02年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「チチカット・フォーリーズ」精神異常犯罪者が収容される矯正院の日常。何も無い部屋に素裸で放り込まれる囚人達。食事を拒否する者には強制的にチューブが挿入される。後の作品と比べて編集がこなれていないが、監督の特徴は既に出ている。白黒67年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「多重障害」 聾盲学校での、多重障害者の訓練を描く。粘り強い職員達の指導から、我々の日常生活がどれ程高度な行動で成り立っているかが理解できる。画面から目が離せないのは、付き過ぎず離れ過ぎずの絶妙な距離感で撮られているからだろう。86年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「適応と仕事」 視覚・聴覚障害者の訓練と仕事を描くドキュメンタリー。彼らにとって日常生活も大冒険になる。ただ、障害者も天使ではない。仕事を怠ける者の存在も指摘される。ある視覚障害者の「私を病人と呼ぶな」という言葉が印象に残る。86年作。 #cinema
- マッテオ・ガローネ「ゴモラ」 イタリアの巨大犯罪組織に関わって生きる人々の過酷な生活を描く。危険な廃棄物の違法投棄、ドラッグや武器の密売、成り上がろうとする若者達、様々な立場の人達の群像劇。ドキュメンタリータッチで進む中で、金の運び屋のおっさんが良い味だしてる。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「DV-ドメスティック・バイオレンス」DV被害者保護施設での活動を描いたドキュメンタリー。様々な虐待を受けた被害者たちの告白が生々しくて迫力がある。だから、長い上映時間が気にならない。逃げるしか解決方法がないのが悲しい。195分01年作。 #cinema
- ワン・ビン「鉄西区 3部:鉄路」 1部と同じ工業地帯にある貨物鉄道で働く人々を的確で静かな映像で描く。繁栄中の現代中国で見捨てられた影の部分。線路脇に住む老人と息子、という感情移入し易いキャラのおかげで退屈しない。ラストで、彼らの運が上向いて来ていてホッとする。 #cinema
- ワン・ビン、ペドロ・コスタ、他「世界の現状」 ドキュメンタリーやドラマ形式で、世界の断面を切り取った6人の監督によるオムニバス。各監督の時間感覚の違いが面白い。ドキュメンタリーっぼい作品が多い中で、ワン・ビンのドラマで政治の残酷さを描いた作品が際立っている。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「霊長類」 霊長類研究所で、観察され、頭や体に電極を埋め込まれ、生きたまま解剖される猿たち。説明なしで映し出される数々の実験によって、科学の残酷さを考えさせられる。脳のスライスは可哀想。ところで、あの無重力実験は何の目的?白黒74年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「少年裁判所」 7才から17才までの少年が裁かれる裁判所。窃盗、売春、薬物などの罪で連行された少年達。彼らの悲しみ、戸惑い、落胆、怒りが的確にカメラに収められてゆく。裁判長達が真剣に対処しようとしても、事件は次々と起きる。白黒73年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「エッセネ派」 修道院の日常生活を撮ったドキュメンタリー。神に近づこうと祈りや修行をする修道士達。この作品でもクローズアップによって各人の表情、そして感情が細く捉えられている。様々なキャラクターがいて、それだけでも面白い。白黒72年作。 #cinema
- ワン・ビン「鉄西区 1部:工場」 中国東北部の寂れかけた工業地帯を描くドキュメンタリー。廃業寸前の工場で働く労働者達の姿。特に、休憩室で各自の本音が露わになる。最小限の情報を与える、ワイズマン系統の制作方法。監督の目の良さが効いている。三部構成の第1部240分。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「ミサイル」 核ミサイル発射クルーを養成するアメリカ空軍教練場。世界を滅ぼすための厳しい講習と実習。大統領から命令があれば、訓練通りに発射の操作をこなしてゆかなければならない。最終試験に合格した女性はとても嬉しそうだったが複雑。87年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「肉」 食肉に関する処理過程、労働と経済。屠場での労働を順序立てて最初から最後まで撮っている。何と言っても圧巻で迫力あるのは、牛の食肉処理の場面。カメラは的確、さり気なく編集が上手い。山羊に導かれる、大人しい羊達が物悲しい。白黒76年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「ボクシング・ジム」 地方都市のボクシング・ジムの一日を撮ったドキュメンタリー。様々な年齢・人種・職業の男女が練習する、アメリカの縮図の様なジム。だが、コーチの人柄の所為か、殴り合いの場所が皮肉なことに平和な世界になっている。10年作。 #cinema
- オリヴィエ・アサイヤス「夏時間の庭」 母の死によって、懐かしい思い出のある家と美術品を売ることになった息子達。各自の事情からバラバラになってゆく家族を描く。自然に囲まれた、美術館のような家が素敵だ。この監督は、サスペンスより、この様な人情ドラマの方が良作が多い。 #cinema
- フランソワ・オゾン「8人の女たち」 ある朝、雪に閉じ込められた屋敷の主人が殺される。そこに居た八人の女達がお互いを怪しむうちに、彼女達の秘密や過去が暴かれてゆくミュージカル風推理劇。この監督お得意の室内劇だが、ユーモアと皮肉は健在。各女優の優れた演技が見所。 #cinema
- フランソワ・オゾン「焼け石に水」 四人の男女が絡み合う恋愛を描いた室内劇。若者と中年男のゲイカップル、若者と婚約してる幼馴染の女、中年男と昔馴染みの性転換した女の組み合わせ。ドロドロした話のはずだが、フランスらしいコメディタッチで悲劇も重くはならない。99年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「基礎訓練」 ベトナム戦争の頃、米陸軍の新兵訓練の様子を撮ったドキュメンタリー。反抗の許されない厳しい訓練の中、精神を病む者、反抗する者が存在する。米国陸軍に負け無しという演説が虚しい。「フルメタル・ジャケット」の元ネタ。白黒 71年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「病院」 都市の総合病院での医師、患者やその他施設内の人々の姿を映すドキュメンタリー。医療の問題点は、今も昔も変わらないと思わせる。ドラッグ飲んでゲロ吐いていた若者は、同情はできないが何故かユーモラス。手術室の音が印象的。白黒69年作。 #cinema
- フレデリック・ワイズマン「法と秩序」 60年代、犯罪多発地帯であるアメリカ地方都市で、警察の活動を追うドキュメンタリー。解説も音楽も無く、目の前の事実だけを伝える描写が続く。カメラが人の行動・表情を良く捉えていて目が離せない。犯罪者の言動がリアル。白黒69年作。 #cinema
- フランソワ・オゾン「エンジェル」 20世紀始め、自分の思う通りに生きた女性作家を描く。主人公の、あまりにも簡単なサクセスぶりに呆気にとられるが、成功後、思う通りにいかなくなると盛り上がる。分かりやすいストーリーで、主人公のゴーイングマイウェイぶりを楽しむ映画。 #cinema
- フランソワ・オゾン「スイミング・プール」 仕事のためにフランスの別荘に来たイギリス人女性ミステリー作家。そこに編集者の娘がやって来て奔放な生活を始める。前半の二人の軋轢から、後半の殺人が絡むサスペンスまで、虚実を混ぜた演出で観せてゆく。主役二人の演技が見もの。 #cinema
- ルキノ・ヴィスコンティ「ベニスに死す」 ある老音楽家が、静養のために逗留したベニスで理想の美少年を見つける。最後まで、声もかけられない主人公が純情すぎる。以前観た時には気にしてなかった、シェーンベルクがモデルの男との芸術論争が面白い。余裕のある演出は流石。名作。 #cinema
- アクタン・アリム・クバト「明りを灯す人」 寂れかけている中央アジアの村で、電気工をやっているおじさんの話。ゆっくりした演出で、押し寄せて来る開発の波が描かれる。監督は主役もやっていてはまり役。不毛の土地だと言われて、人が住んでいると言い返す村長の言葉が心に残る。 #cinema
- 三池崇史「一命」 大名屋敷に、切腹をするためにやって来た浪人。切腹前に経緯を語り始める。本当に大事なものは、武士の誇りか?あくまでも静かで抑えた演出で悲劇を盛り上げてゆく。坂本龍一の音楽も控えめ。白猫がブサカワイイ。この映画の教訓“竹光で切腹するのはやめよう!” #cinema
- ゴア・ヴァービンスキー監督「ランゴ」 荒野に放りだされたカメレオンが、荒れた町で自分のやるべきことを見つける話。ストーリーはシンプルで、誰でも楽しめる。キャラがみんなちゃんとキモチワルイ。最近、ハリウッド製CGアニメ作品の演出がこなれてきている。 #cinema #anime
- フランソワ・オゾン「ぼくを葬る」 ガンを宣告されて余命幾許も無い、売れっ子カメラマンでゲイの青年が、人生の最後を心残り無く生きようとする話。ラストが美し過ぎて現実離れしているが、分かりやすいストーリーで感動できる。祖母役のジャンヌ・モローは、静かな貫禄あり。 #cinema
- アルノー・デプレシャン「クリスマス・ストーリー」 骨髄移植が必要になった母親のために、クリスマスに集まった家族達 の愛憎劇。好き嫌いを隠さない家族だから、観た後の印象が案外爽やか。画面を豊かで豪華に見せるカメラが素晴らしいし、カトリーヌ・ドヌーヴの貫禄が凄い。 #cinema
- 七里圭「眠り姫」 ボンヤリした不安が、人のあまり映らない画面で、会話によって語られてゆく気配の映画。冒頭の朝焼けのシーンは独特の美しさ。長い期間かけて撮られたシーンは、見応えと説得力がある。特殊な演出の作品だが、難解には感じない。パンフレットが読み応えがある。 #cinema
- フランソワ・オゾン「クリミナル・ラヴァーズ」 同級生を殺した学生男女が、迷い込んだ森で小屋を見つける。そこには、男が住んでいて…。残酷な禁断の「ヘンゼルとグレーテル」。二人の青い鳥は何か?アイデアは面白いし演技も良いが、演出がもう少し緊迫感があればとは思った。 #cinema
- オリヴィエ・アサイヤス「レディ アサシン」 殺しを請け負った女が、香港へと逃亡する。しかし、そこで待ち受けていたのは…。相変わらず、主人公が能力低いただの人。前半、会話が多くて少しタルいが、後半は緊張感が増して面白くなる。音楽は、イーノ、スパークスがカッコイイ。 #cinema
- フランソワ・オゾン「ふたりの5つの分かれ路」 ある男女の出会いから別れまでを、時を遡りながら描いてゆく。最初に離婚の場面から始まるので、ラストの甘いはずの出会いが苦いものになっている。どちらが悪いのでも無く、事実だけを淡々と描いてゆく。演技や演出はやはり上手い。 #cinema
- ポール・ハギス「スリーデイズ」 殺人罪で逮捕された妻の、無実を信じて脱獄を計画する主人公の夫。緊張感を巧みに高める構成と、夫婦の演技が良いので最後まで退屈しない。この監督の、台詞では無く仕草や表情で感情と意思を表現する演出は結構好み。夫の祖父が地味にカッコイイ。 #cinema
- エリオット・レスター「ブリッツ」 警官が天職で乱暴者の主人公が、警官ばかりを狙う殺人鬼を追う話。カメラや演出が微妙に甘いくて緊張感が無いのと、何より殺人鬼が、凄みが無くてあまり怖くない。ジェイソン・ステイサムは好きなのだが、中途半端な演出を何とかして欲しかった。 #cinema
- ミヒャエル・ハネケ「隠された記憶」 主人公の家に届けられるビデオテープと不気味な絵。過去の記憶が蘇り、不安と恐れが募ってゆく。この監督独自の不穏な雰囲気と不明瞭なままの真実。何でも無い風景の長回しのカットが緊張感を高める。突然訪れる破局。だが、心の闇は消えない。 #cinema
- フランソワ・オゾン「Ricky リッキー」 娘と二人暮らしの女性。新しい恋人との間に生まれた子供に羽が生えてきた。ファンタジーだが、描写がリアルで生々しい表現が多い。だが、結末は希望に満ちている。役者の演技が上手いので見応えあり。特に、子役の娘が可愛くて良い。 #cinema
- オリヴィエ・アサイヤス「デーモンラヴァー」 産業スパイをしている女が、対抗組織の罠に嵌ってゆく話。映像は、スタイリッシュ。ただ、主人公は何の特殊能力も無い普通の人だし、物語の方向が不安定。しかし、ソニック・ユースの音楽は良い。オープニングのノイの音にはヤラレタ。 #cinema
- フランソワ・オゾン「まぼろし」 海辺で突然愛する夫を失った女が、悲しい事実を受け入れてゆく物語。素晴らしい演技と美しい映像で主人公の深い悲しみが表現されている。夫とのつながりの深さを“重さ”で表したところが優れている所。それにしても、嫁姑の静かな喧嘩は怖かった。 #cinema
- オリヴィエ・アサイヤス「クリーン」 ミュージシャンの夫を突然無くした女が、義理の父や我が子と交流しながら自分の進む道を見つけてゆく物語。主要な登場人物全員が、真っ直ぐで隠し事をしない所が好印象。主演女優の演技が素晴らしい。イーノの音が雰囲気に合っていて良い。 #cinema
- アルノー・デプレシャン「そして僕は恋をする」 哲学教授の男が、三人の女や友人などまわりの人々によって変わってゆく一種の成長物語。全編、ナレーションと会話が多用される。ユーモアのある台詞と深刻になり過ぎない演出。女優がみんな演技が上手いし魅力的だ。178分。 #cinema
- ルパート・ワイアット「猿の惑星:創世記」 人間の主人公によって作られた脳細胞を活性化する薬。それを与えられた猿が人間と敵対する。猿の主人公の演技は、ちゃんと感情の推移が分かって素晴らしい。映画として出来が良いので、オリジナルの一作目を観ていなくても楽しめる。 #cinema
- 宍戸淳「とある飛空士への追憶」 自国の姫を、海を超えて王子の元まで飛行艇で届けることになった下層階級の飛行士。身分違いの恋と云う王道の話だが、主に演出の所為で主役二人の感情の推移が分かり難い。設定とストーリーだけ聞くと面白くなりそうなのに惜しい。 #cinema #anime
- 田坂具隆「鮫」 貧さから極悪非道の強盗になった男の改心話。原作は小説で、仏教説話か何かが元になっていると思う。テンポが少し遅く感じるが、演出やカメラワークに斬新なところがある。フィルムの状態も良くない。だが、ストーリーは面白いので観る価値はあると思う。64年作。 #cinema
- 深作欣二「仁義なき戦い 完結編」 政治結社となって生き残りを図る組組織。しかし、そこではまた内紛が…。脚本家が変わっているが、それ程質は落ちていない。ラストにカタルシスが無いのに観た後の印象が良いのは、緊張感が途切れなかったからだろう。シリーズ五作目。74年作。 #cinema
- 深作欣二「仁義なき戦い 頂上作戦」 組同士の抗争に、警察とマスコミが絡んで事態はより複雑になってゆく。主人公も策略を弄せざるを得ない。もはや、だれもスジを通せる者はいない。テンポが相変わらず良い。役者の貫禄が作品の存在感を支えている。シリーズ四作目。74年作。 #cinema
- 深作欣二「仁義なき戦い 代理戦争」 二つの大きな組によって二分された広島の組組織。主人公の組も否応無く抗争に巻き込まれる。腹黒く小狡い奴らが生き残り、スジを通そうとする者たちが死んでゆく世界。山守組長の、徹底したセコさが面白すぎる。シリーズ三作目。73年作。 #cinema
- 深作欣二「仁義なき戦い 広島死闘編」 組の抗争と裏切りの只中で、仁義と純情を守ろうとした男の恋と悲劇。今作は心情描写が多いが、それ程テンポは悪くなっていない。菅原文太は脇役。町最大の組に反抗する若頭が、ハジけていて気持ちイイ。広島弁最高。シリーズ二作目73年作。 #cinema
- 深作欣二「仁義なき戦い」 戦後の混乱期、組組織内の抗争を描く実録物。裏切りと陰謀の中で、あくまで仁義を通す主人公。演技、カメラワークとテンポの良さは一流品。特に、脚本の良さが光る。ラストの菅原文太はカッコイイ。日本アクション映画の傑作。シリーズ一作目。73年作。 #cinema
- 石井輝男「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」 裏日本の、ある孤島で行われる奇怪な人間改造。エロ・グロ・ナンセンスな変態サスペンス劇。作品としての出来はイマイチだが、土方巽の怪演を観るための作品なので問題無し。60年代舞踏の記録でもある。ラストは笑える。69年作。 #cinema
- エミール・クストリッツァ「アンダーグラウンド」 ユーゴの歴史を背景に、様々な人々の人生が語られる。最高のエンターテイメントであり、深いテーマもある傑作。最も映画らしい映画の一つ。ラストは感動的。楽隊の音が耳について離れない。おサルのその後が気になる。95年作。 #cinema
- セミフ・カプランオール「ミルク」 母親と二人で牛乳屋をやって生活している主人公。詩を書き、持病や母の心の病に悩んでいる。トルコの監督による物語は、静かに進んでゆき、時々ショッキングなシーンが挟まれる。水平線を活かしたカメラが印象的。ユスフ三部作二作目。08年作。 #cinema
- フリッツ・ラング「M」 子供を狙う殺人鬼を追いつめてゆく犯罪組織の者達。犯罪者が犯罪者を裁く。80年前で、この完成度。舞台劇っぽいところは残るものの、革新的で工夫された演出で観せてくれる。とにかく、カメラがカッコ良い。殺人鬼の訴えが迫力有り。白黒、31年作。 #cinema
- ワレーリィ・フォーキン「変身 」 ある朝、グレゴリー・ザムザが不安な夢から目を覚ますと…。ご存知カフカ作だが、主人公は外見の変身をしないままで虫の生態を演じている。その演出や演技は別に悪く無いのだが、全体的に演劇の舞台をテレビドラマにした様な出来。02年作。 #cinema
