パス3

ディレクトリ間の移動

ディレクトリの構成が複雑になってきた時、各ディレクトリの間をいったりきたりするのが面倒になってくる。 そのような時に、なるべく簡単にすばやくディレクトリ間を移動するコマンドとして以下のものがある。

pushd
スタックの一番上にパスを追加する。
popd
スタックの一番上からパスを削除する。
dirs
スタックの内容を表示。
cd -
直前にいたディレクトリにもどる。

ここでスタックとはパス名をいれておくための底のある入れものである。

1. 最初は現在のディレクトリを表すパス名が底に入っている。
   
2. pushd dir2でパス名(dir2)をスタックに入れると、それはスタックの底にある現在のディレクトリの上に積まれる。
   そして、スタックの1番上にあるパス(dir2)が現在のディレクトリになる。
   
3. その後で、もう一度pushd dir3で別のパス名(dir3)をスタックに入れると、そのパス名がスタックの上に積まれる。 (現在のディレクトリはdir3)
   
4. pushdだけを実行すると、スタックの上から1番目と2番目が入れ換えられる。 (現在のディレクトリはdir2)
   
5. popdを実行すると、スタックの1番上にあるパスが除かれる。 (現在のディレクトリはdir3)
   

使用例

# pwd
/CG/CG99/ad990000
# cd kadai1/kadai1-1
# pwd
/CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# pushd ~/kadai2/kadai2-2
/CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2 /CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# dirs
/CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2 /CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# pushd
/CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1 /CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2
# pushd
/CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2 /CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# pushd ~
/CG/CG99/ad990000 /CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2 /CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# dirs
/CG/CG99/ad990000 /CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2 /CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# pushd
/CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2 /CG/CG99/ad990000 /CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# pushd
/CG/CG99/ad990000 /CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2 /CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1
# pushd +2
/CG/CG99/ad990000/kadai1/kadai1-1 /CG/CG99/ad990000 /CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2
# popd
/CG/CG99/ad990000 /CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2
# popd
/CG/CG99/ad990000/kadai2/kadai2-2
#

参考

• 「たのしいUNIX」p.71 〜 p.72