PyMELの応用 (岩石)

岩石を作る

ラティスデフォーマを利用した岩石を自動生成するスクリプトを作成してみましょう。

岩石を作る方法

ポリゴンにデフォーマをかけて全体がゆがんだ形になるようにしてみます。

今回の作り方は以下の通りです。

  1. ポリゴンの球を作ります。
  2. ラティスデフォーマを作成します。
  3. 乱数を 3 つ発生させます。
  4. その乱数で X, Y, Z 方向に、ラティスデフォーマにスケールをかけます。
  5. ラティスデフォーマの各制御点に対して以下の処理を繰り返します。
    1. 乱数を 3 つ発生させます。
    2. その乱数で制御点を X, Y, Z 方向に移動させます。

岩石を作るプログラム 2

まず、1 個だけ岩石を作るスクリプトを作ってみましょう。

  1. 以下のプロシージャを makeRock1.py と言う名前でファイルに書き込みます。
    import pymel.core as pm
    import random
    
    def makeRock1():
        pm.polySphere()
        lattice = pm.lattice(divisions=(2, 5, 2), objectCentered=True)
        x = random.uniform(1.0, 3.0)
        y = random.uniform(1.0, 3.0)
        z = random.uniform(1.0, 3.0)
        pm.scale([x, y, z])
        for p in lattice[1].pt:
            x = random.uniform(-0.6, 0.6)
            y = random.uniform(-0.6, 0.6)
            z = random.uniform(-0.6, 0.6)
            pm.select(p, r=True)
            pm.move([x, y, z], r=True)
    
  2. スクリプト エディタ の ファイル → スクリプトのロード によって makeRock1.py を読み込んで、テンキーの Enter キーなどで実行します。
  3. スクリプト エディタ で以下のコマンドを実行してみます。
    makeRock1()
    [makeRock1() の実行例]

スクリプトの解説

import pymel.core as pm
pymel.core モジュールをインポートしてpmという名前で使用できるようにします。
import random
random モジュールをインポートします。
uniform() 関数を使うために必要です。
def makeRock1():
makeRock1 という名前の関数を宣言します。
pm.polySphere()
ポリゴンの球体を作ります。
poly には球の名前が代入されます。 (poly[0] にトランスフォームノード、poly[1] にインプットノード)
lattice = pm.lattice(divisions=(2, 5, 2), objectCentered=True)
ラティスデフォーマを作成します。
[ラティスデフォーマ]
lattice[0] に ffd ノード名、lattice[1] にトランスフォーム名(ffd1Lattice など)、 lattice[2] にトランスフォーム名(ffd1Base など)が入ります。
ffd ノードは、入力オブジェクトのコンポーネントを変形するノードです。
[ラティスデフォーマのノード]
divisions=(2
X, Y, Z方向のラティススライス数を設定します。
ここでは、X 方向に 2 分割、 Y 方向に 5 分割、 Z 方向に 2 分割しています。
objectCentered=True
選択されているポリゴンオブジェクトにラティスがセンタリングされます。 デフォルトは False なので、 このフラグをつけないとラティスデフォーマが原点でセンタリングされてしまいます。
x = random.uniform(1.0, 3.0)
1.0 から 3.0 の乱数の値をxに代入します。
y = random.uniform(1.0, 3.0)
1.0 から 3.0 の乱数の値をyに代入します。
z = random.uniform(1.0, 3.0)
1.0 から 3.0 の乱数の値をzに代入します。
pm.scale([x, y, z])
x, y, zの値でラティスデフォーマをスケールします。
for p in lattice[1].pt:
ラティスデフォーマの各制御点に対して、以下の処理を行います。
x = random.uniform(-0.6, 0.6)
-0.6 から 0.6 の乱数の値を$xに代入します。
y = random.uniform(-0.6, 0.6)
-0.6 から 0.6 の乱数の値を$yに代入します。
z = random.uniform(-0.6, 0.6)
-0.6 から 0.6 の乱数の値を$zに代入します。
pm.select(p, r=True)
制御点(p)を選択します。
pm.move([x, y, z], r=True)
ラティスデフォーマの制御点を、元の位置から x, y, z 移動します。
r フラグによって相対位置での移動になります。

Tips (seed)

random.uniform() 関数を使用すると、実行するたびに違う数値がかえってきますが、 常に同じ数値を返すようにしたい場合があります。 そのようなときには、以下のように random.seed() 関数を使用します。

random.seed(1)
random.uniform(1.0, 2.0)
# 結果: 1.1343642441124011 #
random.uniform(1.0, 2.0)
# 結果: 1.8474337369372327 #
random.seed(1)
random.uniform(1.0, 2.0)
# 結果: 1.1343642441124011 #
random.uniform(1.0, 2.0)
# 結果: 1.8474337369372327 #

練習

参考


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