- 森谷司郎「日本沈没」 地殻変動によって沈んでゆく日本。逃げる人々と残る人々の人間ドラマ。政府側の視点ばかりで、一般庶民の描写が少ないのが物足りないが、演技は良いので見応えはあり。色々な理由で沈みつつある現在の日本を見ると、この作品が虚構だとは思えない。73年作。 #cinema
- 小松左京、橋本幸治「さよならジュピター」 太陽に向かって迫るブラックホール。破滅を避ける為に木星を爆破する計画が発動する。とりあえず、練られていない脚本と、緊張感の無い演出と、締まりの無い演技を何とかして欲しい。でも、この時代にしては特撮は頑張ってる。84年作。 #cinema
- 深作欣二「復活の日」 新種のウイルスによって滅びた人類。南極に残った僅かな人々による厳しい生存が始まる。上映時間は長めでツッコミどころが多くても、さすがは深作監督、ちゃんと観せてくれる。若い草刈正雄が頑張ってる。というか、主人公、生命力強すぎだろう⁉80年作。 #cinema
- タル・ベーラ「サタンタンゴ」 ならず者の男が村に帰ってくる。それを知った村人たちの不安と恐れ、そして悲劇。延々と続く雨、荒廃した風景、不気味に響く背景音が村人達の心理を浮かび上がらせる。上映時間は長いが、観た後の充実感は半端無い。傑作。白黒432分94年作。 #cinema
- 山村浩二「マイブリッジの糸」 時間を止めようとしたエドワード・マイブリッジと、東京の親娘を交互に物語る。相変わらず、観ていて気持ちの良い思わず引き込まれる謎に満ちたアニメーション。短編アニメで、この監督の様にスケールの大きさを感じさせる人はいない。 #cinema #anime
- 大根仁「モテキ」 冴えない30過ぎの男に、好みの娘が現れた。果たして恋の行方は?ストーリーはとてもシンプル。しかし、エンターテイメントに徹していて、構成も結構しっかりしている。テレビドラマっぽいところはあるが、監督のサービス精神によって楽しく観ることができる。 #cinema
- 黒坂圭太「緑子/MIDORI-KO」 少女に匿われている、食糧として作られた生物を巡って、アパートの住人と科学者の間で起こる大騒動。グロテスクだが、欲望に忠実な登場キャラが魅力的。時の裂け目を見てしまった者が創るエンターテイメント。動画枚数3万枚。 #cinema #anime
- ヴィム・ヴェンダース「都市の夏」 昔の仲間に追われている男の逃避行。しかし、派手な事件などは殆ど無し。いつ終わるか分からない長いカット。延々、流される車からの風景。淡い画面を、観るというより眺めているうちに気持ち良くなってくる。大学卒業制作作品。白黒70年作。 #cinema
- アレクセイ・ゲルマン「わが友イワン・ラプシン」 殺人鬼を追う刑事と、まわりの人々の話。一応、ストーリーはあるのだが、それより登場人物の振る舞いが面白い。常に誰かが叫んだり喚いたりしている。暗いがコントラストの強いモノクロ画面、耳障りなノイズも印象的。84年作。 #cinema
- ニキータ・ミハルコフ「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」 没落貴族達が別荘で繰り広げる乱痴気騒ぎ。その中で、ある男の愛と失望の人生が語られる。前半チョット退屈だが、後半のドラマは盛り上がる。淡い映像。監督も医者役で出演。チェーホフの戯曲が原作。76年作。 #cinema
- グリゴーリ・チュフライ「誓いの休暇」 軍隊から休暇をもらった少年が、帰郷の途中に様々な人々と出会って色々な経験を積む。主に少女とのロマンスがメインだが、演出とテンポが良くて飽きさせない。前衛的なところは少ないが、カメラワークがカッコ良いところ有り。白黒59年作。 #cinema
- アレクセイ・ゲルマン「戦争のない20日間」 休暇中に村に帰った従軍記者が、様々な人々と交流する話。淡淡とエピソードが続くが、変な緊張感がある。しかし、難解さは感じない。禁欲的なカメラや、この監督独自のモノクロームの色合い。音に対するセンスも独特。76年作。 #cinema
- イ・ジョンボム「アジョシ」 拐われた隣家の少女を救うために戦う元特殊工作員の男。主役のイケメンぶりがハンパ無いが、演技は上手いので納得させられる。臓器売買などエグい描写が多いのだが、戦闘場面が工夫されていて飽きさせない。やはり、韓国のアクション物は面白い。 #cinema
- ジョナサン・リーベスマン「世界侵略: ロサンゼルス決戦」 地球を侵略しにきた正体不明の宇宙人と戦う海兵隊の面々。物語はとてもシンプルで戦闘場面を楽しむ映画。そもそも相手が地球外生物なので、戦いに迫力はあるがリアルでは無い。ある意味、アメリカ軍のプロパガンダ映画。 #cinema
- ミハイル・カラトーゾフ「鶴は翔んでゆく」 ある女が、戦争によって離れ離れになった恋人をひたすら待つ話。締まった脚本と前衛的な演出。ちょっと芝居がかった演技が気になるが、今観ても十分面白い。ソ連伝統のカメラワークがカッコ良いし、モノクロの画面が美しい。57年作。 #cinema
- 森崎東「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」 沖縄から流れてきた男女を中心に、底辺に生きる人々を描く。ヤクザから少女を逃がそうとしたり様々な事件が起きるが、原発ジプシーの実態はリアル。ドラム缶の話は怖い。しかし、若い頃の原田芳雄は悲劇的な役が多い。 #cinema
- 森崎東「ニワトリはハダシだ」 潜水夫の父子が、汚職事件に巻き込まれて別居中の母娘と共に起こす騒動。父役の原田芳雄がユーモラスで作品の印象を良いものにしている。ただ、主人公の娘の存在感が弱く感じる。それと、シーンが上手くつながっていない。でも、誰でも楽しめる良作。 #cinema
- サンティアゴ・セグーラ「トレンテ4」 元刑事の男が、自分を罠にかけた奴らに復讐する話。外見・内面共に、ここまでひどい最低の主人公は珍しい。最初から最後まで差別発言と、お下劣な下ネタのオンパレード。しかし、とてもしっかり作っあってテンポも良いので楽しめてしまう。 #cinema
- セルゲイ・エイゼンシュタイン「メキシコ万歳」 31年頃撮った未完のフィルムを、79年に当時の助監督が編集したもの。4つのエピソードが、ドキュメンタリー風やドラマ形式で語られる。アップを多用したカメラが面白い。しかし、音楽で使われてるシンセの機種は何だろう? #cinema
- イシアル・ ボジャン「雨さえも~ボリビアの熱い一日~」 映画撮影にやって来たプロデューサーと、水会社の横暴と戦う現地の男との友情を描く。劇中劇で数百年前のスペイン人による侵略が描写され、搾取の歴史が表現される。演出や演技が良いので見ごたえのある作品になっている。 #cinema
- 黒木和雄「キューバの恋人」 キューバ革命に身も心も捧げた女と、彼女を追いかける日本人の男。シーンの半分以上は当時のキューバを撮ったドキュメンタリー。カストロの演説が素晴らしい。上映後に行われた、主演津川雅彦の話が面白かった。日本・キューバ合作、白黒69年作。 #cinema
- ジェシカ ・ユー「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」 生涯を閉じる直前まで、作品の存在を知られる事のなかった男の一生を辿るドキュメンタリー。名前の正確な発音も分かっていない。内容は、主に身近な人々の証言。彼の絵がアニメーションになって動いているのが見もの。 #cinema
- スサンネ・ビア「未来を生きる君たちへ」 北欧とアフリカを舞台として、いじめや戦争という暴力に対する親子の葛藤を描く。どの様にして憎しみの連鎖を断ち切るのか、困難な問題に正面から答えようとする。感動できる物語になっているのは、子役の演技が素晴らしいからだろう。 #cinema
- ダニー・オコナー「アップサイド・ダウン クリエイションレコーズ・ストーリー」 90年代に一世を風靡したレーベルの歴史を辿るドキュメンタリー。何時もドラッグ漬けの音楽好きな男に過ぎないオーナーの個性が、レーベルの質を高めた秘密だと分かる。内容は、殆どインタビュー。 #cinema
- 飯田馬之介「トワノクオン 第4章 紅蓮の焦心」 能力者だと分かった敵の一員を、自分達の仲間として受け入れようとする主人公。話も盛り上がって来て、敵味方の色々な秘密が明かされてゆく。敵を倒さないヒーローがどうやって皆を救うのか。これからの脚本に期待。 #cinema #anime
- SABU「うさぎドロップ」 ひょんな事から祖父の隠し子を育てる羽目になった青年の奮闘記。演出が中途半端で、登場人物の心理が伝わり難いのが残念。特に、導入部で主役二人の心理描写が不足しているように思える。でも、主人公と子役の演技は良いので最後まで観る事ができる。 #cinema
- ヴィム・ヴェンダース「パレルモ・シューティング」 死神に取り憑かれながら、生き甲斐を捜してパレルモの街を彷徨うカメラマンの男。ある意味、心のロード・ムービー。死神のデニス・ホッパーあんまり怖く無い。爆音で聴いたせいか、音楽が良かった。特に、イルミン・シュミット。 #cinema
- デヴィッド・ヒルマン・カーティス「ライド・ライズ・ロウアー」 デヴィッド・バーンのライブ・コンサート・フィルム。彼のアイデア溢れるステージを観ることができる。曲も良いが、特にダンスが素晴らしい。規則に囚われない自由さが有りながら、統一感を失わない。 #cinema #music
- ヤン・シュヴァンクマイエル「サヴァイヴィング ライフ ―夢は第二の人生―」 夢の中の女性を求めて彷徨う男の話。実写と切り紙アニメーションの合成。人やモノの生々しい質感、意味が有りそうで無いカット。退屈でさえも作品の特徴の一つ。シュールという言葉が最も似合う作品。 #cinema
- 毛利陽一「鉄拳 ブラッド・ベンジェンス」 よく分からない不死の細胞をめぐる親子喧嘩を止めようと(?)する主人公。とりあえず、脚本をどうにかしてほしい。他にもツッコミどころは多いが、CGは、日本の作品中では良い出来だろう。女の子のデザインはカワイイ。 #cinema #anime
- ジェニファー・ユー・ネルソン「カンフー・パンダ2」 仲間と共に、悪の老師の野望を打ち砕こうとする主人公。今回は、敵役の心理を細かく描く事によって物語に深みが出ている。アクション部分は、速すぎて分からないところもあったが、CGは本当に良く出来ている。 #cinema #anime
- スティーブ・ アンダーソン「くまのプーさん」 プーさんと仲間のいる森に恐ろしい怪物が現れて大騒動。文字を使ったアイデアが面白いし、CGも上手く使っている。全体的にセンス良くて女性客の受けも良し。こういう地味目の作品の方がディズニーの実力が出ている。 #cinema #anime
- テレンス・マリック「天国の日々」 妹と恋人と共に流離う労働者の男。旅の途中で会った、余命少ない男と恋人を結婚させて財産を狙おうとするが…。こだわりの撮影で映し出される情景が美しい。農場の中にポツンと建った屋敷が、大海原の孤島みたいで人の世界と隔たった天国の様だ。 #cinema
- 工藤進「マルドゥック・スクランブル 燃焼」 敵との対決を決意して、事件の証拠を見つけ出そうとする主人公と相棒の万能兵器。前半の、戦闘場面は分かり易かったが、後半のギャンブル場面は登場人物の心理が少し分かり難かった。冲方丁原作のシリーズ2作目。 #cinema #anime
- マット・リーヴス「モールス」 「ぼくのエリ 200歳の少女」のリメイク。オリジナルに比べると、人間関係が整理されていて、ヒロインの過去の秘密も省略されている。結局、単純な恋物語になってしまった。分かりやすさを優先したのかもしれないが、奥深さが無くなっている。 #cinema
- ロマン・ポランスキー「ゴーストライター」 元首相のゴーストライターになった男が、クライアントの過去に絡んだ陰謀に巻き込まれてゆくサスペンス。とにかく、お手本になるくらい脚本・演出が上手い。上手すぎて、却って物足りないかもしれない位だ。もちろん、見る価値はあり。 #cinema
- ジョー・ライト「ハンナ」 人里はなれた極寒地で特殊訓練を受けた少女が、母の仇を打つためにベルリンを目指す。クローズアップの多い独特の演出、収容所の構成主義の様なデザインが面白い。主人公の演技も上手い。ケミカル・ブラザーズの音楽が、雰囲気を盛り上げていて良い感じ。 #cinema
- ティム・ヒル「イースターラビットのキャンディ工場」 自分探しの青年と、家業を継ぎたくないウサギが、お互いに夢を実現しようとする話。子供向けとはいえ、もう少し脚本に工夫が欲しかった。だが、キャラのデザインはカワイイし、実写との合成は良く出来ている。 #cinema #anime
- 新房昭之「劇場版魔法先生ネギま!ANIME FINAL」 愛する生徒の中から、契約する一人を選ばなくてはならない主人公、そこに世界の危機が訪れる。脚本にメリハリが無いのと、演出のせいかテンポが悪くて観ているのが辛い。最後のオマケ映像だけが面白い。 #cinema #anime
- 小森秀人「劇場版ハヤテのごとく!HEAVEN IS A PLACE ON EARTH」 夏休みに田舎へ来た主人公達が、不思議な現象に巻き込まれる話。人には、何が一番大事なのかというテーマを工夫した演出で観せる。端役もテーマに絡んでいるのが良印象。 #cinema #anime
- テレンス・マリック「ツリー・オブ・ライフ」 親子の葛藤を軸に、宇宙規模の時間と空間を表現した壮大な映像で観せる。これは、神が人間をモチーフにして撮ったドキュメンタリーに思える。ストーリー感の薄い詩の様な作品なので、考えるより無心になって眺めていた方が良いかも。 #cinema
- エマニュエル・ローラン「ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー」 ヌーヴェルヴァーグの歴史を、二人の監督を中心に描いたドキュメンタリー。非常に素直で分かりやすい作りなので、ヌーヴェルヴァーグ入門として適している。当時の観客の反応が率直で面白い。 #cinema
- むらた雅彦「劇場版 NARUTO -ナルト- ブラッド・プリズン」 無実の罪で、城に閉じ止められ能力を封じられた主人公が、秘密の箱に関する騒動に巻き込まれる。全体的にシリアス調で、ツッコミどころはあるが、脚本と演出、戦闘場面は良い出来。 #cinema #anime
- 飯田馬之介「トワノクオン 第3章 夢幻の連座」 助けようとした子の、精神世界に閉じ込められた仲間を救おうとする主人公。主人公の過去も明らかになってきて、物語の全体が見えてきた。敵方にも、葛藤が出てきたようだし、どれだけ深い話になるか後半に期待。 #cinema #anime
- サイモン・ウェスト「メカニック」 誰が殺したかも分からないように、ターゲットを消してゆく殺し屋の主人公。やむを得ず友人を撃ってしまうが、その友人の息子とコンビを組むことになってしまう。脚本が良くて見ごたえあり。ステイサムがカッコ良い。"周到な準備が、勝利を導く" #cinema
- ジュリアン・シュナーベル「ミラル」 後にジャーナリストになる、あるパレスチナ人女性の十代迄の物語。ドキュメント風の手持ちカメラによる映像だが、元現代美術やっていた、この監督らしい独自のセンスがある。パレスチナ問題がモチーフだが、分かりやすくて誰でも感動できる。 #cinema
- 宮崎駿「となりのトトロ」 フィルムセンターにて鑑賞。誰もが知っている作品だが、フィルム&大画面で観ると全然印象が違う。ただキャラが歩き、走っているだけでドキドキしてしまう。このドキドキ感が映画の醍醐味。80年代ジブリ作品をフィルムでもっと観たい。 #cinema #anime
- フレッド・カヴァイエ「この愛のために撃て」 妊娠中の妻を誘拐され、脅迫によって入院中の窃盗常習犯を連れ出した主人公。彼に次々襲い掛かる災難。所謂、巻き込まれ型のアクション映画だが、テンポと脚本の良いので、納得して観終わることができる。誰が観ても面白い良作。 #cinema
- イエジー・スコリモフスキ「エッセンシャル・キリング 」 全ての虚飾を取り去って、ひたすら逃げる男を描いた作品。主義も政治も宗教も関係なく、生きるためだけに、 人を殺し、虫や木の皮を食べ、母乳も吸う。理由も結末もどうでもよい。止むに止まれぬ行動がテーマの傑作。 #cinema
- 阪本順治「大鹿村騒動記」 ある男のもとに、18年前男の友人と駆け落ちした妻が突然帰って来た。300年続く村歌舞伎の舞台が迫る村で起こる人情喜劇。亡くなった原田芳雄他、ベテラン俳優の演技が素晴らしくて、後味の良い映画になっている。ラストの曲がキヨシローなのも良し。 #cinema
- ジョン・ラセター「カーズ2」 勘違いからスパイになった主人公が、陰謀を阻止するために世界を股に掛けて走りまくる。ストーリーはシンプルだが、007のパロディーや、カーチェイスは面白い。CGの質と量は素晴らしいが、日本の風景だけキッチュでチョット残念。 #cinema #anime
- ジェームズ・ガン「スーパー!」 冴えない男が、妻に捨てられたのをキッカケに仮面ヒーローになる話。相棒の女の子は、カワイイが性格・行動がかなりキテいて、トンデモない。全体的にコメディー調だが、思ったよりもグロ&シリアス成分多目。テンポがとても良いので退屈感は無し。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「モレク神」 霧の中の異世界に浮かんでいる様な別荘でのヒットラーと愛人エバの交流。ソフトフォーカスの画面で描かれるのは、意外とお茶目なエバと、卑小で臆病なヒットラー、追従ばかりの取り巻き。背景で小さく鳴り続ける戦闘音。90年代の名作。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「ヴィオラソナタ・ショスタコーヴィチ」 ショスタコーヴィチの伝記映画。監督らしい抑えた演出で淡々と進んでゆく。ソ連時代は上映禁止だったが、当時は少しでも彼を褒めたらダメだったのだろう。挿入されるイメージ映像などが面白い。白黒81年作。 #cinema
