はじめに
なぜ数学をまなぶのか
みなさんは、CG で絵やアニメーションを作りたいと思って学校に入ったはずなのに、
「どうして数学を勉強する必要があるの?」と思っていませんか。
なぜ数学を学ぶ必要があるのでしょうか。
なぜなら、CG (コンピュータグラフィクス)の制作に数学の知識が直接・間接に役に立つからです。
最近は 2D・3D の CG ソフトの種類が増えて、
個人が CG を製作するのに充分な機能を持っています。
インターフェースも GUI (グラフィクス・ユーザー・インターフェース)によって、
マウスの操作だけでもある程度のものを作ることが可能になりました。
しかし、モデリングやアニメーションなどにおいて、
少しでも高度なことをやろうとするとプログラミングが必要になる場合があります。
(具体的にいうと Maya のエクスプレッションや MEL などです)
その時に数学の知識が必要になります。
それ以外にも、CG の原理を理解するときに必要です。
そして、数学の考え方はプログラミングや CG を制作する上でもそのまま活用することができます。
数学の考え方
数学の問題を考える場合には、以下のような考え方が必要です。
- 問題を分析する
大きくて複雑な問題は、小さくて簡単な問題に分割して考えます。
<CG の例>
CG で自動車を作るときには、全体を 1 つのものとして作るのではなく、
シャーシ・タイヤ・シート・ハンドルなどの各部品に別けて作り、
後でそれらを組み立てていきます。
- ものごとを抽象化する
問題を解くのに必要なものだけ取りだして、余計なことは考えないということです。
人間が同時に考えることのできる要素の数は非常に少数です。
現在必要な要素だけを取りだして、後は無視してしまえると問題を解くのが格段にやさしくなります。
<CG の例>
ヒトが歩くアニメーションを作るときは、
性別・体格・年令などはとりあえず考えないで、
2 本足の生物が歩くアニメーションを作っておいて、
後からキャラクター別の特長を加えていった方がうまくいきます。
- 論理的に考える
規則を守って、筋道を立てて考えてゆくことです。
A であれば B、かつ、B であれば C ならば、A のとき C になるということです。
<CG の例>
CG ソフトのメニューにはそれぞれ規則(機能)があって、
そのメニュー(規則)を組み合わせて目的のものを作ります。
例えば、◯ から □ という形を作りたいとき、
- ◯ から △ を作ることのできるメニュー
- △ から □ を作ることのできるメニュー
という 2 つのメニューがあれば 1. と 2. のメニューを組み合わせて、
目的の形を作ることができます。
コンピュータと数学
そもそも、コンピュータ自体が計算をするために作られた機械ですし、
0 と 1 というデジタルな数字で動作している機械なので数学と相性が良いのです。
CG 数学で学習すること
CG で使われている数学の範囲は非常に広いので、
ここでは Maya の MEL で必要なものに焦点をしぼって解説して行きます。
- 三角関数
往復運動や波を表す sin、 cos などの三角関数の原理と性質を解説します。
- ベクトル
CG の計算には必ず出てくる考え方で、位置や距離を計算するのによく利用されます。
- 物理シュミレーション
物理法則から物体のアニメーションを行う計算方法です。
参考
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