man はUNIXにおいてテキストベースのオンラインマニュアルを見るためのコマンドである。
UNIXでは、使用方法のわからないコマンドがあったら、まずmanコマンドで調べる。
多くのマニュアルは日本語で表示されるが、一部英語のものもある。
以下の使用方法で[ ]で囲まれている部分は省略可能(オプション)である。
UNIXではオプションは - (ハイフン)の後に英数字1文字で表されることが多い。(例外あり)
man [-f] [-k] [セクション] コマンド名またはキーワード ...
コンソールの1画面より長いマニュアルを表示する場合はSpaceを押すと次の画面に進む。
calというコマンドをmanコマンドで調べてみよう。
% man cal
名称
cal - カレンダを表示する
書式
cal [-jy] [[month] year]
解説
cal は簡単なカレンダを表示します。もし引数が指定されなかった場合は今月の
ものを表示します。オプションは以下のものがあります:
-j ユリウス歴で表示します (日にちは 1 月 1 日からの日数です)。
-y 今年のカレンダを表示します。
パラメータを 1 つだけ指定した場合には、その数値の年 (1 - 9999) のカレンダ
を表示します。ただし、年は完全な形で指定して下さい。例えば ``cal 89'' で
は 1989 年のカレンダーを表示 しません。パラメータ 2 つで月 (1 - 12) と年
を表します。パラメータを指定しない場合はその月のカレンダが表示されます。
1 年は 1 月 1 日から始まります。
グレゴリオ暦への切り替えは 1752 年の 9 月 3 日に行われたと仮定していま
す。この時にほとんどの国が切り替えを承認しました (ただし 1900 年初頭まで
承認しなかった国も、僅かながらありました)。この切り替えにより、この日から
10 日間が無視されたため、この月のカレンダは少し変になっています。
使用例
以下に cal の利用例を示します。
$ cal
April 1995
S M Tu W Th F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 29 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
$ cal -j
April 1995
S M Tu W Th F S
91
92 93 94 95 96 97 98
99 100 101 102 103 104 105
106 107 108 109 110 111 112
113 114 115 116 117 118 119
120
$ cal 9 1752
September 1752
S M Tu W Th F S
1 2 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
歴史
cal コマンドは Version 6 AT&T UNIX から登場しました。
書式の部分にある[-jy]はオプションとして-jと-yがあることを示している。
[[month] year]は月日を表す時にyearまたはmonth yearの2通りがあることを表す。
参考までに同じコマンドを英語で表示させた場合は以下のようになる。
CAL(1) UNIX Reference Manual CAL(1)
NAME
cal - displays a calendar ← コマンドの名前と目的(名称)
SYNOPSIS
cal [-jy] [month [year]] ← コマンドの使用形式(書式)
DESCRIPTION ← コマンドの説明(解説)
Cal displays a simple calendar. If arguments are not specified, the cur-
rent month is displayed. The options are as follows:
-j Display julian dates (days one-based, numbered from January 1).
-y Display a calendar for the current year.
A single parameter specifies the year (1 - 9999) to be displayed; note
the year must be fully specified: ``cal 89'' will not display a calendar
for 1989. Two parameters denote the month (1 - 12) and year. If no pa-
rameters are specified, the current month's calendar is displayed.
A year starts on Jan 1.
The Gregorian Reformation is assumed to have occurred in 1752 on the 3rd
of September. By this time, most countries had recognized the reforma-
tion (although a few did not recognize it until the early 1900's.) Ten
days following that date were eliminated by the reformation, so the cal-
endar for that month is a bit unusual.
HISTORY ← コマンドの歴史
A cal command appeared in Version 6 AT&T UNIX.
BSD Experimental June 6, 1993 1
次にmanコマンドをmanコマンドの-fオプションで調べてみよう。
% man -f man man (1) - an interface to the on-line reference manuals man (7) - macros to format man pages
manという同じ名前で2種類表示されているが最初のものが上で見たmanコマンドである。
2番目は同じ名前でも違う種類のものである。
(マニュアルを表示する時に使用するマクロというもの)
(1)、(7)などの番号はセクションというコマンド・キーワードの種類を表すものである。
もし(7)の方のマニュアルを表示したい時は以下のように実行する。
% man 7 man
次にdateというキーワードで-kオプションを使って関係のあるコマンドを一覧表示してみると以下のようになる。
% man -k date localtime (3) - transform binary date and time to ASCII gmtime (3) - transform binary date and time to ASCII netdate (8) - set date and time by ARPA Internet RFC 868 822-date (1) - Print date and time in RFC822 format ftime (3) - return date and time mktime (3) - transform binary date and time to ASCII date (1) - print or set the system date and time asctime (3) - transform binary date and time to ASCII ctime (3) - transform binary date and time to ASCII strftime (3) - format date and time rdate (8) - set the system's date from a remote host
| 番号 | 種類 |
|---|---|
| 1 | 一般ユーザーの実行するコマンド |
| 2 | システムコール |
| 3 | C言語の関数(ライブラリ) |
| 4 | デバイスファイル(/dev) |
| 5 | システム設定ファイルのフォーマット |
| 6 | ゲーム |
| 7 | manコマンドなどのマクロパッケージ |
| 8 | システム管理コマンド |