- マイケル・ベイ「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」 月の裏側に隠されていた装置を巡って主人公とオートボット・米軍が世界を守るために戦う。全体的にシリアス調の演出。前半、ギャグっぽい所もあるが、後半は怒涛のアクションで迫力あり。長めの上映時間も退屈しない。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「静かなる一頁」 ソクーロフ版『罪と罰』。不思議な閉鎖空間の中で、タイトル通り静かなシーンが続く。カラー部分もあるが、モノクロームのイメージしか残らない。以前も思ったが、人々が次々と水に飛び込んでゆくシーンが印象的。監督の代表作の一つ。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「セカンド・サークル」 父親の死亡を知った青年が、亡骸を葬ろうとする話。殆ど屋内だけの描写で、青年の戸惑う姿が静かに映し出されてゆく。独自の淡い光が美しい。葬儀屋のおばさんが、怖そうに見えて実は良い人。彼女と主人公の掛け合いは笑える。 #cinema
- 想田和弘「Peace」 介護ビジネスをする夫婦と、ホスピスの老人を巡るドキュメンタリー。同時に小さな猫社会が描かれる。音楽・解説・演出無しの"観察映画"。編集のうまさと、対象を切り取るセンスで質の高い映画になっている。正直、予想以上に良い出来で面白かった。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「モスクワ・エレジー」 タルコフスキーの伝記映画。主に、「ノスタルジア」以降の映像が多い。演出は、天才監督へのリスペクトに溢れたもの。タルコフスキーが俳優として出演している映画が興味深かった。"芸術が監督を使っているのだ。逆では無い。" #cinema
- 飯村隆彦「SHUTTER」 カメラのシャッターが開いた時の白、閉じた時の黒。この2色が明滅する。連動した音の発生装置からのノイズ。観ているとトリップしてしまう。今回の上映作品中、「Ai/Love」と並ぶ傑作。白黒71年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド3」 #cinema
- 飯村隆彦「IN THE RIVER」 ネパールの河で沐浴する男を8mmで撮った映像。それをビューワーでスキャン。そこに映る映像を16mmで撮影した作品。覗き穴から観ている様な画像が想像力を掻き立てる。69~70年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド3」 #cinema
- ラジスラス・スタレビッチ「映画カメラの復讐」 昆虫キャラが動くストップモーションアニメ。夫婦の不倫をモチーフにしていて、一応オチのあるストーリーになっている。これも、寒川さんピアノ演奏付き。白黒12年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド3」 #cinema #anime
- ウィンザー・マッケイ「恐竜ガーディ」 劇中劇の線画アニメーションだか、キャラの恐竜がカワイイ。世界最初の萌えキャラか?寒川晶子さんのピアノライブ演奏付き。ショパンなどを引用して分かりやすい演奏。白黒14年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド3」 #cinema #anime
- エミール・コール「入れ歯」「自動車運送屋」「ボネ教授は難破した」 入れ歯、家具などのストップモーションアニメ。基本的にギャグだが、当時の観客はどの程度のリアリティを感じていたのだろう。白黒09~12年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド3」 #cinema #anime
- エミール・コール「ファンタスマゴリー」 シンプルな線画アニメーション。だか、それ故に今でも共感できる作品になっている。アニメの基本みたいな動きだが当時は最先端?白黒07年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド3」 #cinema #anime
- 飯田馬之介「トワノクオン 第2章 混沌の蘭舞」 相変わらず超能力を持つ子達を救おうとする主人公。しかし、救えない人数の方がはるかに多い。脚本も演出も突出したところは無いが、観る気になるのは、それでも諦めない主人公のせいだろう。 #cinema #anime
- ハイレ・ゲリマ「テザ 慟哭の大地」 革命の争いの中で傷ついた男が故郷の村で未来への希望を探す話。男の過去と現在が交錯してゆきながら描かれるのはエチオピア現代史だが、画面から感じる過剰なエネルギーのせいで神話を観ている気分になる。確固としたテーマゆえの力がある。 #cinema
- バンクシー「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」 ある映像を撮るのが好きだった男が、有名なストリート・アーティストに会う事で人生が変わるまでのドキュメンタリー⁈うまく出来すぎていてどこまで本当なのか分からない。シリアス・冗談・皮肉の入り混じった面白い作品。 #cinema
- 宮崎吾朗「コクリコ坂から」 死んだ父親を今も想う少女と、同じ学校の少年との淡い恋物語。最小限で平坦な演出が結果的に効果を上げている。カット割が早いために、テンポが良くて怠く無い。前作よりはレベルが上がっていて、この世界に入り込める人にとっては良作。 #cinema #anime
- 東陽一「サード」 殺人罪で少年院へやって来た少年が、過去を振り返りながら未来の目標を探ってゆく話。寺山修司の脚本が、彼らしい味を出しながら分かり易いものになっている。以前は希望の無い結末に見えたが、今観るとラストで主人公は前向きに進もうとしているのが分かる。 #cinema
- 篠田正浩「心中天網島」 近松の義理と人情が絡む心中物を、アバンギャルドでスタイリッシュな映像で観せる。演技が古典で、その他が前衛という感じ。美術が粟津潔、音楽は武満徹、全編で活躍する黒子が天井桟敷とかスタッフがスゴイ。ATGの時代モノは外れが無い。白黒69年作。 #cinema
- 橋浦方人「海潮音」 海沿いの田舎町、父親が拾ってきた記憶喪失の女がキッカケとなって家族の暗黒面が浮き上がってくる。映画初出演の荻野目慶子の演技が結構上手い。若い頃の泉谷しげるも好演。全体的に抑えた演出で、前半退屈だが、後半静かに盛り上がる。深町純の音楽が良い。 #cinema
- 岡本喜八「吶喊」 幕末頃、オモシロイ事を求めて会津戦争に参加する男の話。主人公は、バカで純真な奴。下ネタを交えてテンポ良く進んでゆく。ギャグの連続だが各キャラが立っていて、ちゃんと伝わるものがある。シリアスで真実を表現できるとは限らない。坂本九の婆さんが笑える。 #cinema
- 飯村隆彦「視覚的論理(と非論理)Visual Logic(and Illogic)」 映像で論理と非論理を表現する試み。ウィットゲンシュタインが発想の元。真っ白な画面が美しい。コンセプチュアル・ビデオ作品、白黒77年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- 飯村隆彦「男と女 Man and Woman」 裸の男女が単体、または重なった状態で提示される。観念の表現に実物の映像を使われると、そこはかとないユーモアが浮き上がってくる。コンセプチュアル・ビデオ作品、白黒71年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- 飯村隆彦「タイム・トンネル」 数字を読み上げてゆく事で、観念的な時間旅行を試みる。タイムトンネルといえば、アメリカTVシリーズだが関係あるのか?コンセプチュアル・ビデオ作品、白黒71年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- 飯村隆彦「まばたき Blinking」 女性の眼を映す映像にノイズが乗ってゆく。そのノイズがリズミカルに感じられて面白い。コンセプチュアル・ビデオ作品、白黒70年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- 飯村隆彦「椅子 A Chair」 延々、椅子を映し続けるカメラ。影と音が不定期に変化してゆく。ビデオの特性を活かした作品づくりが試みられている。コンセプチュアルなビデオ作品、最初期のもの。白黒70年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- 飯村隆彦「シネ・ダンス[映像舞踏]:土方巽暗黒舞踏 あんま+バラ色ダンス」 白塗り男達の乱舞「あんま」。大野一雄と絡む「バラ色ダンス」。白飛びした画面が映像としても面白い。足立智美のノイズが効果的。白黒63~07年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- エドウィン・ポッター「アメリカ消防夫の生活」「大列車強盗」 消防士の活躍を描いた作品と、ストーリーがちゃんとある初の西部劇。鈴木治行氏のライブ演奏付き。ノイズと効果音との混合。やはり、音によって印象が変わる。03年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- エディソン・カンパニー「支那人の洗濯屋」「メアリー・グインの執行」その他。 エジソンの発明したキネトスコープの映像。何という事の無い断片的な描写だか、シネマが一般的になるまでは大変行していた。1894~1905年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド2」 #cinema
- グレッグ・ストラウス、コリン・ストラウス「スカイライン -征服-」 謎の宇宙人らしきモノが人間を捕獲するために来たという話。色々な作品が混じっているが、宇宙船やら怪物やらも流行りのデザイン。特徴が有りそうで無い作品。SFXは標準的な出来。続編、作る気マンマン。 #cinema
- ラウベル・ローシャ「アントニオ・ダス・モルテス」 残虐な支配者のいる村で、農民側に立って戦おうとする主人公。ツッコミ無用の西部劇風神話世界。ヌーベルバーグっぽく、唐突なカット割で進んでゆく。ブラジルシンセ音楽の開祖マルロス・ノブレの音が凄すぎる。69年作。 #cinema
- グラウベル・ローシャ「バラベント」 因習に囚われて祈禱ばかりしてる海岸の村を変えようとする男の話。クローズアップの多用によって登場人物の心理を浮かび上がらせるところなど、カメラの使い方が面白い。案外テンポが良くて観易いし、鳴り響く太鼓の音が効果的。白黒62年作。 #cinema
- 松本人志「さや侍」 笑を無くした若殿に、笑顔を取り戻すために頑張る親娘。素人の主人公は良い雰囲気だか、映画的なシーンが少ない。だから、テレビのバラエティーを観ている様な気分になる。作品が何を目指しているのか分かりにくいので、お笑いとしてもドラマとしても中途半端。 #cinema
- ロベール・ブレッソン「ラルジヤン」 偽金を掴まされた男が、それをキッカケに果てし無く堕ちてゆく話。やはり、素人を起用した最小限の表現が効果的。感傷を交えないカメラと、誇張されたノイズの様な音。老女が洗濯しているカットに、何故か映画的なものを強く感じる。83年作。 #cinema
- ロベール・ブレッソン「スリ」 中途半端に頭の良い若者がスリで稼ごうとする話。ドキュメンタリー風で、無駄を極限まで削った脚本・演出・演技。まるで能舞台。スクリーンで観るとちょうど良い緊張感がある。ヒロインの女優が驚くほど美人。確かに芸術と呼べる作品。白黒59年作。 #cinema
- スペンサー・サッサー「メタルヘッド」 母を失って失意のどん底にある少年の家に、傍若無人なメタル野郎が転がり込む。下品な長髪男が、いかに親子を立ち直らせるか。脚本と演出は手堅い出来だし、演技も上手い。カメラに独自なセンスを感じる。意外に、誰にでもオススメできる。 #cinema
- 飯村隆彦「リリパット王国舞踏会」 ある男の身体と行動を断片的につなげてゆく。予期できない行動と、カットのつながりがダダ的なのかもしれない。ちょっと寺山修司っぽい。作者も言っていたが、他作品と比べると異色作。白黒64年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- 飯村隆彦「視姦について」 アメリカの性教育フィルムを加工した作品。画面の真ん中に白い円が合成されて、性に対する観念を揶揄しているように見える。共作、中西夏之。白黒サイレント62年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- 飯村隆彦「Ai/Love」 絡み合う男女の体を、ひたすらクローズアップで映し続ける。露出オーバー白黒画面が効いている。動く抽象画を観ているようだ。オノ・ヨーコの風を素材にした音も素晴らしい。作者の代表作&傑作。62年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- 飯村隆彦「くず」 海岸に捨てられたゴミを、露出オーバーの白黒画面で映し続ける。森山大道の写真が動き出したようだ。小杉武久の音楽がノイジーでカッコ良すぎる。62年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- ジョルジョ・メリエス「月世界旅行」 弾丸に乗って月へ行った男たちが、月世界人達に襲われる。言うまでも無いメリエスの代表作。弾丸が月に刺さるところで場内から笑いあり。シンプルなギャグは息が長い。カラー着色、1902年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- ジョルジョ・メリエス「天文学者の夢」 天文学者が土星や木星らしき天体へ行って冒険をする夢を見る。後の「月世界旅行」の基になったと思しき作品。カラー着色、1898年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- ジョルジョ・メリエス「魔法のサイコロ」 フィルムのカット割を使ったマジック。この頃の観客にとって、フィルムの中の世界と現実の世界はどの程度地続きだったのだろう。1902年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- ルイ・リュミエール「工場の出口」「赤ん坊の食事」「列車の到着」 余りにも有名な、映画史で必ず参照されるフィルム。映っているものより、フィルムを観ていた当時の人々が、どんな気持ちだったか想像するのが面白い。1895〜97年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- フェルディナン・ゼッカ「いたずらなルル:パリの歌い子たちは救われた」 牒になった踊り子たちが多重露光で合成されて映し出される。ゼッカはリアリズムの作品が有名だが、これはファンタジー風の作品。1903年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」#cinema
- フェルディナン・ゼッカ「マンモルトルの怪」 人や馬が次々と別の人物や動物に変わってゆくコメディー。単純であるがゆえに、今観ても笑ってしまう。ゼッカはメリエスと同じくらい有名だったようだが、今は忘れられている。1903年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- ウィリアムソン「イギリス人はカメラを呑み込む」 男が口を開けてカメラに近づき、口の中に人が呑み込まれてゆく。ズームが無い頃に被写体を大きく見せるというアイデア。映像でしかできないことが発明された初期の一例。1903年作。「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 #cinema
- 大島渚「夏の妹」 兄かもしれない人に会うために、沖縄にやってきた少女と義理の母(予定)。この監督らしい歴史と政治に対するコミットメントを挟みながら、ドキュメンタリータッチのカメラと演出で人間関係が描かれる。主人公と義理母の素人演技が気になるが、ラストは結構感動。 #cinema
- 黒木和雄「原子力戦争 Lost Love」 自分の女を田舎町まで探しにきたチンピラが、原発がらみのスキャンダルに巻き込まれるサスペンス。モチーフのせいで真剣に観てしまうが、作品の質は悪く無い。しかし、原発事故と電力会社の隠蔽体質が、今観るとシャレにならない。 #cinema
- 寺山修司「田園に死す」 ある男が少年時代を回想して、過去の自分に会う。母殺しは叶うのか?夢は現実、現実は夢。恐山、孕み女、犬神憑き、サーカス、小人に空気女。何度観ても寺山ワールドの独自な世界が気持ち良い。ラストの劇伴だけが流れる真っ白な画面が想像力を掻き立てる。 #cinema
- 増村保造「曽根崎心中」 行き詰った二人の心中に至る道行き。大仰な演技と分かりやすい演出で、テンポの良い歌舞伎舞台のように物語が進んでゆく。敵役があまりにも悪役らしい悪役なので笑ってしまう。悲劇なのに、鑑賞後には爽やかさが残る。だが、傑作であることは間違い無い。 #cinema
- J・ブレイクソン「アリス・クリードの失踪」 誘拐犯の男二人と、拐われた女一人の密室劇。予想を少しづつ裏切りながら、意外なラストに向けて盛り上げてゆく。面白さの最大の要因は脚本だろうが、俳優の演技も上手い。登場人物が三人だけなのも効果大。劇作のお手本のような作品。 #cinema
- J・J・エイブラムス「SUPER8」 母を亡くした映画好きの少年が、町に現れた正体不明の怪物に立ち向かう。冒頭、列車事故が起こるまでのシーンはとても良い出来だし、アクションシーンや各カットには楽しめる部分が多い。しかし、エイリアン話は無理矢理くっつけた感じあり。 #cinema
- 村田和也「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」 ある町での、紅い石を巡る様々な人々の陰謀と攻防。新キャラの兄妹が実質上の主人公なので、エルリック兄弟や大佐の活躍は控えめ。展開がだれる事は無いので退屈はしない。アクションシーンは迫力あり。 #cinema #anime
