IPアドレス

IPアドレスとは

インターネットにおいて、接続しているノード(普通はパソコンなどのコンピュータ)を識別するためには IP(Internet Protocol)アドレスが使用される。
IPアドレスは 4byte( = 32bit) の整数値で表される。
だから理論的には、2の32乗で4294967296台のコンピュータが接続できる。 (実際は特別な用途に使用するアドレスがあったりして、これよりはかなり少なくなる)
IPアドレスを表現する時には慣習的に4byteを1byteづつ区切って、各数字をピリオドでつなげて表す。

IPアドレスの例

IPアドレスの付け方

インターネットはLANを接続したネットワークである。
それぞれの接続されたLANには、何台かのコンピュータが接続されているが、 それらのコンピュータに一つ一つ違うIPアドレスをつけてゆかなくてはならない。 どこかの一つの組織で、全世界のすべてのコンピュータにIPアドレスを与えていったのでは大変なので、 通常は一つのLANに対して、ある範囲のアドレスを与えて、後はLANの管理者に勝手に割り振ってもらう。
例えば、ある会社か学校のLANに対して
172.16.65.0 から 172.16.65.255
までの範囲でアドレスをつけるようにしてもらって、後はその範囲でLANの中のコンピュータに アドレスを割り振ってもらう。
ただし最期の数字が0と255は特別な用途に使用するので 172.16.65.1 , 172.16.65.2 , ... , 172.16.65.254 の254個のアドレスを各マシンに割り当てることができる。

ネットワークとホスト

IPアドレスはネットワークとホストを表す部分に分かれる。
こうしておくと目的のアドレスまでのデータが転送がやりやすくなる。
(まづ、ネットワークの部分だけを見て、そのネットワークまでデータを転送し、 データがそのネットワークまで達したらホスト部分を見て目的のノードに転送する。)
ネットワークの部分(IPアドレスの前半部分)はあるまとまった範囲のノード全体を表す部分、 ホストの部分(IPアドレスの後半部分)が各ノードを表す部分になる。
IPアドレスのどこまでがネットワークの部分かを表すためにはネットマスクを使用する。

IPアドレスのクラス

上のようにネットワークとホストの部分に分けるために、以下の3つのクラスが使用される。
ただし、IPアドレス(IPv4)が不足しているので現在はもっと細かい分け方(クラスレス)が使用される。

A クラス
下 24 bit 分を割り当てる ( 16777216 台分 )
(例) 192.0.0.0 から 192.255.255.255
ネットマスクは255.0.0.0
B クラス
下 16 bit 分を割り当てる ( 65536 台分 )
(例) 192.168.0.0 から 192.168.255.255
ネットマスクは255.255.0.0
C クラス
下 8 bit 分を割り当てる ( 256 台分 )
(例) 192.168.1.0 から 192.168.1.255
ネットマスクは255.255.255.0

クラスレスの例

  1. IPアドレスが 192.168.133.12で、先頭から28bitがネットワークを表すとする。
    これを192.168.133.12/28などと表す。
  2. 192.168.133.12を2進数で表すと
    11000000101010001000101000001100
  3. このうち先頭から28bit(ネットワーク)は
    1100000010101000100010100000 (2進数)
    192.168.133.0
  4. 残り4bitがそのネットワークに属するノードのアドレスになる。
    1100 (2進数)
    12
  5. ネットマスクは先頭から28bitを1、残りを0にした数値で表す。
    11111111111111111111111111110000
    10進法に変換して
    255.255.255.240

特別なIPアドレス

以下のアドレスはノードのアドレスには使用しない。

127.0.0.1
ループバックと呼ばれ、自分自身を表す
ネットワーク全体を表すアドレス
ホスト部分がすべて0のアドレスはそのネットワーク全体を表す
クラスCの場合、172.23.16.0など。
ブロードキャストアドレス
ホスト部分がすべて1のアドレスはネットワークに接続されたすべてのノードに通信をするために使用される
クラスCの場合、172.23.16.255など。

また以下のアドレスはプライベートアドレスと言ってインターネットに直接接続されたノードには使用しないでインターネットから切り離されたLANのアドレスに使用される。

クラス アドレスの範囲 ネットマスク
A 10.0.0.0 - 10.255.255.255 255.0.0.0
B 172.16.0.0 - 172.31.255.255 255.255.0.0
C 192.168.0.0 - 192.168.255.255 255.255.255.0

プライベートアドレスを割り当てられたノードはルータ(ダイアルアップルータなど)を経由してインターネットに接続することができる。
その際にNATやIPマスカレードなどが使用される。

IPアドレスの将来

上で述べたようにIPアドレスは4byteの整数値なので、約40億台のコンピュータが接続できる 計算になるが、もし世界中の人(約45億人)が一台づつコンピュータを持ってそのすべてがインターネットに 接続したとしたら、アドレスの数が足りなくなってしまう。
それだけでなく、これからはあらゆる電器製品の中に組み込まれているコンピュータも インターネットに接続されてゆく可能性があるので余計に不足が進んでゆくだろう。
現在はさまざまな工夫(プライベートアドレスなど)によってアドレスの不足を補っているが、 今のままでインターネットが拡大し続けるとこのようにアドレスが不足してくるので、 今の4byteをもっと大きな数値(16byte = 128bit)にしようという計画 ( IPv6 ) が進んでいる。

参考

IPv4
RFC760, RFC791
IPv6
RFC1883

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