Python Tk 1

Tkinter

Pythonに標準でついているGUIで、 Tcl/TkをPythonに移植したものがTkinterです。

その他のGUI toolkit

これらは、Pythonとは別にインストール必要です。

wxPython: Python用のGUI
PyGtk: GtkのフレームワークのPython言語バインディング
PyQt: QtのフレームワークのPython言語バインディング

ウィジェット

ウインドウ上に配置する部品のことを、ウィジェットと言います。
ウィジェットは、以下の形式でインスタンスを作成します。


変数 = ウィジェット名(親ウインドウまたは親ウィジェット, [オプション])

ウィジェット名一覧

Frame: ウィジェットを配置する枠
Label: 文字列やイメージの表示
Message: 複数行の文字列を表示
Button: ボタン
Radiobutton: ラジオボタン
Checkbutton: チェックボタン
Listbox: リストボックス
Scrollbar: スクロールバー
Scale: スケール
MELのスライダです。
Entry: 1 行文字列の入力と編集
Menu: メニュー
Menubutton: メニューボタン
Bitmap: ビットマップ
Canvas: キャンバス
Text: テキスト入力と編集
LabelFrame: ラベル付きフレーム
Spinbox: スピンボックス
PanedWindow: ペインウィンドウ

よく使われるオプション一覧

foreground(fg): 文字や線を描くのに使用する色
background(bg): 背景色
text: ウィジェット内に表示されるテキスト
textvariable: テキストを格納するオブジェクト
image: ウィジェット内に表示されるイメージ
bitmap: ウィジェット内に表示されるビットマップ
borderwidth(bd): ウィジェットの枠の幅
relief: ウィジェットの枠のスタイル
height: ウィジェットの高さ
width: ウィジェットの幅
anchor: ウィジェットや表示されるデータの位置

色

Tkinterで、色を指定するには以下の形式を使用します。
各R,G,Bの記号は4bitの16進数を表します。

#RGB
#RRGGBB
#RRRGGGBBB
#RRRRGGGGBBBB

例えば、#ffff00は赤255、緑255、青0で黄色になります。

ジオメトリマネージャ

ウィジェットをウインドウ上に配置するには、以下のメソッドを使用します。

place(): 指定した座標に配置します。
pack(): 縦または横方向に向かって一列に並べます。
grid(): 格子状に配置します。

このうち、pack()とgrid()は、ウィジェットの数・大きさによってウィンドウの大きさが変わります。

Hello World

ラベルのついたウインドウを作成します。


#!/usr/bin/env python
import Tkinter

label = Tkinter.Label(None, text='Hello World!')
label.pack()
label.mainloop()

スクリプト解説

#!/usr/bin/env python: 以下のコードを、Phthonスクリプトとして実行します。
import Tkinter: Tkinterモジュールをインポートします。
label = Tkinter.Label(None, text='Hello World!'): 'Hello World'という文字列を表示したラベルのインスタンスを作成し、変数labelに代入します。
第一引数がNoneなので、親ウィジェットはありません。
label.pack(): pack()によって、ラベルをウインドウ並べます。
label.mainloop(): イベントループを開始します。

何もしないボタン

ボタンを表示するだけのウインドウを作成します。


#!/usr/bin/env python
import Tkinter

root = Tkinter.Tk()
button = Tkinter.Button(root, text='button1')
button.pack()
root.mainloop()

スクリプト解説

root = Tkinter.Tk(): Tkオブジェクトのインスタンスを作成します。
これがメインウインドウになります。
button = Tkinter.Button(root, text='button1'): メインウインドウを親にして、ボタンのインスタンスを作成します。

閉じるボタン

押すとウインドウを閉じるボタンを作成します。


#!/usr/bin/env python
import sys
import Tkinter

root = Tkinter.Tk()
button = Tkinter.Button(root, text='Exit', command=sys.exit)
button.pack()
root.mainloop()

スクリプト解説

button = Tkinter.Button(root, text='Exit', command=sys.exit): sys.exit()メソッドを実行するボタンを作成します。

関数を実行するボタン

任意の関数を実行するボタンを作成します。


#!/usr/bin/env python
import sys
import Tkinter

def func1():
	label.configure(text='button1 pressed')

def func2():
	label.configure(text='button2 pressed')

root = Tkinter.Tk()
label = Tkinter.Label(root, text='press button')
label.pack()
button1 = Tkinter.Button(root, text='button1', command=func1)
button1.pack()
button2 = Tkinter.Button(root, text='button2', command=func2)
button2.pack()
button3 = Tkinter.Button(root, text='Exit', command=sys.exit)
button3.pack()
root.mainloop()

スクリプト解説

label.configure(text='button1 pressed'): ラベルのテキストを'button1 pressed'に書き換えます。
button1 = Tkinter.Button(root, text='button1', command=func1): 関数func1を実行するボタンを作成します。

ラベルの色を変えるスライダ 1

スライダによって、ラベルの色が変化するウインドウを作成します。
スライダは、0から255の間で1づつ変化します。


#!/usr/bin/env python
import sys
import Tkinter

def color_red(n):
	label.configure(bg='#%02x0000' % scale1.get())

root = Tkinter.Tk()
label = Tkinter.Label(root, text='press button', fg='#ffffff')
label.pack()
scale1 = Tkinter.Scale(root, label='label color', orient='h', from_=0, to=255, command=color_red)
scale1.pack()
button1 = Tkinter.Button(root, text='Exit', command=sys.exit)
button1.pack()
root.mainloop()

スクリプト解説

label.configure(bg='#%02x0000' % scale1.get())

スケールscale1の現在の値を得て、ラベルのバックの色に設定します。
%02xは、2桁の16進数という意味です。
例えば、スケールの数値が255なら色は#ff0000になります。

label = Tkinter.Label(root, text='press button', fg='#ffffff')

文字の色が#ffffffのラベルを作成します。

scale1 = Tkinter.Scale(root, label='label color', orient='h', from_=0, to=255, command=color_red)

スケールを作成します。

orient='h': 水平方向に配置します。
'v'で垂直向になります。
from_=0: 最小値は0です。
to=255: 最大値は255です。
command=color_red: スケールを移動したときに実行する関数は、color_red()です。

ラベルの色を変えるスライダ 2

同様にスライダによって、ラベルの色が変化するウインドウを作成します。
スライダは、0.0から1.0の間で0.1づつ変化します。


#!/usr/bin/env python
import sys
import Tkinter

def color_red(n):
	label.configure(bg='#%02x0000' % (int)(scale1.get()*255))

root = Tkinter.Tk()
label = Tkinter.Label(root, text='press button', fg='#ffffff')
label.pack()
scale1 = Tkinter.Scale(root, label='label color', orient='h', from_=0.0, to=1.0, resolution=0.1, command=color_red)
scale1.pack()
button1 = Tkinter.Button(root, text='Exit', command=sys.exit)
button1.pack()
root.mainloop()

スクリプト解説

scale1 = Tkinter.Scale(root, label='label color', orient='h', from_=0.0, to=1.0, resolution=0.1, command=color_red)

スケールを作成します。

from_=0.0: 最小値は0.0です。
to=1.0: 最大値は1.0です。
resolution=0.1: スケールの移動単位は0.1です。

練習問題

上のslider2.pyを参考にして、以下のようなウインドウを作成し、ラベルの色を赤・緑・青で変更できるようにしてみましょう。

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