- クロード・シャブロル「野獣死すべし」 息子を殺された男が犯人に復讐しようとする話。犯人の男は、まさに野獣。しかし、憎む者と愛する者とが重なり、復讐する側にも犠牲が求められる。複雑な感情をシンプルな演出で観せる。それでいて緊張感が途切れない。英語字幕でもOK。 #cinema
- グラウベル・ローシャ「黒い神と白い悪魔」 牛飼いの男が、黒人の主宰する宗教団体の下で政府軍と戦ったり、カンガセイロ(群盗)に身を投じたりして彷徨う話。ストーリーも、各シーンの描写も混沌としている。能舞台のような静かな演出と演技が全体のトーン。白黒64年作。 #cinema
- クロード・シャブロル「ヴィオレット・ノジェール」 自由を求めて、狭いアパートに同居する両親を殺害しようとする少女。過去・現在を交互に出す演出で静かに緊張感を持続させる。主人公の、心に闇を抱えている演技も良い。とにかくイイ女だ。小間使いの少女もカワイイ。傑作。 #cinema
- クロード・シャブロル「肉屋」 中世の風景が残る田舎町で、女教師が遭遇する連続殺人事件。前半は町の平和な生活描写、後半から彼女に危険が迫って緊張度が増してゆく。主人公と殺人鬼が相対した後、ラストまでの演出がカッコ良すぎる。監督の本領が発揮された傑作。 #cinema
- クロード・シャブロル「美しきセルジュ」 ある男が、療養のために帰った田舎で友人の義妹に誘惑され、その家族に振り回される。監督の長編デビュー作だが、すでに狂気に翻弄される主人公というパターンが現れている。演出はまったり。ラストの男の笑いがコワイ。白黒58年作。 #cinema
- クロード・シャブロル「石の微笑」 狂った女に見初められ、静かに破滅の沼に嵌ってゆく男。女の住んでいる家の荒廃が、彼女の精神の混沌を表す。この監督らしい緻密さによって、構成と演出が素晴らしいものになっている。とにかく、当たり前の様に狂気の言動を繰り返す女がコワイ。 #cinema
- 飯田馬之介「トワノクオン 第1章 泡沫の花弁」 特殊能力を持つ少年少女を、彼等を排除しようとする組織から救うために体を張る主人公。演出のせいか、全体に印象は地味。しかし、アクションシーンは良くできている。これからの展開に期待。監督の遺作。全6章。 #cinema #anime
- 柳沢テツヤ「劇場版 そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(エンジェロイド)」 主人公に恋する女の子が登場して、新キャラ登場の外伝みたいな話。前半のあらすじ紹介がちょっと長すぎる。TV一期の様なテンションはやはり無理か。でも、ファンなら楽しめる。 #cinema #anime
- ヴェルナー・ヘルツォーク「フィツカラルド」 田舎町にオペラ座を作るため、ジャングルのゴム園で金儲けを企む男。上映時間長めだが、この監督の作品中では分かりやすさと面白さはトップクラス。船の山登りシーンにおける迫力は息を飲む。キンスキーの存在感もハンパ無し。傑作。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「The Wild Blue Yonder」 植民のために、ある星まで星間移動する宇宙人達。特撮一切無しの語りだけで進んでゆく。SFXを使わないSF。海のシーンはとても美しいので観ていて気持ち良い。観る人の想像力に全てがかかっている作品。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「アギーレ/神の怒り」 黄金郷目指してジャングルの河を下るピサロ一行。実態は、アギーレと愉快な仲間達の探検ドキュメンタリー。ホントは自然が怖いキンスキーが、我儘言って暴れまくる。全体を自然の静けさが支配し、ポポル・ヴの音楽がとても印象的。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「キンスキー、我が最愛の敵」 監督自身が語る、キンスキーとの文字通り殺したくなる程の愛憎の歴史。キンスキーという俳優の狂気を孕んだ才能、それをコントロールしようとする監督の同レベルの狂気。そして、誰にも真似のできない5本の映画が創られた。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「コブラ・ヴェルデ 緑の蛇」 山賊だった男がアフリカへ行き、奴隷貿易の片棒を担ぐ。欲望のままに生きる男は、女を片っ端から孕ませ、戦争をし、最後は落ちぶれる。男役のキンスキーは、いつもの様に叫びまくり、衝動的に行動する。女軍団は迫力有り。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「カスパー・ハウザーの謎」 19世紀に実在した謎の男の半生。演出・演技ともに淡々と続いてゆき、盛り上がりはほとんど無し。この監督の作品中、最も地味かもしれない。「小人の饗宴」に出ていた小人や、足の立たないラクダが出ていて懐かしさを感じる。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「My Son, My Son, What Have Ye Done」 母親を殺した犯人が人質を取って立て籠る。この監督に、プロデューサーがリンチという、ある意味最強の狂ったコンビ。狂気のシンボルに満ちている、異常な色調の画面も素敵だ。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「神に選ばれし無敵の男」 ナチが政権を取る直前のベルリンで、ユダヤ人で怪力鍛冶屋の主人公がショーに出演する。ショーを主催する千里眼の怪しい男が良い味出してる。異形・異能の登場人物は出てくるが、この監督にしてはおとなしい演出。2001年作。 #cinema
- ヴェルナー・ヘルツォーク「小人の饗宴」 ある施設で小人達の狂騒が延々と続く。響き渡る小人の哄笑が耳について離れない。フロリアン・フリッケの音楽も良い。映写前の瀬々敬久監督のトークは、示唆に富んでいた。三つのキーワード、自然、空虚、狂気。宮沢賢治との共通点。 #cinema
- 森下孝三「手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく」 ブッダの誕生から出家するまでを、他の登場人物の人生と並行して描いてゆく。なんだか、80年代アニメを観ている気分になる。絵や動きは良いとして、王様の声だけは何とかならなかったのだろうか。 #cinema #anime
- ロブ・マーシャル「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」 寿命を延ばす事が出来る"生命の泉"を求めて海賊黒ヒゲその他と、争ったり協力したりの大冒険。お馴染みのキャラが好きな、前作までのファンなら楽しめる。凶暴だが、人魚カワイイ。2Dでも十分面白い。 #cinema
- 鈴木雅之「プリンセス トヨトミ」 会計検査院と大阪国との戦い。父子の絆をテーマにしているのは原作通りで良いが、荒唐無稽な設定にリアリティを与えるために、もう少し大阪の人々の物語を重視して欲しかった。しかし、チャコ役の女優は魅力的で、テンポも良いし退屈はしない。 #cinema
- クロード・シャブロル「甘い罠」 女の黒い情念がブルジョアの家庭を破滅に追い込む心理サスペンス。リスト「葬送」が効果的だし、自分を止める事ができない女の演技が完璧過ぎる。ラストのスタイリッシュさには目を見張る。しかし、これ観た後では最近の邦画が雑に見えて困る。 #cinema
- クロード・シャブロル「悪の華」 選挙を切っ掛けに退廃したブルジョア一家を再び襲う悲劇。とにかく、演出が上手いので感心してしまう。特に、階段シーンは監督のセンスが光る。あまりに格調高いので、登場人物の内面の醜さや暗黒面が伝わり難いのが気になるほどだ。 #cinema
- 野村和也「劇場版 戦国BASARA -The Last Party-」 戦国武将達が、ひたすらバトルを繰り広げる。ストーリーはあって無きが如く、戦うだけのキャラ達。ゲームファンのための長時間PV。戦闘シーンの迫力は中々だが、話の内容は訳わからない。 #cinema #anime
- クロード・シャブロル「最後の賭け」 詐欺師の老人と、そのパートナーの女が騙し騙されながら大金を狙う。結局、誰を信用するかということは、誰を一番大切に思っているかということ。主人公が憎めないキャラなので、深刻にならずに楽しめる。しかし、フラーのダンスが観れるとは‼ #cinema
- 小沼勝「濡れた壷」 場末のスナックを切り盛りする女と、その家族の話。何と言っても、谷ナオミが色っぽい。そこら辺は貫禄の勝利。直接的なSMより、こういう精神的な方が興奮度大。マネキンシーンでの演出は、想像力を刺激される。チョイ役の田中小実昌が笑いを誘う。76年作。 #cinema
- 斉藤水丸「母娘監禁 牝」 友人の自殺にショックを受けた少女と、どん詰まりの男が同棲する話。監督の演出が良いからかもしれないが、主人公と相手の男が意外に演技が上手くて見応えのある作品。脇役のオッサンも良い味出してる。若者の苦悩を描いた、真っ当な青春映画。87年作。 #cinema
- 三島由紀夫「憂国」 青年将校と、その妻が共に自害する話。DVDで観るよりも、映画館のスクリーンの方が何倍も美しく感じる。この女優は存在感があって好きなのだが、この作品だけで消えたのは惜しい。それにしても、三島由紀夫は趣味丸出しでノリノリに演じている。 #cinema
- ダニエル・シュミット「KAZUO OHNO」 大野一雄が、劇場や晴海埠頭を舞台として幻想的に踊る。晩年近くの円熟した舞いを観る事が出来る。自宅の部屋で、家人が後ろで家事をしているのに、構わず舞っているのが面白かった。1995年作。 #cinema
- 長野千秋「O氏の肖像」 大野一雄が、映画制作に凝り始めた最初の作品。野原、寺院、隧道、真っ白なセットの中で踊る。異様で幻想的な雰囲気がひたすら続いてゆくが、バイクに乗っている姿はお茶目。監督は、土方巽に師事していた。ところで、相方の踊り手は誰?1969年作。 #cinema
- 冨永昌敬「アトムの足音が聞こえる」 音響デザイナー大野松雄のドキュメンタリー。何が起ころうと、自由に生きて、自由に音を創ってきた人。70年代ドキュメンタリーの音は特に面白い。大野氏が創る音の独特さの秘密、何故こんな音が作れたのか、少しだけわかった気がした。 #cinema
- ダーレン・アロノフスキー「ブラック・スワン」 あるダンサーが狂気にのまれてゆくサイコ・サスペンス。現実と妄想の交錯が、手持ちカメラによるアップの多いカメラワークで描かれる。主演女優の演技は上手いと思うが、演出の効果が何割かあるかもしれない。観る価値のある作品。 #cinema
- 三宅喜重「阪急電車 片道15分の奇跡」 電車を舞台にした、人と人とのつながりの話。全てのエピソードが描かれている訳では無いが、原作の雰囲気は良く保たれている。ちょっとやり過ぎなエフェクトもあったが、総じて脚本も演技も水準以上。それにしても、おばあちゃんカコイイ。 #cinema
- 佐藤信介「GANTZ / PERFECT ANSWER」 主人公達と黒服星人達との戦い。アクションシーンは、とても面白い。特に、地下鉄のシーン。しかし、アクション以外の部分がイマイチ。ラストはこれで良いと思うが、脚本をもう少し工夫して欲しかった。 #cinema
- 成島出「八日目の蝉」 主人公が、失っていた愛情を取り戻すまでの旅を描いた話。脚本・演出・演技がどれもレベル高い。特に、井上真央の演技がうまいのには吃驚。やはり、監督の力か?物語は、最後に希望と感動を持って終わることができている。田中泯の写真屋が何気に凄い。 #cinema
- 新海誠「星を追う子ども」 寂しさに囚われた少女と、最愛の人を無くした男が異界を旅する話。相変わらず背景などの色使いが綺麗。ストーリーは王道を狙っていると思うが、ヒロインの動機や、ラストで何を得たのかが分かり難い。しかし、観る価値は有ると思う。 #cinema #anime
- イエジ・クチャ「弦走」 様々なイメージが関連無く、次々と繰り出される。何も考えないで観ているしか無い。ポーランドアニメは、他の東欧諸国とはやっぱりセンスが違う。ポーランド 2000年作。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- アンジェイ・クリモフスキ「死せる影」 有名なデザイナーの監督が作ったアニメーション作品。劇場で踊るバレリーナが幻想的で、ちょっと不気味。ポーランド 1980年作。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- スタニスラフ・レナルトヴィチ「ポートレート」 座っている少女と、その肖像画。ひたすらパンを繰り返すカメラが、無表情に対象を捉える。ポーランド 1977年作。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- ズビグニュー・リプチンスキー「もう止まらない!」 カメラが進んでゆくと、通りがかった人々が何だかよくわからないモノに食べられてゆく。シンプル、ブラックでナンセンス。ポーランド 1975年作。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- ユゼフ・ロバコフスキ「ダイナミックな四角形」 四角形の、変形と動きだけで観せるミニマルなアニメーション。最低限の要素だけでも充分に気持ち良い。ポーランド 1971年作。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- アンジェイ・パヴウォフスキ「シネフォルム」 歪んだレンズを通して撮影されたオブジェが抽象的な図形になってダンスをする。淡くて、ぼけた感じが気持ち良い。ポーランド 1957年作。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- ワレリアン・ボロズウィク+ヤン・レニツア「家」 挿絵の切り抜きが動き回るアニメーション。なんだか、シュワンクマイエルの初期作品みたいな感じ。古風で単調な電子音がとても良い。ポーランド1958年作。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- クロード・シャブロル「引き裂かれた女」 男二人と女の三角関係によって起こる悲劇。ストーリーに新しさは無いが、さりげない演出のうまさと心理描写は流石にベテラン。画面の構図が一々決まっている。しかし、冷静に観ると登場人物達はお洒落だけどイヤミな奴が多い。 #cinema
- 田名網敬一、相原信洋「DREAMS」 奇妙なキャラらしきモノが動き回る。この作者らしい色と形が強烈。上映後の、突然の訃報に驚いた。相原氏のご冥福をお祈りします。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 島田量平「garden」 加工された画像のカットアップ。映像に合った音楽が良い。トリップできる。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 黒川芳朱「離散の歌」 変な言い方だが、いかにも実験映画らしい作品。ちょっとブラッケージを思わせる。デュシャンも入っている?生バンドによる音付きで観てみたかった。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema
- 萩原朔美「総ては本」 何にでも「本」の焼印を押してゆく。このアイデアがユーモラスで楽しい。空や水に押された焼印は、想像力によって見ることができる。こういうところが寺山修司っぽい。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema
- 五島一浩「東京浮絵百景」 実写ストップモーションで街の一日を描写する。3D版を大画面で観たかった。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 河原真明「豆富小僧」 騙されて封印され、現代に現れた主人公が悪い狸達に立ち向かう話。とりあえず、豆富小僧がカワイイ。しかし、脚本と演出のせいか、あまりワクワクしない。テーマは悪くないと思うのだが。3DCGのアニメーションも気になった。 #cinema #anime
- 平野遼「ホリディ」 山椒魚みたいな謎の生物と、ある男女のすれ違いの物語。奇妙なイメージの連続だが、不思議な統一感がある。次回作が観てみたい。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 佐竹真紀「おもかげ」 実写の静止画を連続させたコマ撮りによって、祖父の思い出を辿る。こういう表現を観ると、どうしても伊藤高志の影響を感じてしまう。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 中西義久 「many go round」 切り紙による立体アニメーション。動き自体はシンプルだが、重層的にすることによって、複雑で飽きないものになっている。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 永岡大輔「私の痕跡」 オフィスの休憩室における人間の行動。キャラが描いては消され、動きが続いてゆく。アニメについて考えるメタアニメーション。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 古川タク「はなのはなし」 鼻に関するナンセンスストーリー。風刺の効いた作風と、安心して観ていられるアニメーション。さすがは、ベテランの味。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 一瀬晧コ「TWO TEA TWO」 ある女が、自分の過去と対話する。絵柄や、メタモルフォーゼの動きに既視感があったが、古川タク氏のお弟子さんと聞いて納得。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- pecoraped 「SPONCHOI Pispochoi」 ある星の虫達が寄生虫にとりつかれる話。かわいいキャラが、ちょっと気持ち悪い行動をするアニメーション。実は壮大な話?イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 水江未来 「MODERN」 直線的な動きと、図形で描かれるMODERNな世界。なんだか、どういう動きが気持ち良いかという、アニメーションの基本に戻ったみたいな感じ。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- 水江未来 「TATAMP」 有機的な図形のメタモルフォーゼ。兎に角、テンポ良くて楽しい。この作者は、どうすれば気持くなるかをわかっている。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema #anime
