ディレクトリ1

ディレクトリとは

• ディレクトリとはファイルを入れておく部屋のようなものである。
• ディレクトリにはファイルと同じように必ず名前がある。
  名前の付け方はファイルと同じ。
• ファイルは必ずどこかのディレクトリの下に作られる。
• ディレクトリの下にディレクトリを作り、さらにその下にディレクトリを作っていくらでも階層を深くすることができる。
• ファイルはディレクトリの間をコピー・移動することができる。
• 自分自身(作業場所)もディレクトリ間を移動できる。
• ディレクトリは自由に増やしたり、消したりすることができる。
• 新しく作られたディレクトリは必ずどこかのディレクトリの下に作られる。
• ディレクトリ全体はツリー構造になっている。
• 現在、作業場所となっているディレクトリをカレントディレクトリと言う。
• ログインした時に入るディレクトリをホームディレクトリと言う。
• すべてのディレクトリはルートディレクトリ( / で表される)を頂点としてツリー構造になっている。
• WindowsやMacなどではフォルダーという名前で呼ばれているものが対応するが、 似てはいても同じものではないのでUNIXではディレクトリと呼ぶこと。

ディレクトリ操作のためのコマンド

mkdir

ディレクトリを作る
ディレクトリ名はファイルと同じように自由につけることができる。

• kadai1というディレクトリを作る。
  % mkdir kadai1

rmdir

ディレクトリを消す
ディレクトリを消す時にはディレクトリの中にあるファイル・ディレクトリをすべて消すか、他のディレクトリに移動しなければならない。

• kadai1というディレクトリを消去する。
  % rmdir kadai1

cd

カレントディレクトリの変更
カレントディレクトリを変更する時はこのコマンドの後にパス名をつける。
ここでは、とりあえず..が一つ上のディレクトリを表すことを知っておけば良い。

• カレントディレクトリをkadai1というディレクトリに変更する。
  % cd kadai1
• カレントディレクトリを一つ上のディレクトリに変更する。
  % cd ..
• カレントディレクトリを一つ上のディレクトリの下にあるkadai2に変更する。
  % cd ../kadai2
• カレントディレクトリをホームディレクトリへ変更する。
  % cd

pwd

現在のディレクトリを表示
% pwd
/amt/home0/ad000000

mv

ファイルをディレクトリに移動

• ファイルdata1をディレクトリkadai1に移動。
  % mv data1 kadai1
• ファイルdata1を一つ上のディレクトリに移動。
  % mv data1 ..

cp

ファイルをディレクトリにコピー

• ファイルdata1をディレクトリkadai1にコピー。
  % cp data1 kadai1
• ファイルdata1を一つ上のディレクトリにコピー。
  % cp data1 ..

ディレクトリ操作の例1

以下の例では新たにディレクトリを作成し、その中にファイルを作り、その後でそのディレクトリを消去している。

% pwd
/amt/home0/ad000000     ← ホームディレクトリ
% mkdir dir1     ← ディレクトリdir1を作る。
% cd dir1        ← カレントディレクトリをディレクトリdir1に変更する。
% pwd
/amt/home0/ad000000/dir1
% ls
% date > data1   ← ディレクトリdir1の中でファイルdata1を作る。
% ls
data1
% cd ..          ← カレントディレクトリを一つ上のディレクトリに変更する。
% pwd
/amt/home0/ad000000
% ls dir1
data1
% rmdir dir1     ← ディレクトリdir1を消去しようとする(が失敗)。
rmdir: dir1: Directory not empty 
% cd dir1        ← もう一度カレントディレクトリをディレクトリdir1に変更する。
% mv data1 ..    ← ファイルdata1を一つ上のディレクトリに移動。
% ls
% cd ..          ← カレントディレクトリを一つ上のディレクトリに変更する。
% rmdir dir1     ← ディレクトリdir1を消去する(今度は成功)。
% ls dir1
ls: dir1: No such file or directory 
%

パスとは

パスとはあるディレクトリから別のディレクトリへの道筋のことである。
UNIXのコマンドを使用する場合、パス名を使って別のディレクトリにあるファイル・ディレクトリを表現できる。
あるディレクトリから別のディレクトリへ自分を移動したり、ファイルを・コピー・移動したりする時はつながっているディレクトリをたどってゆかなければならない。

パスを表す時は、特別な表現方法として、以下の記号を使う。

. (ピリオド一つ)
カレントディレクトリ
.. (ピリオド二つ)
一つ上のディレクトリ
/ (スラッシュ)
ディレクトリを区切る記号
ただし、/のみの場合はルートディレクトリを表す。

相対パスと絶対パス

他のディレクトリにあるファイル・ディレクトリを表す時、 またはディレクトリ間を移動する時には相対パスか絶対パスという方法を使う。

相対パスの例

カレントディレクトリからたどっていったパスを相対パスという。

% mkdir dir1             ← dir1を作る
% cd dir1                ← dir1移動
% mkdir dir2             ← dir2を作る
% cd ..                  ← 一つ上に移動
% mkdir dir3             ← dir3を作る
% cd dir3                ← dir3移動
% mkdir dir4             ← dir4を作る
% cd ..                  ← 一つ上に移動
% cd dir1/dir2           ← dir1の下のdir2ディレクトリへ移動
% cd ../../dir3/dir4     ← 二つ上(../..)の下のdir3の下のdir4ディレクトリへ移動
% cd ../..                 ← 二つ上(../..)のディレクトリへ移動
% cp data3 dir3/dir4      ← dir2の下のdir2-2ディレクトリへdata3をコピー
%

絶対パスの例

ルートディレクトリからたどったパスを絶対パスという。 カレントディレクトリの絶対パスを知るにはpwdコマンドを使う。

% pwd
/amt/home0/ad000000/kadai1 
%

この時、一つ上のディレクトリに移動するには以下のような2つの方法がある。

% cd ..
% pwd
/amt/home0/ad000000 
%

または

% cd /amt/home0/ad000000
% pwd
/amt/home0/ad000000 
%

ホームディレクトリへの移動

ホームディレクトリへの移動は以下の方法でも実行できる。
(どこのディレクトリにいるのかわからなくなったらこの方法で戻ってからやりなおすこと)

• % cd
• % cd ~

練習課題

参考

• 「PC-UNIX」第3章 p.48 〜 p.56