変数

MELにおける変数

MELの変数はC言語に似ている。
しかし、全てが同じわけではないので注意が必要である。

MELの変数には以下の特徴がある。

変数名の先頭にどんな場合も必ず$がつく。
変数名は英数字と_ ( アンダースコアー )で作る。
先頭の文字は英字。
大文字・小文字の区別あり。
型がある。
- int、floatはC言語と同じ。
- double、char、shortなどは無い。
- string、vector、matrixという独自の型がある。
変数宣言をすることもできるが、宣言無しでいきなり使うこともできる。
しかし、なるべく変数宣言をしておく方が安全である。
プロシージャーの途中で宣言することもできる。
配列あり。
$x[3]などのように使用する。
構造体は無し。
ポインターも無し。
外部変数とローカル変数の区別あり。
プロシージャの中で定義された変数はローカル変数。
外で定義された変数は外部変数。
変数を使った演算は+、-、*、/、+=、-=、*=、/=、++、--、%、()などC言語と同じものを使うことができる。
%はfloatでも使うことができる。
sin、cosなども使える。(#include <math.h>などは必要無し)
プロシージャーの引数にも使うことができる。
使い方はC言語と似ている。
下の例を参照のこと。

変数の例

半径を1づつ小さくしながら3個の球を接しながら並べるプロシージャーのMELスクリプト。
プロシージャーの引数(int $r)に最初の球の半径を与えて、2番目以降の球は半径が1づつ小さくなってゆく。

mel フォルダーへ移動しておく。
```
% cd mel
% pwd
Z://mel
```

make3Sphere.melというファイルをviを使って作る。
ファイルの内容は、以下のように書いておく。


global proc make3Sphere(int $r)
{
	int $m;

	sphere;
	scale $r $r $r;

	$r -= 1;
	sphere;
	scale $r $r $r;
	$m = 2 * $r + 1;
	move $m 0 0;

	$r -= 1;
	sphere;
	scale $r $r $r;
	$m += 2 * $r + 1;
	move $m 0 0;
}

Script Editorの File → Source Script によってmake3Sphere.melを読み込む。
Script Editorに make3Sphere(3);と打ち込んで実行する。
またはmake3Sphere 3 と打ち込んで実行する。
半径3、2、1の3個の球が作られる。

スクリプトの解説

global proc make3Sphere(int $r): intの引数($r)を1個とるプロシージャー。
$rは最初の球の半径になる。
int $m;: 球を移動するための値を入れておく変数。
sphere;: 最初の球を作る。
scale $r $r $r;: 最初の球の半径は$rなので球を$rだけスケールする。
$r -= 1;: 2個目の球の半径は1個目より1小さいので$rから1引く。
sphere;: 2個目の球を作る。
scale $r $r $r;: 2個目の球を$rだけスケールする。
$m = 2 * $r + 1;: 2個目の球を移動する距離を求める。
$rはすでに1だけ小さくなっているので一つ前の球の半径は$r + 1である。
それと現在の球の半径を加えれば2つの球の間の距離になる。
$r + 1 + $r = 2 * $r + 1
move $m 0 0;: 2個目の球を$mだけ移動する。
$r -= 1;: 3個目の球の半径は2個目より1小さいので$rから1引く。
sphere;: 3個目の球を作る。
scale $r $r $r;: 3個目の球を$rだけスケールする。
$m += 2 * $r + 1;: 3個目の球を移動する距離を求める。
計算方法は2個目と同じである。
ただし、2個目の球の位置に計算結果を加えていることに注意すること。
move $m 0 0;: 3個目の球を$mだけ移動する。

練習

上のmake3Sphere.melを参考にして、5個の球がでるmake5Sphere1.melというMELスクリプトを作ってみよう。
make5Sphere1(5);と打ち込んで実行すると、半径5、4、3、2、1の球が作られるようにする。
make5Sphere1.melを参考にmake5Sphere2.melを作り、半径が1づつ大きくなってゆくように書き換えてみよう。
例えば、make5Sphere2(2)などと実行すると最初に半径2の球が作られて、次に半径3、4、5、6の球が作られるようにする。

まとめ

MELの変数名には必ず$がつく。
MELの変数名の使用方法はC言語に似ている。
MELの変数の計算方法もC言語に似ている。

参考

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