- ミハイル・ロンム「一年の九日」 旧ソ連、原子力研究所で核融合の実験をする学者と、その妻や友人との交流を描く。この作品を観ると、原発開発途上で隠れた犠牲者が大勢居たのだろうと思わされる。と言うか、普段着のままで原子炉に近づくなよ‼1961年白黒作品。 #cinema
- マリー・ロジエ「パパル・ブロークン – ダンス」 何故か、プロレスのリング上で、数名の男女と共に踊りながら歌うジェネシスのPV。彼(彼女)で無くては許されない様なダサいダンス。知らない人が見たら意味不明。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema
- 川崎博嗣「鬼神伝」 平安時代、開発を進める貴族勢と、まつろはぬ民との戦い。その間で苦悩する、現代からやって来た主人公。展開が急で、登場人物の感情を追いにくい。テーマやストーリーは分かり易いが、テンポがイマイチ。脚本をもう少し考えて欲しかった。 #cinema #anime
- ブラザーズ・クエイ「マスク」 ある目的の為の機械として創られた女の物語。スタニスワフ・レムの原作だが、この監督にしてはストーリーが分かり易い。闇の中の淡い光が美しくて見惚れてしまう。ペンデレツキの音楽が素晴らしい。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema
- レイノルド・レイノルズ「シックス・イージー・ピーセズ」 映画を解体する試み。ファインマンの書にもとづいているらしい。弾くたびに破壊されてゆくピアノが面白い。それにしても、この作者のセンスは興味深い。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema
- レイノルド・レイノルズ「シークレット・マシーン」 科学者に測定される女。マイブリッジやデュシャンが引用される。黒を基調にした画面は、ライバッハのPVをブラザーズ・クエイが制作したみたいだ。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema
- レイノルド・レイノルズ「シークレット・ライフ」 閉じ込められた女の想念がイメージになって溢れてゆく。ブラザーズ・クエイとウィーン・アクショニズムを足して2で割った感じ。独特のストップ・モーションが面白い。イメージフォーラムフェスティバル2011。 #cinema
- マーティン・アーノルド「シャドウ・カッツ」 ミッキー・マウスとプルートの笑が、引きつりながら繰り返される。アニメーションを解体するアニメーション。イメージフォーラムフェスティバル2011より。 #cinema #anime
- 本橋成一「アレクセイと泉」 チェルノブイリから180km、清浄な泉が有る村。豊かな自然の中で、泉によって支えられた素朴な村人達の生活が淡々と描かれる。美しい映像に坂本龍一の音楽も合っている。しかし、チェルノブイリ聖母には驚いた。今の我々に「泉」はあるのだろうか。 #cinema
- マイケル・マドセン「100,000年後の安全」 放射性廃棄物という妖怪を、地下数百メートルに封じ込める工事。十万年後まで、掘り起こされないかどうかは誰にも分からない。地下の映像が恐ろしくも美しい。フィンランドのドキュメンタリー。 #cinema #10mannen_mita
- 土本典昭「原発切抜帖」 新聞記事のスクラップを構成しただけの実験映画なのに、現在では緊張感無しに観る事ができない。各国政府の情報隠蔽や後出し。昔から、恐ろしいほど変わっていない事に愕然とする。ナレーション、小沢昭一。音楽、高橋悠治と水牛楽団。1982年作。 #cinema
- 森田実「原子力発電の夜明け」 日本初の商用原発、東海村一号炉の建設記録。想像以上に巨大な炉心の建設風景は貴重。高度な技術、核エネルギーの平和利用と明るい未来。今観ると、全てのナレーションが皮肉にしか聞こえない。音楽は山本直純。1966年作。文部省推薦教育映画。 #cinema
- 神山健治「攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D」 超ウィザード級ハッカー傀儡廻に挑む公安9科。OPと電脳空間は3Dの効果有り。周知の話だが、大画面で観る価値有り。併映の短編「Xi AVANT」は、ちょっと面白い。 #cinema #anime
- 吉田喜重「秋津温泉」 山奥の温泉地で、数年置きに逢瀬を繰返す男と女。ダメな男を愛し続ける女の、心理の変化が見物。この監督の作品中、最も分かり易いストーリーと演出になっている気がする。それに、この作品の岡田茉莉子が一番可愛くて美しい。林光の音楽が抒情的で良い。 #cinema
- ザック・スナイダー「エンジェル・ウォーズ」 想像の世界で、自由を得ようとして戦う少女の話。全体的にダークな雰囲気で、アクションは「300」と同じでカッコ良い。構成は一見複雑だが、ストーリーはシンプル。ラストは悲劇に見えるが、少女は求めていたものを得ている。 #cinema
- 増井壮一「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 黄金のスパイ大作戦」 スパイになって、あるカプセルを奪還するために、某国へ侵入するしんちゃん。新監督なので雰囲気が違うが、女スパイの子との関係にストーリーを絞ってあるので、スッキリした作品になっている。 #cinema #anime
- ソフィア・コッポラ「SOMEWHERE」 自堕落な生活を送る俳優の男が、一時的に娘と生活する事によって大切なものを思い出す話。シンプルなテーマで抑えた演出だが、演技が良いので、それほどダレることはない。しかし、何故アメリカ人はポールダンスがあんなに好きなのか? #cinema
- マイケル・アプテッド「ナルニア国物語 第3章:アスラン王と魔法の島」 七本の剣を求めて、海を冒険をする主人公達。少し急ぎ足で進むので分かりにくい所があるが、海蛇との戦いは面白いし、ラストは感動できる。しかし、アスランの毛は良く出来ている。鬣を撫でてみたい。 #cinema
- バイロン・ハワード「塔の上のラプンツェル」 塔に閉じ込められていたヒロインが、心身共に独立してゆく話。脚本と演技が良いので、各キャラにちゃんと感情移入できる。髪の毛を筆頭にCGの出来が素晴しい。特に、ランタンシーンは3Dの価値あり。オススメの良作。 #cinema #anime
- 大塚隆史「映画プリキュアオールスターズDX3」 なんだかよく分からない強敵と、プリキュア全員との戦い。最初の変身シーンだけで終わってしまうのでは無いかと心配になった。各キャラを一通り見せるだけになっているのは残念。工夫したストーリーを観たかった。 #cinema #anime
- トム・フーパー「英国王のスピーチ」 不本意ながら王になった男が、吃音を治そうとする事によって、抑圧を克服しようとする姿を描く。脚本と演技は素晴らしい。演出は英国劇らしく地味だが、派手さの無い作りが良い雰囲気を出している。シンプルなストーリーで、誰でも感動できる。 #cinema
- ウェス・アンダーソン「ファンタスティックMr.FOX」 野性が抜け切らない父親狐達と、人間との戦いを描くストップモーションアニメ。絵本の様な平面的カメラワーク、シンメトリーな構図、表情豊かなキャラクター。基本ギャグだが、他の外国映画と同じで笑どころが難しい。 #cinema
- ラース・フォン・トリアー「アンチクライスト」 ある夫婦が、子供の事故死をきっかけに精神の闇に飲み込まれてゆく。狂気の果ての残虐な描写はショックではあるが、ボカシはやめて欲しい。監督の鬱病を治すために創られた作品。不気味な美しさの画面と、俳優の演技は素晴らしい。 #cinema
- 寺本幸代「映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~」 宇宙から襲来するロボット達と戦うドラえもんと仲間達。リメイクだが、脚本・演出が良い出来で、大人が観ても楽しめる。子供も退屈していなかった。でも、ラストが理解出来たのだろうか? #anime #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「エルミタージュ幻想」 過去と現在が交錯して、美術館の中でロシアの歴史が展開する。舞踏会の場面は豪華絢爛、ラストで人が川の様に流れて行く様は圧巻。全編ワンカットなのは凄い。映写後トークでの、登場人物と各エピソードの解説は興味深かった。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「精神の声 第五話」 アフガンの戦場に居る兵士達の日常を描くドキュメンタリー。戦闘場面の様な派手な描写は一切無い。彼らの語り口は、あくまでも静か。それゆえに彼らの内面が浮かび上がる。武満徹の曲が印象的。本来は、全5話5時間28分の作品。 #cinema
- ベニー・チャン「ディバージェンス –運命の交差点-」 失踪した恋人を探す刑事、ジレンマに悩む弁護士、訳有りの殺し屋、この三人が絡んでゆくサスペンス・アクション。演技、アクション、香港映画らしいちょっとクサイ演出は悪くない。登場人物の内面重視なので敵は活躍しない。 #cinema
- ベニー・チャン「インビジブル・ターゲット」 それぞれの理由で強盗犯人を追う三人の男。テンポ良く、飽きさせない追跡と格闘の連続。三人のキャラの違い、敵リーダーの強さと、敵方にも感情移入できる作りになっている所が好印象。オススメできる正統派香港アクション映画。 #cinema
- アレクセイ・ゲルマン「フルスタリョフ、車を!」 旧ソ連で起きた陰謀事件を元にした作品らしいが、そんなことはどうでも良くなる乱痴気騒ぎの連続。独特の露出オーバーな白黒画面、耳をつんざくノイズ、まともな登場人物は一人もいない。恐ろしいパワーに溢れた狂気の傑作。 #cinema
- イーサン、ジョエル・コーエン「トゥルー・グリット」 二人の男と共に、父を殺した仇を追いかける少女。コーエン節は残しながら、分かりやすいストーリーで最後は感動できる。大酒飲みの保安官、真面目そうなレインジャー、気丈な少女、三人のキャラの掛け合いを楽しむ作品。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「ロストロポーヴィチ 人生の祭典」旧ソ連の反体制チェリストと、声楽家である妻のドキュメンタリー。ビデオ撮影なので、いつもの色調が無いのが残念だが、構成は分かりやすい。ペンデレツキ作曲、小澤征爾指揮の曲は緊張感があって良い。全部聴きたい。 #cinema
- アレクサンドル・プトゥシコ「妖婆 死棺の呪い」 ゴーゴリ原作のホラー映画。三晩の間、教会で魔女の呪いを受けることになった神学生の話。何と言ってもラストの妖怪勢ぞろいの場面が素晴らしい。三十数年前テレビで観て以来だが、今観ると妖怪ヴィーは結構カワイイ。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「日陽はしづかに発酵し・・・」 2人の青年が体験するウラン採掘現場など、旧ソ連の現実。間接的な表現が多いのでわかりにくい所もあるが、ひとつひとつのエピソードは面白い。斬新なカメラワークと、オレンジ色の画面が心に残る。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「孤独な声」 幸福を苦痛に感じる主人公と恋人の愛の物語。第1回監督作品だが、この監督の特徴がすでに十分出ている。音楽が緊張感を高めていて良い。タルコフスキーが擁護したのも肯ける。しかし、この作品のどこに上映禁止になる理由があるのだろう。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「マザー、サン」 老いた母と、世話をする息子の二人。ストーリーらしいストーリーも無く、淡々と情景が続いてゆく。空を覆う暗雲と、風の轟く様な音。暗い画面が、この世では無い様な雰囲気を醸し出すが、母を思う息子の愛はこの世に実在している。 #cinema
- 藤森雅也「劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段」 戦に隠された陰謀を暴いて、仲間を助けにゆく学園のみんな。テンポが良く、各キャラの個性も分かるし、みんなちゃんと活躍している。誰でも楽しめる良作。特に、脚本の出来が素晴らしい。 #anime #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「ファザー、サン」 父親と、その息子の愛情物語。屋根の上を舞台にしたのはとても良いアイデアだと思う。息子と恋人の窓越しの会話、街の電車。この監督独自の夢を見ているような画面。しかし、この親子、怪しい関係に見えてしょうがない。特に前半。 #cinema
- アレクサンドル・ソクーロフ「牡牛座 レーニンの肖像」 半身不随で認知症のヨボヨボなレーニンが避暑地で過ごす日々。実質的な権力はもう無く、新聞も読ませてもらえない。夢のような淡い画美しい面がレーニンの見ている世界を表現しているのか。17x22はいくつ? #cinema
- 園子温「愛のむきだし」 真実の愛を求めて足掻く人々の物語。前半ギャグで、後半シリアス。70年代日本映画風演出と、少々狂った脚本で突っ走る。ゆらゆら帝国の音楽が良く似合っているし、主役とヒロインは頑張って演技している。4時間の上映時間も退屈しなかった。 #cinema
- ジョエル、イーサン・コーエン「シリアスマン」 おる男に次々に不幸が襲いかかる物語。隅々まで毒と皮肉に満ちたブラックユーモアの作品。特に、スタッフロールの最後で笑ってしまった。この監督らしい演出で面白いし、ユダヤ文化に詳しく無くてもOKだが、人には勧めにくい。 #cinema
- ロベルト・シュヴェンケ「RED」 危険な老人達が、CIAとその背後にいる敵と戦うアクション。マルコヴィッチが良い味出してる。特に、前半のアクションは爽快。後半、微妙にだれるが、ブルース・ウイルスと敵方以外激しい動きができないので仕方無い。でも、観て損の無い出来。 #cinema
- 曽利文彦「あしたのジョー」 二人の男の命をかけた闘い。丹下段平は素晴らしい。力石も好演。しかし、丈は育ちの良さそうな顔が気になった。それと、ラストで何の葛藤もなく丈が立ち直るのは違和感有り。全体的には、テンポ良くてだれない。しかし、ギャグにならなくて良かった。 #cinema
- 河森正治「劇場版 マクロスF 恋離飛翼~サヨナラ ノツバサ~」 未知の生物とのコミにケーションによって、人々を救おうとする主人公達。TVシリーズマトモに観ていないので細かい所は分からないが、展開が早いので退屈しない。戦闘とドラマ部分も楽しめる。 #cinema #anime
- オスカー・フィッシンガー「習作7(ハンガリアン・ダンス5番)」「サークル」「ラジオ・ダイナミクス」「モーション・ペインティング No.1」 ICCにて、久しぶりに鑑賞。大きな画面の方が、動きのダイナミクスや色の美しさが良く伝わってくる。 #anime #cinema
- ジェームズ・L・ブルックス「幸せの始まりは」 失意に沈む男女が惹かれあってゆく恋愛コメディー。前半はテンポの良いコメディー調、後半はシリアス分が増して微妙なオトナの恋の話。ジャック・ニコルソンの演技は、流石に渋い。他の演出・演技も悪くは無いので普通に楽しめる。 #cinema
- 熊切和嘉「海炭市叙景」 北にある、灰色の街に住む人々の様々な人生模様。しかし、あのおばあさんが素人なのにはビックリした。監督の演出のうまさが、良い演技を引き出していると思う。ジム・オルークの音楽も素晴らしい。地味だが、観て良かったと思わせる良作だ。 #cinema
- クリント・イーストウッド「ヒア アフター」 霊能力のある主人公と、大切なものを失った2人の人生が交錯する物語。不親切にも見える抑えた演出で淡淡と進んでゆく。主人公が人生に前向きになる場面がクライマックスだが、良く観ていないとわからない。ディケンズがキーワード。 #cinema
- 深川栄洋「白夜行」 悲しい運命の主人公達が、自分達の人生に復讐する話。主な登場人物の演技が良いので締った作品になっている。中盤、少しダレる所有り。しかし、ストーリー進行がかなり駆け足にも拘らず分かり難いところは無い。ファッションその他、80年代の雰囲気も良し。 #cinema
- 佐藤信介「GANTZ」 不思議な球体に命じられるままに、宇宙人と戦う主人公達。映画としては普通の面白さだが、この監督はアクション苦手なのだろうか?戦闘シーンのテンポがイマイチ。原作をまとめるために、この脚本はアリだと思う。第二部を観ないと印象は決まらないかな。 #cinema
- 園子温「冷たい熱帯魚」 悪の嵐に巻き込まれて、破滅してゆく主人公。残虐さが極まると笑ってしまう。でんでん氏の演技が素晴らしすぎて目立ってしまうが、他の俳優の演技も良い。一片の救いも無い作品だが、何故か後味は悪くない。この映画の、私的名文句「チョット痛い」。 #cinema
- パトリス・ルコント「髪結いの亭主」 オッパイ星人の男と、髪結い女のラブストーリー。二人にとって天国であり、世界そのものの床屋で物語は進んでゆくが、唐突なラストにより二人の愛は永遠になる。良い映画の見本とはこの作品のこと。マイケル・ナイマンの音楽が胸に沁みる。 #cinema
