制御構造(if, switch)

MELにおけるifとswitch

MELにおいて条件・値によってコマンドを実行するかどうかを決めるには、C言語と同じように if, switchなどを使用する。

• ifの文法はC言語とほぼ同じである。

  if(条件式)
  {
  	コマンド;
  	.
  	.
  }
  

  if(条件式1)
  {
  	コマンド;
  	.
  	.
  }
  else if(条件式2)
  {
  	コマンド;
  	.
  	.
  }
  else
  {
  	コマンド;
  	.
  	.
  }
  

• switchの文法もC言語とほぼ同じである。
  ただし、switchの値の部分はC言語と違ってint, float, string, vectorなどを使うことができる。

  switch(変数)
  {
  	case 値1 :
  		コマンド;
  		.
  		.
  		break;
  	case 値2 :
  		コマンド;
  		.
  		.
  		break;
  	default :
  		コマンド;
  		.
  		.
  		break;
  }
  

• 条件式もC言語とほぼ同じものが使える。
  == != < > <= >= && || ( )

ifの使用例

半径$radが5.0以下の場合は円上に球を、半径が5.0以上の場合はキューブを$num個並べるMELスクリプト。

1. 以下のMELスクリプトをcircleObjects.melという名前で作る。

   global proc circleObjects(float $rad, int $num)
   {
   	float $r;
   	float $add;
   	float $rr = 360.0;
   
   	$add = $rr / $num;
   	for($r = 0.0; $r < $rr; $r += $add)
   	{
   		if($rad <= 5.0)
   		{
   			sphere;
   		}
   		else
   		{
   			nurbsCube;
   		}
   		move $rad 0 0;
   		rotate -p 0 0 0 0 $r 0;
   	}
   }
   

2. MAYAを立ち上げる。
3. 一番上のメニューバーから Window -> General Editors -> Script Editor によって Script Editor を表示する。
4. Script Editorの File -> Source Script によってcircleObjects.melを読み込む。
5. コマンドラインからcircleObjects(4, 6);と打ち込んで実行する。
6. 半径1の球が半径4の円上に6個作られる。
   
7. コマンドラインからcircleObjects(6, 7);と打ち込んで実行する。
8. 一辺1のキューブが半径6の円上に7個作られる。
   

練習

• 上のcircleObjects.melを参考にして、circleObjects2.melを作り半径が10.0以上の時はコーン(cone)が作られるようにしてみよう。 (それ以外はcircleObjects.melと同じ)
  circleObjects2(11, 8);の実行結果
• circleObjects3.melというMELスクリプトをswitchを使って以下のように作ってみよう。
  circleObjects3(作るオブジェクトの種類, 円の半径, 球の個数)
  (使用例)
  • circleObjects3(1, 3, 4);
    半径1の球が半径3の円のまわりに4個作られる。
    
  • circleObjects3(2, 4, 5);
    一辺1のキューブが半径4の円のまわりに5個作られる。
    
  • circleObjects3(3, 5, 6);
    半径1、高さ2のシリンダー(cylinder)が半径5の円のまわりに6個作られる。
    

まとめ

• MELにおけるif, switchはC言語と同じものを使うことができる。
• 条件式もC言語と同じである。

参考

• オンラインドキュメント (英語)
  /usr/aw/maya/docs/en_US/html/Commands/CommandsTOC.doc.html
• リファレンス
• コーン
• キューブ
• シリンダー