Maya を起動しないで、 コマンドプロンプトからレンダリングするとメモリーを節約し、 GUI 上からではできないことができるようになります。 特に、最終レンダリングの時などには有効です。
コマンドプロンプトは以下のような、
キーボードからコマンドを打ち込んで実行するためのウインドウです。
Linux のターミナルに似ていますが、コマンド・操作方法などで違うところがあるので注意してください。
下図で C:\Documents and Settings\abe> はプロンプトで C:\Documents and Settings\abe は現在いるフォルダーを示しています。
コマンドプロンプトのウインドウは以下の方法のいづれかによって表示します。
上記の方法が面倒な場合は、 デスクトップにショートカットを作成するか、 クイック起動バーに登録しておきましょう。
コマンドプロンプトでは Linux と同じようなヒストリー機能が使用できます。
Maya などでレンダリングした大量の画像ファイルのファイル名を変換したい場合には ren コマンドが利用できます。
ren コマンドでは画像フォーマットの変換はできないので注意してください。
画像フォーマットを変換したい場合は
imgcvt
コマンドを使用します。
コマンドプロンプトからのレンダリングには Render コマンドを使用します。
ここでは、基本的な使用方法を紹介します。
以下の方法は静止画のレンダリング方法ですが、
アニメーションの場合も同じ方法でレンダリングできます。
Render コマンドを使用してレンダリングに失敗する場合は、 シーンファイルのあるフォルダーへ移動してからレンダリングを再実行するか、 シーンファイルをフルパスで指定してください。
もっと、簡単にフォルダーに移動したい場合には、
デスクトップなどに以下のコマンドをファイルに書き込んでおいて、
マウスのクリックで起動すると、
目的のフォルダーに移動した状態でコマンドプロンプトを表示できます。
ファイル名は、default.bat などのように拡張子に .bat をつけた名前にしておきます。
cmd /k"pushd C:\Documents and Settings\abe\My Documents\maya\projects\default\scenes"
Render コマンドをバッチファイルに記述しておくと、
マウスのクリックだけでレンダリングを実行できます。
また、バッチファイルを使うと複数のレンダリングを順番に実行したり、
レンダリング後の自動シャットダウンなど Maya 上からではできない便利な機能を利用できます。
cd "Z:\myDocuments\maya\projects\default\scenes" ←レンダリングしたいシーンファイルのあるフォルダに書き換える
set Render="C:\Program Files\Autodesk\Maya2012\bin\Render"
%Render% test.mb ←レンダリングするシーンファイル名
cd コマンドの右には、
ダブルクォートで囲んでレンダリングしたいシーンファイルの存在するフォルダー名を書いておきます。
(エクスプローラーなどからコピーするのが簡単でしょう)
バッチレンダリングが終了したら、 自動的にマシンをシャットダウンしたいときは shutdown コマンドをバッチファイルの最後に実行します。
cd "Z:\myDocuments\maya\projects\default\scenes"
set Render="C:\Program Files\Autodesk\Maya2012\bin\Render"
%Render% test.mb
shutdown /f /s
shutdown コマンドのオプション /s を /l に変更すると、 シャットダウンではなくてログオフします。
(注意)
実習室のマシンでは、生徒によるシャットダウンはできません。
Render コマンドにオプションをつけて実行すると、 Maya の Render Setting による設定に関係なく、 レンダリング画像ファイルの解像度やフレーム数を変更できます。
以下のバッチファイルでは、 test.mb を 10 フレーム(-s)から 20 フレーム(-e)まで 320 X 240 (-x, -y)の解像度でバッチレンダリングしています。
cd "Z:\myDocuments\maya\projects\default\scenes"
set Render="C:\Program Files\Autodesk\Maya2012\bin\Render"
%Render% -s 10 -e 20 -x 320 -y 240 test.mb
その他のオプションについては、 Render コマンドの解説を参照してください。
バッチファイルの中の Render コマンドはいくつでも実行できるので、 以下のようなバッチファイルを作成することで、順番にレンダリングを実行することができます。
cd "Z:\myDocuments\maya\projects\default\scenes"
set Render="C:\Program Files\Autodesk\Maya2012\bin\Render"
%Render% test1.mb
%Render% test2.mb
%Render% test3.mb
バッチファイル内の各コマンドの行頭に rem を入れておくと、 そのコマンドは実行されません。
以下の例では、
%Render% test1.mb
shutdown /f /s
の 2 つのコマンドがコメントアウトされて実行されません。
cd "Z:\myDocuments\maya\projects\default\scenes"
set Render="C:\Program Files\Autodesk\Maya2012\bin\Render"
rem %Render% test1.mb
%Render% test2.mb
%Render% test3.mb
rem shutdown /f /s
バッチファイルの実行内容を確かめてからコマンドプロンプトのウインドウを閉じたい場合には、 pause コマンドをバッチファイルの最後で実行しておきます。
cd "Z:\myDocuments\maya\projects\default\scenes"
set Render="C:\Program Files\Autodesk\Maya2012\bin\Render"
%Render% test.mb
pause
続行するには何かキーを押してくださいという表示の後で、 何かキーを押すとウインドウが閉じます。