- トッド・フィリップス「デュー・デート」 切れやすい男と、天然男の珍道中。ダメな男達が少しだけ成長してゆくロードムービーだが、テンポ良く騒動が起こるので退屈しないで観る事ができる。この主人公二人、根は悪く無いのだが、お近づきになりたいタイプでは無い。 #cinema
- ミヒャエル・ハネケ「白いリボン」 村で、次々に起こる不気味で残酷な事件。ひたすら静かに、モノクロの美しい映像が続いてゆく。劇伴は、劇中の演奏以外全く無し。人間の持つ非寛容や、純粋ゆえの残虐さがテーマだと思うが、画面から監督の妥協を許さない強い意思を感じる。 #cinema
- デヴィッド・フィンチャー「ソーシャル・ネットワーク」 才能が有り過ぎるために、成功と引き換えに愛と友情を失った男の話。Facebookの事は知らなくても問題無し。ほとんど会話だけで成りたっている様な作品だが、演技がみんな上手いので、退屈しないで観る事ができる。 #cinema
- 高橋良輔「装甲騎兵ボトムズ 孤影再び」 町を守るために圧倒的な数の敵に向かって行く不死身の主人公。ダイジェスト版みたいに駆け足のストーリー進行で、描写不足の感がある。CGが少し軽い感じの動きがあって気になった。観客は、ほとんどオッサンばかり。 #cinema #anime
- ジャン=リュック・ゴダール「ゴダール・ソシアリスム」 波の映像で始まるゴダール節炸裂の計三楽章。兎に角、音がスゴイ。全編ノイズ・ミュージックのPVとしても観る事ができる。独特の映像編集によって気持ち良くなってくる。第二楽章に出てくるラバとリャマがすごくカワイイ。 #cinema
- トニー・スコット「アンストッパブル」 暴走列車を止めようとする二人の鉄道員。この監督とデンゼル・ワシントンとの組み合わせでは、かなり面白い方。同じ鉄道ネタの前作では後半が少しダレたが、今作は最初から最後まで緊張感が途切れないし、上映時間もちょうど良い。 #cinema
本
- 鶴ヶ谷真一『増補 書を読んで羊を失う』 文章家である著者が、古今東西の書物と著者を題材に、豊富な話題を語るエッセイ。社会、歴史、民俗学、ミステリー、小説、詩、読書論など多彩なモチーフの中でも、特に、漢文に関して面白い物が多い。内容の濃さに比して読みやすい文章だ。 #book
- スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下』 いよいよ、別々に行動していた主人公の二人が出会い、事件の核心に迫ってゆく。衝撃の真実が明らかになるが、このストーリーの面白い所は、意外に地味な捜査で推理してゆく所。しかし、正義の側はみんなMacだな。 #book
- 中島俊郎「オックスフォード古書修行」 古書のオークションや、イギリス文学を中心にしたエッセイ。「古本病」の著者が古書を求める情熱と喜びが語られる。ナンセンス本、レシピ本、ガイドブックなどを文学と絡めて読むというのが面白い。イギリス人の笑いの沸点が低いのが可笑しい。 #book
- 石橋毅史『「本屋」は死なない』 著者が全国の本屋を訪れ、現役や元店員の話を聞いてまわることによって、本と本屋の未来について考えた本。所謂カリスマ店員が多く登場するが、彼らをもってしても明確な展望は開かれない。だが、この著者の本に対する熱い思いが未来を開く鍵だろう。 #book
- 三上延『ビブリア古書堂の事件手帳 2』 鎌倉の古書店で起きる、どちらかと言えば些細な事件を、読書狂の女性店主が解決してゆく物語二巻目。人情話が多いのは変わらないが、主人公達の過去が明かされてストーリーに少し深みが出て来た。一巻目が気に入っていたらオススメできる。 #book
- スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上』 数十年前に起きた少女の失踪事件の解決を要請されたジャーナリスト。別の場所で、女性天才ハッカーが彼に興味を持ち始める。各人の経歴や心理が詳細に解説してあってわかり易い。映画・小説どちらも面白い作品だ。 #book
- 森谷明子「れんげ野原のまんなかで」 地方都市の辺鄙な場所に立つ図書館で起きる、ささやかな事件を解決してゆくミステリー。人情味の有るストーリー展開で読後の印象は爽やか。くどく無い読み易い文章、キャラクターの描写も必要十分。この作者、地味だけど文章は上手いかもしれない。 #book
- 篠原章「日本ロック雑誌クロニクル」 60年代から80年代頃までの、日本のロック雑誌を紹介する本。それを通して日本のロックが何を求めていたかがわかる。各雑誌の編集長へのインタビューが貴重。殆どの雑誌が懐かしいが、個人的には阿木譲の全仕事が紹介されているのが嬉しい。 #book
- 川端康成『乙女の港』 昭和の始め、横浜のミッションスクール。二人のお姉様の間で心揺れる主人公。少女の友に連載されていた戦前のベストセラーだが、何と言っても中原淳一の挿絵が素晴らしい。流石に文章も一流。原案は中里恒子らしいが、今読んでも十分に面白い。解説も詳しい。 #book
- 川崎弘二 編『黛敏郎の電子音楽』 黛氏の電子音楽作品を中心にした、作者による解説、インタビュー、研究者による論文集。思っていた以上に、映画音楽と宗教の為の曲が多いし、日本の電子音楽に与えた影響が大きい。”電子音楽にバッハは出ていない“という言葉は、今でも有効だろう。 #book
- 荻原魚雷「本と怠け者」 様々な先人の本を引用しながら、怠けることの効用を語るエッセイ。取り上げられる作者はいずれも渋いラインナップ。読んでいると低空飛行の人生が魅力的に思えてくる。世の中に迎合しないで生きる為に、敢えて弱いままでいることを選んだ作者の潔さが魅力の本。 #book
- 野村美月「半熟作家と“文学少女”な編集者」 新人作家の編集者になった文学少女。大人になった彼女の活躍(?)が描かれるのだが、年をとっても殆ど変わっていない。オヤツをくれる彼とも、なる様になってハッピーエンド。これで、終始甘く少し苦い味の、このシリーズは本当に最後。 #book
- 西川誠『天皇の歴史07 明治天皇の大日本帝国』 日本文化と儒教道徳を心に秘めながら、対外的な必要から西洋式を受け入れていった明治天皇。どの様な経過を辿って名君と言われるようになるのか。天皇の行動と周りの証言から解き明かしてゆく。文章のテンポが気になるが、内容は平易。 #book
- 小山清『日日の麺麭 風貌』 市井に暮らす人々の日常を、淡々とした静かな筆致で描いた短編集。作者は、太宰治に師事し、短編ばかりを書いていた寡作の人。なるべくゆっくりと読みたい味わいの有る作品群だが、特に『落穂拾い』における、主人公と少女との交流が心に染みる。 #book
- 有川浩『シアター!2』 返せなければ劇団を潰す約束をして、借金返済のために奮闘する劇団員達の青春群像劇第二幕。今回は、様々な恋や友情が進展してゆく。作者らしい語り口で、心理を分かりやすく説明しながら、いつも通り物語が進む。登場人物のもどかしい感じを許せるなら面白い。 #book
- 中原昌也『死んでも何も残さない 中原昌也自伝』 生い立ちらしきものを語りから文章に起こしたモノ。いつも通り、投げやりと絶望と諦めに満ちた語り口。内容が無いように思えるにも拘らず読んでしまう。それは、作者の文章が結構読み易いからだろう。とりあえず、首尾一貫はしている。 #book
- contectures『思想地図β2』 震災以後をテーマにした特集号。ネットその他のメディアの役割、復興後の都市計画等、具体的な提案もあるが、文化・思想が何ができるかという提議が興味深い。時間がキーワードとして重要だという指摘が貴重。内容はしっかりしていて読み易い。 #book
- 菊地成孔、大谷能生『アフロ・ディズニー2 MJ没後の世界』 作者達が2008~9年に慶應義塾で行った講義の記録で、内容は8名のゲストとの対談集。音楽・ファッション・アニメ等を題材に現代文化の特徴を探ってゆく。対談自体は分かりやすく読み易いが、殆どは問題提起で終り。 #book
- 森見登美彦『四畳半王国見聞録』 世界を四畳半化しようとする謎の組織とか、阿呆神やら何やら摩訶不思議な学生達が交錯し、活躍する青春絵巻。今までの作品の登場人物が出てくるので、知っていると更に楽しめる。純真と紙一重のアホさを発揮する若者に共感できれば面白い。 #book
- 三上延『ビブリア古書堂の事件手帳』 本大好きで超人見知りの美人古書店店長が、店にくる訳有り客の、本に関するトラブルを解決してゆく。内容は主に人情モノで、人生に関するチョット良い話。最後の章を除いて事件らしい話では無いので、本格的な推理ものを期待しない方が良いかも。 #book
- 藤田覚『天皇の歴史06 江戸時代の天皇』 天皇が江戸時代を生き延びて、明治時代に政治的中心となる理由は何か?実質的支配を選んだ幕府にとって、天皇に代わる名分を創る必要が無かった。そして、それが幕末の政変に繋がる。江戸時代の天皇・朝廷に関する政治・文化がよく分かる。 #book
- 『DOMMUNE OFFICIAL GUIDE BOOK-1ST』 正直、野外ライブの入場券のために買ったのだが、思ったより読み応えがあった。九割がた対談なので読みやすいし、興味深いテーマも幾つかあった。シュワンクマイエルの記事があったのは得した気分。 #book
- 吉見俊哉『大学とは何か』 大学が、これからどうなってゆくべきかを探る本。そのために、西欧と日本の大学が中世・近代・現代に亘って辿ってきた道を振返る。思ったよりも読み応えがあって、大学の歴史と役割が良くまとまっている。大学とはメディアである、という主張は賛成できる。 #book
- 支倉凍砂『狼と香辛料XVII Epilogue』 タイトル通り、本編後のエピソードと思い出話。主人公二人の甘々な関係は変わらず。しかし、この長い話を最後の巻まで付き合ってこれたのは、登場人物達の幸せが悲しみと不幸を土台にして成り立っているからだろう。 #book
- ラピュタ阿佐ヶ谷『アドルフの食卓 ヒトラー・ソクーロフ・モレク神』 ソクーロフ監督の映画「モレク神」のメイキング資料と解説。内容は、細かい技術的なことまで書いてあって参考になる。解説も、抽象的になり過ぎないで分かり易い。巻末にある、小説形式になった文学台本が面白い。 #book
- 大谷能生「貧しい音楽」 96~07年の評論と対談。初期の頃の文章は少し硬いが言いたい事は分かる。内容は、音を規制から解き放って音そのものとして聴くこと、音響の特質、即興・実験音楽についてなど。大友良英氏や杉本拓氏の記譜が面白い。WrKは、すでに懐かしい感じがする。 #book
- 想田和弘『精神のモザイク』 主に、「精神」のメイキングと出演者などとの対談。微妙で、ある意味タブーと言えるテーマを撮影する監督の迷いと決意がリアルに伝わる。それにしても、心の病には信頼が必要だというが、現代ではそれがいかに難しいかということが分かって考えさせられる。 #book
- 想田和弘『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』 観察映画の提唱者である監督自身が、自作「選挙」、「精神」や「Peace」の制作過程や、そこに至る経緯などを解説する。その理論・方法には共感する所が多い。と言うよりも、ドキュメンタリーとして当たり前のやり方だと思える。 #book
- 有川浩「県庁おもてなし課」 高知の観光プロジェクトのために、奮闘するおもてなし課所属の主人公とまわりの人々の人間ドラマ。作者得意のもどかしい恋愛描写と、人情の機微を描くうまさで読ませる。アイデアと設定の面白さを、上手に料理している。いつもの様にツンデレキャラは健在。 #book
- 藤井讓治『天皇の歴史05 天皇と天下人』 領地や権威を守ろうとする天皇・公家方と、自らの権力の裏付けのために天皇を利用し、あわよくば支配しようとする信長・秀吉・家康などの武家方。両者の鬩ぎ合いで歴史が進んでゆく。正親町天皇(106)から、後水尾天皇(108)の時代。 #book
- 江森丈晃『HOME MADE MUSIC』 作りたいから作るというD.I.Y.精神。それによって曲やメディアを制作・販売しているミュージシャン・デザイナー・レコード店へのインタビューと簡単な歴史、HOWTOやディスクガイド。インディーズの基本に戻ろうという趣旨の本。 #book
- 田川建三『批判的主体の形成[増補改訂版]』 70年頃執筆された、キリスト教と学生運動に関する評論の、現代に合わせた改訂版。著者が若い頃の文章なので、勢いと批判の鋭さはハンパ無い。論理の進め方とツッコミの容赦無さもすでに出ている。キリスト教関係の著者作中で一番面白い。 #book
- ウンベルト・エーコ、ジャン=クロード・カリエール『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』 有名作家二人の、本についての蘊蓄と経験を語った対談。紙の本に対する愛情を吐露している。電子本についての話は少しだけ。両人ともハンパ無く博識なので幅広い話を読む事ができる。 #book
- 野村美月『“文学少女”と恋する挿話集』 主人公とその周囲の人々、彼等の過去と現在の物語。解決の付かない悲しみや苦しさをいかに受け入れるか。絶望や諦めでは無く、希望を持った未来を持つことは可能なのか。このテーマがあったからこそ、これだけ長くシリーズが続いたのだろう。 #book
- 河内祥輔、新田一郎『天皇の歴史04 天皇と中世の武家』 「正統」(しょうとう)を保つ事を目的としていた朝廷、それに絡む貴族・武家間の戦いと持たれ合い。南北朝時代から、武士達は天皇を担ぐことで自らの正統性の証とする様になる。そうして衰退しつつあった天皇制が生き延びる。 #book
- 『大野一雄と土方巽の60年代』 59年「老人と海」、「禁色」から「バラ色ダンス」迄の写真と、関係者インタビューや解説の載ったパンフレット。土方巽の文章は相変わらず難解だが、大野慶人の回想と説明はとてもわかりやすい。巻頭のウィリアム・クラインの写真は面白い。 #book
- 谷川流『涼宮ハルヒの驚愕 前・後』 前作から四年経っての続編。二つの時間の流れがどう収束するのか?今までとキャラも、ストーリーのテンポも変わっていない印象。日常の中の異世界という世界観も同じだが、正直SF部分はそれ程魅力がない。主人公の語りがチョットくどいかも。 #book
- 城平京「虚構推理 鋼人七瀬」 鉄骨を振るう、巨乳の怪物と闘う主人公コンビ。虚構に対して、虚構で勝負を挑んでゆく。キャラの造形や語り口が西尾維新を思わせるが、より親しみ易くなっている。素材の組み合わせ方が上手くて面白いので、このレベルを保ってシリーズ化して欲しい。 #book
- レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース『シェア』 コラボ消費というキーワードを使って、コモンズ(共有資源)の復活と尊重、そして生活とビジネスを変える道筋を考察する。近代の個人所有を乗り越えて、昔から言われている資本主義の行き詰まりをネットの力で乗り越えられるか? #book
- 長山靖生『懐かしい未来』 戦前の空想科学小説を、テーマ別に実作と共に解説する。今から見れば、無理な設定と唐突な展開の作品が多い。しかし、希望と絶望のどちらにせよ未来に何かを求めるエネルギーが現在より大きい気がする。そこが、これらの作品の魅力になっている。 #book
- 佐々木恵介『天皇の歴史03 天皇と摂政・関白』 仁明天皇から後冷泉天皇まで。天皇の、臣下・仏・神への対応の変化が叙述される。平安時代の摂関政治の時代、太政官・蔵人所などによるシステムが整い、天皇はカリスマではなく、神器を継承してゆく存在になってゆく。 #book
- 小山田浩子『いこぼれのむし』 ある会社の日常風景。登場人物達の心の中が数珠繋ぎのように描写される。エゴと無理解に支配された心はバラバラのままで終る。冒頭で描かれている、虫を噛んだ時の気持ち悪い触感が全体を支配している。「新潮」2011/5、新潮新人賞受賞後第一作。 #book
- 西村賢太『寒灯』 どこにでもいる男女の擦れ違い。性格に問題のある主人公の男は、孤独になるように定められている。文章は読み易いし、テーマも古典的で分かり易い。昔の白黒日本映画を観ている気分になる。「新潮」2011/5、芥川賞受賞後第一作。 #book
- 大津透「神話と歴史 天皇の歴史01」 神話の時代から、天武天皇まで。天皇の正統性の根拠、対外政策が大きな影響を与えたことの解説や、天皇号や日本という国名の成立事情、大和朝廷の起源など、古代史の基本知識を知ることができる。白村江の戦いなど、有名な事件の記述は少ない。 #book
- ジョン・ダニング『愛書家の死』 本好きな元警察官が主人公のミステリー5作目。今回は、20年前に死んだ愛書家の女性を巡る謎を、競馬を絡めて解いてゆく。本に関する蘊蓄は少なめ。地味に見える展開なのに読ませるのは、出てくるキャラの個性がちゃんと描かれているからだろう。 #book
- 吉川真司「聖武天皇と仏都平城京 天皇の歴史02」 天智天皇から仁明天皇まで。都としての平城京。天武ー聖武系から、天智ー桓武系へと変わってゆく皇統と、それに伴う政争。疫病や天変地異によって大きな人口変動のあったこの時代、仏教が貴人・庶民の心の支えだったのが分かる。 #book
- 支倉凍砂『狼と香辛料XVI 太陽の金貨(下)』 ついに最終巻。様々な心理戦の末、絶望的になった状況をどうする?このまま逃げるのかロレンス⁈ラストの地味な展開はこの作品らしくて良い。物語は、主人公達の進む道を示して終わるが、例によってエピソード巻が出るらしいので期待。 #book
- 田中ロミオ『人類は衰退しました 6』 今回は、飛行機と腐女子ネタの二話構成。ページ数も少なめだが、内容も少し薄いような気が…。個人的には妖精さんの活躍がもっと見たい。アニメ化の話題が一部で沸騰中のようだが、この作品中のイメージを具体化するのはかなり難しそうだ。 #book
- 幸田露伴『ねじくり博士』 『日本SF精神史』で紹介されていた露伴のSF風作品。少しマッドサイエンティストっぽい博士が、取材に来た記者に向かって宇宙は螺旋で出来ていると熱弁をふるう話。まだ、純文学や大衆文学がハッキリ分かれていない時代に、面白い作品が埋もれている。 #book
- 長山靖生『日本SF精神史』 幕末から戦後までのSF文学の歴史を辿る。科学小説として始まったものが、SFになって日本でジャンルとして定着するまでが描かれるが、もっと詳しい説明が読みたくなる。安部公房の作品が正統的なSFだというのは賛成。 #book
- 内田魯庵『灰燼十万巻(丸善炎上の記)』 『本の文化史』に紹介されていたので、読んでみた。1911年の丸善全焼直後の様子を作者が綴った作品。焼けてしまった貴重な文献を惜しむとともに、ありふれた本でも、文化と人間に影響を与えるのだと説く。この頃、丸善が文化の中心だった。 #book
- 庄司浅水『本の文化史』 本の歴史、火・水・虫などの本の敵についてと、愛書家をモチーフにした海外小説の翻訳など、本にまつわる様々なネタについて書かれた本。ジョージ・ギッシング『クリストファソン』が悲しいまでに収集家の業を描いていて、他人事とは思えない。 #book
- アラン・リクト『サウンドアート』 サウンドアート界の現在がわかる本。この分野について、これだけまとまった日本語の本は無いと思う。載っているアーティストの半分以上はCDなどで音を聞いたことがあるが、この本で初めて知った人も多い。サウンドアート入門としても使える。 #book
- 石原千秋『読者はどこにいるのか』 読書とは、どの様な行為なのか。その想像以上に高度な営みを分析する。日本で近代小説の読者が誕生したのは明治40年前後。小説を読む事が中産階級を成立させ「内面の共同体」を作る。著者によると、文学はまだ死んではいないそうだ。 #book
- ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト『モールス 上』 映画「ぼくのエリ 200歳の少女」の原作。ストーリーは、大体同じ。心情描写があるし、過去の出来事が説明してあるので映画を補完できる。映画の出来が良かったので、どうしても比べてしまうが、小説として普通に面白い。 #book
- 『群像 電子書籍プレ創刊号』 十年ぶり位で文芸雑誌を読んだが、思ったより面白かった。普段、読まない作者の作品が読めるのが雑誌の良いところ。というか、雑誌は大判のグラビアなど、大きさや形が効いてくるものを除いて、紙より電子書籍の方が読み易いのではないか? #book
- 世良利和『夏よ、止まれ』 岡山在住の作者による短編集。いづれも地方の三十前後の登場人物による恋愛物語。何も無い地方の感じが良く表現できているが、ちょっと文章が説明的すぎかもしれない。ただ、この本は地方出版社刊行で、Amazonにも無いので手に入り難い。 #book
- 荻原魚雷『古本暮らし』 読書と生活に関するエッセイ。取り上げている本は、相変わらず渋いラインナップ。こういうユルイ話は好きなので、つい読んでしまう。でも、作者は家事も良くやるし、かなり几帳面だ。モノを買ったら、その分捨てるのは自分にできないことなので尊敬する。 #book
- 紅野謙介『書物の近代』 主に、明治期から第二次大戦までの人と、モノとしての書物の関わりについての解説。江戸時代の非線形の読みから、明治時代の線形の読みへ。しかし、江戸のセンスは装丁や文章に残される。齋藤緑雨の装丁や、紅葉の『金色夜叉』は素晴らしいデザイン。 #book
コミック
- 諫山創『進撃の巨人6』 女巨人に追いかけられる主人公を含む調査兵団達。仲間が次々に犠牲になる中で、団員との信頼が試される。なんだか、絵が少し上手くなって来た様な気がするが、巨人の不気味さをキープして欲しい。謎の解答は絞られて来た。どこまで引っ張るのだろうか。 #comics
- 小玉ユキ『坂道のアポロン8』 学園祭のために練習をする主人公達。ところが、楽しく終わるかに見えた学園祭の日に悲劇が起こる。大切なものを失った事にショックを受ける主人公。大きな曲がり角を迎えた物語が、どうなるのか。どの様に試練を乗り越えてゆくのか期待。 #comics
- 森繁拓真『となりの関くん 2』 相変わらず、授業中遊び続けるとなりの男の子。主人公の想像力がこのマンガの原動力。新しいキャラの女子が加わっても関係無く遊びは続く。主人公の二人の関係は、友達みたいなものだろうが、このまま恋愛関係は無しで遊び続けて欲しい。 #comics
- 竹谷州史「まっしろけ1~3」 常に真っ直ぐな明るい少年と天才少女が様々な人々に出会う話。最初の、極悪人とのカラミは面白かったし、設定やキャラには好感が持てるが、今一歩で傑作になり損ねた感じ。主人公の人格が最初から完成されているので、成長するのを見る楽しみが無い。 #comics
- こざき亜衣『あさひなぐ3』 体育祭後、薙刀部は寺で夏合宿。そこには鬼コーチが居て地獄の特訓開始。絵に描いたようなスポ根モノ定番の展開。主人公の頑張りが地味に他の部員を引っ張ってゆくのも定番中の定番。スポ根マンガの見本みたいな作品だが、絵が上手いから説得力がある。 #comics
- 青山景『SWWEEET 1~2』 幼馴染で中学生の少年・少女が過去と向き合い、自分を取り戻してゆくドロドロな青春ストーリー。作者が本領発揮した感じのイタイ話だが、原作付きよりも生き生きしている。センスは感じるが、初期の作品なので絵や構成はイマイチのところあり。 #comics
- 青山景『チャイナガール』 エリート会社員だが恋愛に不器用なの青年が、30億分の1の女性を見つけてアタックする恋愛コメディ。原作付きなので、この作者の他作品と違って軽いノリの明るい作品になっている。ヒロインはカワイイが、もう少しキャラが立っていれば良かった。 #comics
- 玉川重機『草子ブックガイド』 内気で読書だけが生き甲斐の女の子が、読書を通じて少しづつ周りの人々と繋がってゆく話。とにかく、主人公の読書感想が秀逸。紹介された本を既読・未読に拘らず全部読みたくなる。独特の、徹底的に書き込まれた絵も良い。変な顔の猫がカワイイ。 #comics
- 大島弓子『グーグーだって猫である6』 最後まで猫の世話に明け暮れる、作者のエッセイマンガ最終巻。野良猫の捕獲、避妊、ケンカ仲裁、里親探し、餌やり、シモの世話、病院通い、臨終を看取って葬式。毎日の忙しさは大変なモノだろうが、作者は猫との日々を幸福に過ごしている。 #comics
- 片山ユキヲ『花もて語れ3』 いよいよ、ハナと満里子の朗読会の初舞台。緊張と不安の二人の本番はどうなる?音の出ない漫画で、読者に声を聞かせる工夫が見所。それと、相変わらず作品の解釈に感動する。作品はとても面白いが、自分の解釈力の無さが分かってしまって落ち込む。 #comics
- 青山景『よいこの黙示録1』 ある児童が小学校に宗教を作ろうとする。その騒動に巻き込まれる女新任教師。絵はカワイイが、内容はチョッピリ不気味で深刻。この作品世界の不安定性、それは作者の心の不安的さでもある。未完である事が確定しているのは、本当に残念だ。 #comics
- 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前」 人生の目的を見失ったり、生きる目的を探している人々や、生活の一コマを描いた短編集。ギャグっぽい作品もあって、バラエティー は豊か。だが、底に流れているモノは同じ。作者の迷っている感じに同意できるかどうかが、評価の分かれ道か。 #comics
- 浅野いにお「うみべの女の子 1」 トラウマを抱えたハンパに頭のイイ中学生男子と、心と身体がバラバラで、自分の事が分かっていない女子が交流する話。チグハグでイタい青春の物語。エロいシーンを除けば、カワイイ恋物語に見えなくもない。ヒロインの微妙な田舎臭さが良い。 #comics
- 青山景「ストロボライト」 主人公の恋の思い出話を、過去・現在・映画のシーンという三つの場面を交錯させながら物語ってゆく。複雑な構成だが、決して難解では無い。テーマはシンプル。女の子がカワイイ。センスも良い。惜しい才能を失くしたと思う。作者のご冥福をお祈りします。 #comics
- 椎名軽穂『君に届け 14』 嬉し恥ずかし、修学旅行。タガの外れそうになる主人公の彼氏と、恋愛関係が上手くいかない友人達。焦ったさは増すばかりだか、基本的に群像劇なので全員が幸せになるまで終わらないのか?最近、友情成分が少ないので、もう一度感動できる友達話が欲しい。 #comic
- 小玉ユキ『坂道のアポロン1~7』 日本の60年代、ジャズをモチーフにして少年少女の恋と友情をめぐる葛藤を描く。昔の少女マンガのフォーマットを踏襲しているが、登場人物の殆どが純情な良い奴ばかりなので、気持ち良く物語が進んで行く。すれ違いや誤解以外の事件は起こらない。 #comic
- 紺野あずれ『こえでおしごと!6』 主人公の軽い恋話と、文花の声優仕事話がメイン。あまりエロい話は無し。ネタの新鮮さが少なくなって来たので、そろそろ新しい展開が欲しいところ。 #comic
- 榎屋克優『ミッドナイト・ウォーク』 『日々ロック』の作者の短編集。カッコ悪くても頑張ったり、生きる目標を探していたり、解り合える日を待っていたりする登場人物達の物語。熱くて鬱陶しくて、愛しいキャラ達。好き嫌いの別れる絵とストーリーだが、好きな人は凄く好きになれる。 #comic
- こざき亜衣『あさひなぐ2』 ライバル校との練習試合。試合初参加の一年生三人組の活躍は?主人公は、筋肉もつき技も練習して少しずつ前に進んでいる。敵役を始め、脇役達もちゃんと感情移入できる様に描写されているし、今のところ、順調にストーリーが進んでいるので次巻が楽しみ。 #comic
- 吉田秋生『海街diary4 帰れないふたり』 すずと風太の仲が急接近。今巻は、わりとこの二人が話の中心。だが、作者が各登場人物に注ぐ愛情は変わっていないので、他の人物描写も細かくて丁寧。特にスポーツ店の店長がカッコ良いキャラになってる。読後の印象はやっぱり爽やか。 #comic
- 押見修造『スイートプールサイド』 毛深いのが悩みの女子中学生と、ツルツル肌がコンプレックスの男子中学性の話。この作者らしく、剃毛絡みの変態チックなストーリー。でも実はとても純真でプラトニックなラブコメ。数年前の作品なので、絵は今よりもアレだが、内容には合っている。 #comic
- 押見修造『惡の華4』 仲村さんからの信頼を取り戻そうと、自分から契約を持ちかける主人公。そして、変態行為は更にエスカレートしてゆくが、変態への道は辛く険しい。今巻、佐伯さんの活躍はあまり無し。仲村さんの部屋の障子が所々蹴破られているのが、彼女らしくて微笑ましい。 #comic
- 諫山創『進撃の巨人5』 裁判の末に調査兵団に入団し、仲間と共に壁の外へと出て行く主人公。相変わらず絵がアレだが、登場キャラ達の緊張感・恐怖心が良く伝わってくるし、ストーリーも面白い。巨人の秘密をいつ頃、どうやって知るかで、結果的に傑作になるかどうか決まると思う。 #comic
- タイム涼介『アベックパンチ』 架空の格闘技アベックで闘う男女の青春を描いた話。格闘物に見えて、実際は純真な若者の純愛物語。何と言っても、手を繋いで闘うというアイデアが秀逸。この作者、絵は別としてセンスが良い。"驚くべきことに、すべてはこれからだ" アラン・オルモー #comic
- 緑川ゆき『夏目友人帳 12』 ある理由で妖(あやかし)に付き纏われる少年の話。JOJO広重氏の推薦なので読んでみたが、第一話は確かにツボをつく話で泣ける。他の話は、チョットイイ話。アニメは観たことあるので、設定は知っていたが原作も結構面白い。アニメ三期始まるのか。 #comic
- 榎屋克優『日々ロック 2』 前巻と変わらず、暑苦しくも、しつこくロック道を邁進する主人公。マトモなヒロインも登場し、ライバルとのバトルも有りで、ストーリー構成が随分すっきりしてきた。画の腺が綺麗になってきたが、パワーはまだ衰えていない。このまま突っ走って欲しい。 #comic
- 羽海野チカ『スピカ』 00~04頃作の短編集。心の傷ついた人々(一部動物)を描くのが上手いのはこの頃から同じ。表題作の、野球少年とバレエ少女の恋物語も良いが、カワイイお婆ちゃんの話はツボを突かれた。しかし、この作者BLも描けるのか? #comic
- 羽海野チカ『3月のライオン 6』 大切な人のイジメ問題に対処するために張り切る主人公。 まわりの人間の苦しみ・悲しみを引き受ける事で、やっと主人公が成長する道筋が見えてきた。作者が、どの様な到達点を見せるか期待。ところで、おねいちゃんの体重は今のままで良いと思う。 #comic
- 森繁拓真『となりの関くん 1』 一話完結で、女子の隣の男子がひたすら授業中に遊んでいるだけのマンガ。ドミノ倒し、将棋、囲碁…と書くと普通だが、その遊び方はフツウじゃ無い。アイデア勝負のマンガなので、どこまで続くのか?肩のこらないマッタリしたものが読みたい人向け。 #comic
- 森薫『乙嫁語り3』 旅先で美貌の未亡人と恋に落ち結婚しそうになる、という男なら一度はやってみたいロマン溢れる話。今巻はスミス君の恋話で終わったが、作者が執念で調べている生活のディテール描写が相変わらず素晴らしい。特に、食事シーン。後、気になるのはパリアのお相手。 #comic
- 三原順「Die Energie 5.2☆11.8」 テログループに奪われた、低濃縮ウランをめぐるサスペンス。この作品が、30年前に少女マンガ雑誌に発表されていたことに驚かざるを得ない。原発問題の本質を、此処まで描いている作品は少ないだろう。『三原順傑作選'80s』 #comic
- 片山ユキヲ『花もて語れ1~2』 朗読をモチーフにした、一種のスポコンマンガ。一見ダメな子がその特異な才能を伸ばしてゆくという正統派の話だが、素材の選び方が良くてストーリーの進め方も達者で感動出来る。最近、こういうマイナー分野のマンガは面白いのが多い気がする。 #comic
- こざき亜衣『あさひなぐ1』 薙刀で、アメリカンドリームを目指す女子高生の話。ちばあきお『キャプテン』タイプの正統派スポコンマンガ。作者は、構成も絵も上手いので安心して物語に没頭出来る。悩みながらも、とにかく頑張る主人公には何時の時代もやっぱり惹かれてしまう。 #comic
- 河合克敏『とめはねっ! 7~8』 かな書対決から、新入部員が入ってくるまでの話。例によって、軽い恋の鞘当てを含みながら書道修行は進む。かな書の蘊蓄は、知らないことが多くて面白い。新キャラで、前衛書をやっている島さんには活躍して欲しいものだ。 #comic
- 堀尾省太『刻刻4』 止界の秘密が徐々に明かされる。敵方の意図もわかってきてクライマックスが近いことを感じさせる。この作品は、アイデアがとても面白いので結末もスッキリとして欲しい。ところで、親父の殺意には吃驚した。やっぱり、この家族は普通に見えて普通じゃない。 #comic
- 吉野朔実『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』 書評マンガ第二弾。でも、やっぱり書評というよりは本に関するエッセイと言った方が正確かも。装幀の話が出ているが、この本も装幀の良さで買う気になった。作者の本に対する態度も共感できる。"読み切った自慢"が面白い。 #comic
- 吉野朔実『お父さんは時代小説(チャンバラ)が大好き』 『月下の一群』、『少年は荒野をめざす』の作者による書評マンガ第一弾。薄い本だが内容は結構濃い。それと、本の紹介の部分よりは、作者を含めた本を読む人達の態度・意見が面白い。ロールシャッハ・テストのカード欲しい。 #comic
- 吉田秋生『海街diary3 陽のあたる坂道』 表面だけでは分からない、人の心の中、本当の姿が明らかになってゆく。各キャラに奥行きがついて、物語への魅力がさらに増してきた。幸の仁王立ちと、風太の観察力カッコ良い。それと、アライさんの存在感がハンパ無い件について。 #comic
- 吉田秋生『海街diary2 真昼の月』 様々な人達の、挫折や苦悩、希望が交錯しながら日常生活が続いてゆく。この作者の心理描写のうまさには磨きがかかっている。登場するキャラに悪人がほとんど居無いのは、全ての人間は弱い存在なのだという作者の主張なのではないだろうか。 #comic
- 吉田秋生『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』 複雑な家庭事情を抱えた四姉妹の日常。と書くと暗い話みたいだが、読後感はとても爽やか。各キャラが魅力的で、前向きに生きているからだろう。それと、人間の弱さを許す寛容さが全編を覆っている。それが作品に深みを与えている。 #comic
- 諫山創『進撃の巨人4』 穴を塞いで巨人の侵入を止めようとする主人公達と、彼等の過去話。ストーリーは、ベタな所もあるが面白い。この作者の絵は、巨人の不気味さ、登場人物達が感じている恐怖感を上手く表現出来ている。それが、物語に緊張感を与えているのだろう。 #comic
- TAGRO『変ゼミ5』 相変わらず、変態ネタのオンパレードだが、何か人間心理のカタログみたいになってきた。主人公が誰か、もう分からない。破壊担当の新しいキャラも登場。そう言えば、TVアニメ始まっている。 #comic
- 堀尾省太『刻刻1~3』 謎の怪物が出現する、時間の止まった世界で、ある家族と宗教団体の攻防が続く。この作品も、設定とストーリーの面白さで読ませる。そして、中途半端な能力しか持たない登場人物達が、リアリティと緊張感を保たせている。特に、チンピラのキャラが良い。 #comic
- 村上たかし「続★星守る犬」 前巻で、主人公だった犬のハッピーに関係ある人々の物語。雑誌掲載時には酷いやつに思えた少年だったが、単行本で読み返すと、彼の行為に必然性を感じる。人も、犬も、ただひたすら幸せを求めているだけ。相変わらず、泣けるマンガNo.1。 #comic
- ひぐちアサ『おおきく振りかぶって16』 今巻は、主に武蔵野と春日部の試合。勝負の駆け引きは相変わらず面白いが、この作品で興味深いのは練習風景だ。合理的に楽しく意欲を持って目的を遂げる方法論が分かりやすく説かれている。やはり、ビジネス書としても最適かもしれない。 #comic
- 諫山創『進撃の巨人1~3』 謎の巨人と人間との戦い。絵はちょっとアレだが、設定、ストーリー共にとても面白い。ただ、311の後だと巨人の襲撃が災害の隠喩に見えてしょうが無い。やっと、萌えでは無く、物語を求められる時代が来つつあるのだろうか? #comic
- 椎名軽穂『君に届け 13』 風早君の家族にも会って、ラブラブ度の高まる2人に修学旅行イベントが始まる。この世界には地震も津波も原発も無い。何の危険も無い日常世界。今や、あらゆるファンタジーより、よほど別世界に感じてしまう。 #comic
- 朝倉世界一「デボネア・ドライブ1〜3」訳有り男女が青森を目指すロードコミック。読む前はこの絵で大丈夫かと思ったが、ラストシーンでは感動していた。このセンスとテンポ、ツボを押さえたストーリーは独特なようだが、実は王道。作者は20年以上やっているベテランと知って納得。 #comic
- 沙村広明「おひっこし」 三角関係ラブコメと、ある女の半生を描いたギャグの2本立て。この絵柄でコメディーやると、微妙なおかしさが醸し出されて面白い。「無限の住人」より、こっちの方が好きかもしれない。 #comic
- 水沢悦子『花のズボラ飯』 怠惰だけど、基本幸せな三十路主婦のB級グルメ生活。なぜか、絵のタッチが『マコちゃん絵日記』とそっくりだが、気のせいだろう。原作者の久住氏が私と同世代なので、センスは理解できる。親父っぽい、くだらないダジャレがステキだ。食事ってエロいよね。 #comic
- うさくん『マコちゃん絵日記1~3』 良い人の多い、幸せな街に住む小学生の生活ギャグマンガ。ベタな展開、古典的なボケとツッコミ。だが、そこが良い。この作者はキャラを魅力的に描けるので、読後感が悪く無い。わたわた人形、チョットカワイイと思ってしまう自分は少数派? #comic
- 押見修造『惡の華3』 嬉し、恥ずかし、ドロドロ青春彷徨劇場3巻。向こう側に行くか、こちら側に留まるか、決めることができないヘタレな主人公。佐伯さんも立派な変態へ一直線。仲村さんもこのまま突っ走って欲しい。さて、ドン詰まりな主人公の明日はどっちだ!? #comic
- 押見修造『惡の華2』 どんどんエスカレートする仲村さんの要求に、ココロの皮を剥がされてゆく主人公。1,2巻表紙のインパクトは、ここ数年で一番。最近、ラノべでSな少女が多いが、罵られてみたいキャラNo.1は仲村さんだろう。この巻ラストで青春が爆発している。 #comic
- 押見修造『惡の華1』 弱みを握られた自意識過剰な主人公が、少女から理不尽な扱いを受ける話。少年マンガだから直接的な描写は無いにも拘らず、非常にエロい。この作品は、面白さの多くをヒロインの魅力に負っていると思う。特に、仲村サンのドSぶりと、笑顔が素晴らしい。 #comic
- 安部真弘『侵略イカ娘1~8』 アニメが面白かったので読んでみた。雰囲気は同じだが、アニメは原作を更に面白くなるように膨らませて、テンポ良くしてあるのが分かる。でも、この原作も普通に面白い。ただ、アニメになっていなければ読まなかったかも。 #comic
- 紺野 あずれ『こえでおしごと5』 何かどんどん過激な方向に進んでいるが、純愛ラブコメ路線も忘れないで欲しい。しかし、実際の行為さえ無ければ東京都でも大丈夫なのか? #comic
音楽
- 森威功、宮本朝子、渡辺愛、大谷安宏、水野みか子「たいせつな人と聴く電子音響音楽」 フルート、ピアノ、ギター、パフォーマンスと電子音による演奏。クリスマスらしく寛いだ雰囲気。フォルマント兄弟の、アコーディオンでコントロールされた音声による「清しこの夜」が面白かった。 #music
- 松平頼曉「松平頼曉ー80歳の肖像」 ピアノ曲を中心に、チューバ、コントラバス、声、電子音の曲を含む演奏会。システマチックな作曲方法にも拘らず、ピアノ曲が思ったよりもグループを感じさせて良い。フルクサスみたいな曲もあって、予想以上に楽しめた。現音系はライブが面白い。 #music
- ブリュンヒルド・フェラーリ「Tranquilles Impatiences じりじりした静寂」 低いパルス音の上を、高くて震える音が這い回る。フェラーリの曲のテープを使用した、フェラーリ夫人作曲による曲。落合Soupにてスピーカーによる演奏。20分25秒10年作。 #music
- アサヒ・アートスクエア「音楽の複数次元2011バーマン、一柳、ルシエ、テニー」 ケージ直系作曲家の国内未演奏曲を多く含む演奏会。コンセプチュアルな曲ばかりだか、意外に音が面白い。特に、バーマン「ウェーヴ・トレイン」が四方から押し寄せるノイズに圧倒されて良かった。 #music
- 湯浅学、樋口泰人「アナログばか一代 番外編:ヴィム・ヴェンダースのサントラから」 ヴェンダースに関係のある曲をアナログ盤で聴く。キンクスからボブ・ディランなど、主に60年代前後の音。特に、この時代のモノラル盤を大音量で聴くと太くて迫力があって聴き応えがあった。 #music
- 京都芸術センター「黛敏郎の電子音楽全曲上演会」 JCMRによる、年代順の電子音、コンクレート作品の5時間にわたる演奏会。こんな機会は二度と無いだろう。最後の生演奏の曲も予想外に良い出来。総じて、音も良く充実していた。最高の企画だったので他の作曲家でもやって欲しい。 #music
- 絵空箱「実験音楽とシアターのためのアンサンブル」 足立智美と、そのワークショップの生徒(?)達によるFLUXAS的でコンセプチュアルな曲の演奏(パフォーマンス)。Brecht、MaciunusやGysinなど、普段生演奏を観る機会の少ない作品ばかりなので貴重。 #music
- 渋谷セブンスフロア「保刈あかね」 ピアノとパーカッションをバックにしたライブ。他のシンガーもテクニックがあって上手い人が多いのだが、歌声でココロが包まれるだけで中にまで入ってこない。彼女の声には芯のある強さがあって、聴く人のココロの奥まで入ってくる。 #music
- 恵比寿BATICA 「保刈あかね」 力強い声を持った女性シンガーの弾き語りライブ。とにかくパワーがあるので、自然に引き込まれてしまう。こういう才能あるミュージシャンを知ることができて幸せ。もっと聴いてみたいが、持ち歌少ない?それと、バック演奏付公演も聴いてみたい。 #music
- 渋谷CYCLONE「林邦男」 独特の音楽性を持った、3人組ガールズバンドのライブ。ラウドさと、繊細さが交互に現れる音世界は面白い。メンバー全員小柄なのにパワーがある。ツアーの疲れなのか、コンディションが少し良くなかったのが残念だが、将来性を感じる。 #music
- 渋谷WWW「PhewX高橋悠治」 高橋悠治の達者で安定感のある演奏に、Phewの声は予想以上にマッチしていた。独逸語の歌もカッコ良い。楽譜でPhewの顔が隠れ気味だったのが残念。前座のSachiko Mが思っていたより面白く聴けたのもあって、充実したライブだった。 #music
- Michael Rother「Flammende Herzen」 ファースト・ソロ。穏やかなNEUという感じの気持ち良い音。哀愁を帯びた軽い音なので、何も考えないでボンヤリしたい時聴くのに向いているかもしれない。そう言えば、この人ももう還暦なんだな。77年作。 #music
- Michael Rother「Fernwärme」 ソロ三枚目。82年作。ギター主体のインスト物。NEU直系のハンマービート、聴きやすいフレーズ、全体的にはアンビエント。二十年ぶり位に聴いたが、ここにある音を聴くと、まだ見ぬ故郷に帰った時の様に心が落ち着く。 #music
- Cabaret Voltaire「Red Mecca」 三枚目のアルバム。英インディーチャートで81年にNo.1。当時は、アバンギャルドだと思っていた。元々地味なのに、更に地味になってきている。繰り返すが、今聴くとやっぱりショボい。でも、何故か時々聴きたくなる。 #music
- SUICIDE「S/T」 ファーストアルバムと、CBGBでの77年ライブ付き2枚組。Alan VegaとMartin Revの二人組によって演奏される、リズムマシン、キーボードとボーカルのシンプルな演奏。だが、いま聴いても緊張感があって聴き飽きない。 #music
- 武満徹「音声劇 瘋癲老人日記」 主人公を演っている谷崎潤一郎の声が良い。結構張り切って演っている。はっきり言って棒読みだが、それがこの作品に合っているし、何故か妙な色気がある。音楽は少な目。このCD目当てで、十年ぶり位に紙の文芸誌を買った。「新潮」2011/5 #music
- Terry Riley & Michael mcClure「I Like Your Eyes Liberty」 ビート派の重要人物で、ジム・モリソンとも親しかった詩人とのデュオ。詩の朗読がひたすら淡々と続き、バックに様々な楽器音が静かに流れてゆく。2004年作。 #music
- Terry Riley「Persian Surgery Dervishes」 71年ロサンジェルス、72年パリでのライヴの2枚組CD。オルガンとフィードバックのみの演奏なので、これこそライリーと言えるミニマルサウンド。聞き続けると、延々と続く音に恍惚となる。 #music
- Terry Riley「OLSON 3」 1967年のライブ録音。学生の為の曲を依頼されて作曲したらしい。スウェーデンの高校生が、声と演奏で参加している。曲自体は、ミニマルなフレーズが繰り返されるライリー節。管弦楽器と学生たちの声が空間を覆い尽くしてゆく。 #music
- Terry Riley「Atlantis Nath」 プライベートレーベルから発表された、93〜98年の音源集。声を使ったドローンを始め、バラエティに富んだ内容。ジャズっぽいピアノを伴奏にライリーが唄っているのが面白い。ミニマル・ミュージックの巨匠が色々遊んでる。 #music
- Tony Conrad「Early Minimalism Volume One」 ブックレット付き4枚組CDボックスセット。オーバーダビングされた、バイオリンのドローンが延々と続く瞑想的な作品。変調されているのかどうか分からないが、バイオリンの音には聴こえない。 #music
- アサヒ・アートスクエア「ヴァリエーションズ VII」 ジョン・ケージの日本初演曲を、足立智美、有馬純寿、池田拓実、毛利悠子の各氏が演奏。音は完全にノイズ。だが、この混沌が快感に繋がる。難しい理屈無しで単純に楽しい。金魚さん達、お疲れ様でした。 #music #live #var7
- ITHACA「ITHACA」 70年代超マイナー英国フォークミュージック。どんなグループなのかは全く分からない。CDジャケのデザインはひどいが、中身はドリーミーで穏やかな演奏。特に、女性ボーカルがちょっとイナタくて良い感じ。気怠い休日の午後に合うだろう。 #music
- GENOCIDE ORGAN「Remember」 過去アナログ出ていたアナログ盤のCD再発。彼等の作品はどれもレアなので再発は良いことだが、このCDもレアになりつつある。中身は、ヒビ割れ腐食音に怒号の重なるパワエレらしい音。この頃が一番パワーがあって好きだ。 #music
- GENOCIDE ORGAN「LIVE IN JAPAN 2007」 自分は行けなかった二度目の来日公演のCD&DVD。彼等にしては、渋い感じの音。しかし、音は良いしパワーも充分ある。最初の来日時に感じた真面目さを此処でも感じる。 #music
- MANDARA BAND「THE EYE OF WENDOR」 このバンドの二作目。割と正統派のシンフォ・プログレ。初めて聴いたが、一作目より音楽的な出来はこっちの方が上だろう。地味だけど、安心して聴いていられる。でも、やっぱり前作の方が好きだ。 #music
展覧会
- ラフォーレミュージアム原宿「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」 シュヴァンクマイエル夫妻の、とことんシュールな世界の展示。覚めない悪夢としての映画や、心の奥に潜むモノを浮かび上がらせるための作品群。オブジェが思った以上に緻密に作ってあって感心した。 #exhibition
- 国立国際美術館「オン・ザ・ロード 森山大道写真展」 今までの歴史を辿る400点以上の大規模個展。有名な犬の写真など、傑作をオリジナルプリントでこれだけまとめて見る事ができるのは、やはり素晴らしい。図録は代表作を網羅してあるので決定版写真集になっている。 #exhibition
- 京都国立近代美術館「視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション」 バウハウスの活動が有名なモホイ=ナジの回顧展。アイデアの人だが、印刷・映像関係には今でも使えるヒント多数有り。カラー写真のセンスが現代的だし、ライト・スペース・モデュレータがカッコ良い。 #exhibition
- 森美術館「フレンチ・ウィンドウ展」 フランスの現代アートを展望する「マルセル・デュシャン賞」10周年記念展。展示作品は、デュシャン や5,60年代のアイデアを発展させたものが多い。無駄を削った作品が多い中で、スピノザカーの過剰な表現が心に残る。 #exhibition
- 東京都庭園美術館「森と芸術」 16世紀デューラーから、20世紀シュールレアリスムまで、平面・立体の美術作品と絵本なども含めた森をテーマにした展示。巖谷國士監修なので、作品選択のセンスは良い。森に囲まれた、この美術館にマッチしている。 #exhibition
- ラフォーレミュージアム原宿「ヘンリー・ダーガー展」 アウトサイダー・アートの代表格。狂気と残酷、でも無垢で純真。独自としか言い様の無い、孤独な作業。ある意味、最も理想的な表現方法かも知れない。「人は何故表現をするのか?」という質問の答えがここにある。 #exhibition
- 江戸東京博物館「五百羅漢 −増上寺秘蔵の仏画」 狩野一信が、十年の歳月をかけて完成させようとした五十対の仏画。画面から感じる、すごい迫力とパワー。彼の執念みたいなものを感じる。細部も面白い。弟子達の作品のショボさが、師匠の凄さを却って良く解らせてくれる。 #exhibition
- 東京国立近代美術館「生誕100年 岡本 太郎展」 戦後間も無い頃の作品は、特に何かを訴えてくるようなパワーがある。今回、改めて分かったのは作品の明るさや、繊細さ、構図のうまさなど。しかし、あれだけ大量の、目をモチーフにした作品に囲まれると異様な感じ。 #exhibition
- Bunkamura ザ・ミュージアム 「フェルメール 《地理学者》 と オランダ・フランドル絵画展」 シュテーデル 美術館所蔵作品展示。フェルメールも凄いが、フランドルの画家達の、宇宙をキャンバスの中に閉じ込めようとする詳細で執拗な描き込みに感動する。 #exhibition
- 国立新美術館「シュルレアリスム展」 シュルレアリスムの歴史を辿る展示。タンギーの透明感のある画面と、ダリの偏執狂的な描き込みなど、既知の作家の作品はやはり素晴らしいが、ルーマニア人作家ヴィクトル・ブルーネルなど、馴染みのなかった作家が面白い。 #exhibition
- ICC「みえないちから」 ものに宿った様々な精霊(エネルギー)を可視化する試み。志水児王「クライゼンフラスコ」の微細な美しさと、オープンスペースのクワクボリョウタ「10番目の感傷(点・線・面)」のシンプルなアイデアで郷愁を誘う作品が心に残った。 #exhibition
- 細見美術館「麗しき日本の美」 若冲を中心として池大雅、北斎など江戸絵画の展示。美術館が小さいので、作品数が少なめなのが物足りないが、若冲の本物を見ることが出来たので良かった。特に、鶏を描く時の筆のタッチはやっぱりカッコイイ。他の作品も小振りだが悪くない。 #exhibition
- 日比谷公園ダ・ヴィンチミュージアム「 ダ・ヴィンチ ~モナ・リザ25の秘密~」 美術関係の展覧会で、実物が一つも無いのはいかがなものか。 ダ・ヴィンチ自身のものでは無くとも、同時代の本物が少しでもあれば良かった。わざわざ会場まで行くほどでは無いかも。 #exhibition
- 三菱一号館美術館「カンディンスキーと青騎士展」改めてカンディンスキーの本物を鑑賞して、図録などでは絶対に再現できない色の鮮やかさを再認識した。青騎士の他のメンバーと比べても、彼の色のセンスは素晴らしい。有名な抽象作品だけでなく、初期の具象画の頃から色彩センスが良いのが分かった。 #exhibition
演劇
- 万有引力「鉛筆のフォークロア」 寺山修司風、千一夜物語からの三つの話。演出はいつも通り。ベテランは、流石に安定感がある。だが、若い劇団員のいかにも頑張っているという感じが浮いて見える。以前の、異世界からやって来た様な、怪しさを出すのはもう無理なのだろうか。 #theater
講座
- アダム・プタク「新しいセ・マ・フォル」 セ・マ・フォル代表プタク氏による講演。現在のセ・マ・フォルの目標や、アニメ制作だけでなく劇場・美術館・ワークショップなど様々な活動をしながら世界的な事業展開をしていることが分かった。アードマンを超えるか? #lecture #anime
- 神奈川県立近代美術館「啓かれた耳 伝統と現代」 佐藤聰明氏による、伝統音楽と現代音楽の関係についての講義。倍音に拘った自作品と、声明や琵琶などの音を聴く。伝統音楽は、宗教に根ざした内向きの音楽。県立機関活用講座「現代音楽の展開:1951 – 2011」第4回 #lecture
- 神奈川県立近代美術館「サウンドによるパフォーマンスとは?」 鈴木昭男氏による新聞紙を破るパフォーマンスと、アナラポスによる素晴らしい演奏。 その後、現在までの活動を面白いエピソードと共に解説。県立機関活用講座「現代音楽の展開:1951 – 2011」第3回 #lecture
- KEN「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド Part.3」 早くも3回目(最終回)。古典映像は、ピアノライブ演奏付きアニメーション。飯村氏のは、カメラで撮ることの意味を問う様な2作品。今回の企画は、面白くて、とても充実していたので、是非第二回目をやって欲しい。 #lecture
- KEN「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド Part.2」 映像史関係では、エジソンとボッター(ライブ演奏付き)。飯村氏の作品は、コンセプチュアルなビデオ作品。今回は、時間が押していて飯村氏の解説は少な目。ビデオはフィルムより自由がきくから使っているそうだ。 #lecture
- KEN「飯村隆彦クラシック&アバンギャルド」 映像史の重要作品と自作を解説付きで鑑賞。フィルムと映写機は飯村氏の個人蔵。本人からエピソードを聞けるのも貴重だが、昔のフィルムを16コマ/秒で観ることができるのが有難い。飯村氏の作品も大画面・大音量だと印象が違う。 #lecture
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